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選手権での久御山旋風から考えるこれからの高校サッカー  

2011年01月12日 通巻第24号より抜粋

(c) Ichiro Ozawa



 年末30日から行われていた第89回全国高校サッカー選手権大会は、滝川第二高(兵庫県)の初優勝で幕を閉じた。今大会を見ていて思ったのは、日本の高校サッカーといえども世界のサッカーのトレンドや流れに沿っており、もはや「高校サッカー」「選手権」という枠で切り取って見ることはできないということ。スペイン代表とバルセロナの成功で、ボールを大切にするパスサッカーが世界的なトレンドであり、成功率の高いショートパスを主体にエネルギーロスを少なく相手陣内に入っていくサッカーが「ロジカルなもの」と再認識されているのは説明するまでもない。選手権のような大会でも、その傾向は見えた。

「ダブルブルドーザー」と呼ばれたFW樋口寛規とFW浜口孝太の強力2トップを擁する滝川第二は、11名のみならずベンチ入りの20名、大会登録の25名まで個人能力が高かった。チームとしての総合力では、大会参加チームの中でも1、2を争うもの。優勝はある意味順当だったと思うが、今大会の久御山高(京都)がみせたインパクトは優勝した滝川第二以上のものではなかったか。ここでは、久御山が大会で巻き起こした旋風を振り返りながら、これからの高校サッカーについて考えてみたい。

 京都勢の決勝進出は1992年、プレースタイルもルックスも超高校級だった石塚啓次(元ヴェルディ川崎)擁する山城以来18年ぶり。その翌年(93年度)に京都市出身の私は高校生となったが、それから京都の高校サッカーはレベルダウンし続けていった。理由は複数あると思うが、大きいのは93年にJリーグが発足し、いい選手がJ下部組織に引き抜かれるようになったこと。また、京都という独特の地域性もあると私は考えている。

 一般的に京都の人間は、京都へのこだわりを強く持つ。プラスに見ると伝統や風習を重んじる、マイナスに見れば外に出ようとせず内向きな性格がある。言ってしまえば閉鎖的な都市で、学校の部活というさらに閉ざされた環境の中で閉塞感が漂っていたのが京都の高校サッカー界だった。指導者も京都生まれ京都育ちが多く、縄張りやライバル意識が他府県以上に強い。トレセン活動などでも、協力体制が生まれにくい土地柄だった。

 その結果、京都の高校サッカーは早くから群雄割拠の戦国時代に突入し、毎年選手権出場校が入れ替わる低レベルな覇権争いが続いた。昨年までの5年間、高校選手権出場校は全て異なる。必然的に、優秀な選手は京都の高校に行くことを避けるようになり、県外の強豪校に行くケースが激増した。一番の例が、鹿児島実業高(鹿児島)を選んだ松井大輔(グルノーブル)だろう。今大会も優勝した滝川第二のMF谷口智紀は京都の紫光SC出身だが、滝二に越境入学している。近年もいい選手はJ下部に行く傾向にあり、家長昭博(マジョルカ)、宇佐美貴史(ガンバ大阪)は京都の長岡京出身ながら早くにガンバ大阪へ移籍している。

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決勝後の滝川第二MF香川、谷口のコメント 

1月10日に国立競技場で行われた第89回全国高校サッカー選手権大会の
決勝、久御山(京都府)対滝川第二(兵庫県)

結果は、3-5で滝川第二の勝利。初優勝おめでとうございます。

以下、決勝後の滝川第二MF香川勇気のコメント


(途中からマイクを向けたため質問はわからず)

 サイドバックが無理でも繋いできたので。ビデオを見る限り。そこで潰せたらゴールが近いですし、FW2人は技術を持っているのでそこで早く攻撃ができれば点はとれると思っていた。そこは繋がれることを覚悟して恐れずに前からいこうと話はしていました。

――そのプレスは機能したと感じていますか?

 そうですね、最初のスタミナがあるうちはできていたんですが、スタミナがなくなってくるとかわされる部分が多くて。後半になると引いて守るということに変えたんですが、引きすぎて相手に押し込まれる部分が多くなった。それが失点につながったんじゃないかと思います。

――引きすぎてしまった要因は?

 相手の勢いがすごかったので、飲まれた部分があった。クリアの質が低かった。セカンドボールを拾われて、波状攻撃を受けてしまった。そのクリアの部分をしっかりとできれば波状攻撃されないかなとは思っていたが、クリアが曖昧になったりセカンドボールを拾われたりして波状攻撃、押し込まれてしまいました。

――久御山の選手は、普段対戦していようなチームの選手と感覚が違いましたか?飛び込めない、不用意にいくとかわれるというような感覚。

 野洲とか立正大淞南とかJのチームとかとやると(パスを)回されます。ポゼッションされるチームとやってきたので、そういう意味ではあまり、特別苦手ではなかった。いつも通り、そういうチームとの戦い方も高円宮杯に出て経験しているので、大丈夫かなと思っていました。

――今日はボール支配されることは覚悟した上で、奪ってからの切り替えを意識していたのですか?

 はい。ビデオを見て、相手の切り替えが遅いのはわかっていたので、奪ってから早く攻めると効果的だというのはチーム内で話をしていました。今日はそれが上手くはまってできたんじゃないかと思います。

――準決勝と決勝の個人的なパフォーマンスに対する満足度は?

 今回は、プレー云々よりもチームとして優勝することが目標だったので。目標を果たせたので満足しています。

――監督が2トップばかりが注目されますが、滝川第二の肝は2ボランチ、両サイドバックの運動量も含めて後ろだと言っていました。

 そうですね、FWだけじゃなくてボランチ、センターバック、サイドバックという後ろの部分で、失点してしまうと点をとっても負けるので守備の意識を高めてきた。守備のいいチームは負けないと思うし、その意識でやってきた。今日は3点とられたけれど、よく我慢したと思います。

――香川君は、今回の滝川第二のサッカーをどう説明しますか?

 勢い半分、技術半分という感じですかね(笑)。元々、自分でも強いチームだったとは思わなくて、初戦で樋口が3点とってくれて、2回戦も3回戦も点をとって勝つことができたので、その部分で僕たちは点をとったら乗るチームなので。その辺は勢いに乗れたかなとは思います。

<了>




以下、決勝後の滝川第二MF谷口智紀のコメント


――失点した後、香川君とポジショニングなどで修正したところはありますか?

 前半終了した時に、23番のところを簡単にやらせすぎたので、後半は僕がちょっと下がって23番のところを潰せるように心がけてやっていました。

――相手の6番(二上)が前半から比較的フリーでボールを受けて前を向いて、23番(林)や14番(足立)に繋いでいましたが、あの時間帯で相手のキーマンへの対応はどう考えていましたか?

 前半はちょっと中で修正できずに苦しい場面が続いたんですけど、ハーフタイムにしっかり話ができて後半はあまり前からいかずにしっかりブロックを作ってやろうとやったら立ち上がりの部分からいい入り方ができたんですけど、やっぱりラスト相手が枚数かけてきた時に押し込まれる部分が多かった。あそこでも耐えることのできる守備力は大切になってくるかなと思います。

――前半はプレスにいくべきかブロック作るべきか迷った部分があったのですか?

 そうですね。相手が思った以上にテクニックがあったので、焦りから乱れた部分があったのですが、ハーフタイムにしっかり修正できたので良かったと思います。

――京都出身で京都のチームと決勝で戦えたことについては?

 最高の舞台で京都のチームとできるのは幸せでしたし、逆に負けられないという気持ちは強かったです。決勝の舞台で京都のチームに負けてしまうと、何しに滝二に来たのかわからないし、やっぱり立ち上がりのところから相手に押し込まれる部分もあったんですけど、しっかりできたので良かったです。

――試合後、(中学時代、京都紫光SCでチームメイトだった)山本君とは何か話をしましたか?

 まあ、(京都に)帰ったらまたご飯でもいこうかって話はしていましたし、この舞台で戦えたことは楽しかったです。これからもまた対戦することがあるかもしれないですが、この経験は忘れられないですね。

――滝二での3年間で選手として伸びたと思う部分は、特にどういう部分ですか?

 まず運動量が増えたところ。中学の時はあまり動く選手ではなかたのですが、高いレベルでは運動量が求められます。守備の部分でも粘り強い守備であったり、1対1の対応が求められるので、全国レベルで戦えるようになりました。

――これから大学(立命館大)に進学されるとのことですが、大学の先はやはりプロを見据えていますか?

 はい。

――どういうタイプのボランチになりたいですか?

 チームの中心として攻守に渡って貢献できる選手になりたいですし、守備の部分では真ん中のところで相手の攻撃を止めて、攻撃のところではフォワードに関わってゴールやアシストできるような選手になりたいです。

<了>



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決勝後の久御山MF二上浩一のコメント 

1月10日に国立競技場で行われた第89回全国高校サッカー選手権大会の
決勝、久御山(京都府)対滝川第二(兵庫県)

結果は、3-5で滝川第二の勝利。初優勝おめでとうございます。


以下、試合後の久御山のMF二上浩一のコメント。


――試合の感想を聞かせて下さい。

 そうですね、最初の方の出足は良かったのですが、そこでちょっとした(気の)緩みで点をとられてしまって。まだいけるかなと思ったんですが、後半僕もボールをとられることが多くなってしまって3点目をとられてしまいました。その後、交代なんかで流れが変わって終盤に2点とれたのはよかったですけど、やっぱり……。

―滝川第二が開始から引いてきて激しくプレスをかけてこなかったですが、あの辺は予想していましたか?

 前の試合を見てもそんなにきていなかったので、予想通りで前の試合よりはやりやすかったです。でも、崩し切れなかったのでそこは反省しなければいけない点だと思います。

――ただ、序盤はDFラインからボールをつけてもらい、前を向いて23番(林祥太)や14番(足立拓眞)にいいパスを供給し、中盤の3人で上手くゲームを作っていたと思います。あの時間帯で先制できなかったのは痛かったですか?

 そうですね。点がとれたらもうちょっといい展開になったかなと思うのですが、後半それを続けられなかったのでその点は反省しています。

――短期間での連戦でコンディションとしては良くなかったですか?

 リフレッシュして良い状態で臨めてはいたのですが、やっぱりボールをとられてしまって流れを悪くしたかなという感じです。

――まだ2年生で来年もありますが、今後に向けての意気込みは?

 ボールを絶対にとられない選手になりたいですし、そこから、そこプラス前にいいパスを出せる選手になりたいです。

――松本監督が会見で久御山の選手は身体能力は高くないけれど、サッカーはボールゲームなのでボール扱いの上手い選手で戦っていきたいと話していました。二上君はそういうチームのスタイルに合っている選手に見えますが?

 そうですね、はい。

――久御山に入ったからこそ技術的に成長したと実感していますか?

 はい。ゲーム中心の練習で、ボールの扱いは上手くなりますし、久御山に入ってよかったなと思っています。


<了>



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決勝後の久御山主将・DF山本大地のコメント 

1月10日に国立競技場で行われた第89回全国高校サッカー選手権大会の
決勝、久御山(京都府)対滝川第二(兵庫県)

結果は、3-5で滝川第二の勝利。初優勝おめでとうございます。

以下、試合後の久御山の主将でDFの山本大地のコメント。


――敗れてしまいましたが決勝の感想を。

 負けちゃったんですけど、やっていて一番楽しかったし、ここまで来れてといったらダメですけど、最後までみんなとできて。追いついていけるかなと思ったんですけど、最後はちょっと甘さが出たという感じです。今までやってきて楽しかったです。

――試合前の滝川第二の印象は?

 攻撃は強烈だなと思っていたので、失点はできるだけ少なくという感じだったのですが、前半に2点をとられて焦りというか。決勝ということで勝ちに急いでしまったというか。後半もまだ45分あるから1点ずつ(返して)いこうという時に失点してしまったのでディフェンスが甘かったのかなというのはありますね。

―2トップを止めるのは厳しかったですか?

 厳しいというか硬くなってしまったというか。ちょっとびびってしまったという感じですね。

――コイントスで風下を取った選択は?

 後半に太陽も沈むと思ったので、初めは苦しいかなと思ったのですが、そっちにしました。でも、太陽が沈まなくて(笑)。まあ、言ってもしょうがないですけど、ドンマイって感じですね。

――1点差まで追い詰めた時の気持ちは?

 あのまま失点がなかったらいけたと思うのですが、そこで失点してしまうのが久御山らしいというか仕方ないですね。

――今までもああいうところが課題だった?

 そうですね。でも、今までだったら諦めている部分もあったので、ちょっとは成長できたかなと思います。最後は甘かったですけれども。

――最後1点を取にいくにあたっての戦い方、繋ぎ方は?

 ロングボールも多かったんですが、ロングボールより崩していく方が久御山としてのチャンスになると思います。あそこで焦りがなかったらもう1点いけたと思うんですが、失点してしまったのが大きいですね。

――終わってから泣いている選手も多かったですが、キャプテンをはじめ笑顔を心掛ける選手も多かったように思います。

 最後まで笑顔でいこうぜと言って、僕もちょっと涙目になったりしたのですが、やっぱり笑顔の方が僕たちは似合うかなというのはあったので。できるだけ笑顔と、最後までしっかりやろうぜというのはありました。

――表彰式の態度はしっかりしようという感じだったのですか?

 そうですね。最後まで謙虚にいこうという気持ちはありました。

――ロッカールームに戻ってからは?

 監督が話をした後にキャプテン、副キャプテンが話をしたのですが、やっぱり副キャプテンがわらかしてくれたというか。途中から入ってきた中野という選手は、「1点目はオレがいけたけど、1点とられたミスはオレやし±ゼロかな」的な軽い感じの話で盛り上げてくれたし、そこで笑いが起きました。

――キャプテンからはどんな話を?

 3年間楽しかったし、初めは苦しかったけれど、みんなとサッカーできて最高の仲間やったということを言いました。

――監督は?

 優勝できひんかったけど、お前らよくやったぞという話でしたね。

――2トップを警戒していたと思いますが、2人に2点ずつ決められました。思っていたよりもすごかったですか?

 そうですね。勝ちたいと思っていたのが相手の方が上回っていたというか、あそこで点を許してしまったのが悔しいですし、上手かったです。

――2トップの対策は?

 特になかったんですけど、ディフェンスの甘さが出たというかしっかり守り切れないところが弱かったところですね。

――どんな大会でしたか?

 開会式から最低な感じでスタートしたんですが、そこからみんなで喋って試合をやっていくに連れてみんな成長してチームとしてまとまっていたというのもあるし、泣いている選手も最後はいたんですが、笑顔で、PKの時もみんな笑っていたしメンタルというかサッカーだけじゃなくて人間としても成長できた大会でした。

――「京都のバルサ」と言われて注目されましたが?

 歓声もむっちゃ上がるし、応援団も頑張ってくれたと思います。こんな経験はもうないと思うので、一生のほんまに、忘れられない思い出です。

――久御山のキャッチフレーズは「君はキミらしく」ですが、山本君の山本君らしいサッカーとは?

 初めはあんまりダメだったんですが、最後は点をとられても笑顔で、負けそうになっても最後まで諦めない。そこでも自分たちの繋ぐサッカーをやっていくことが、君はキミらしくというか。自分の持ち味を出す。

――5点目をとられた時にGK絹傘君たちに何か言っていましたが、何を?

 笑顔で終わりたかったのですが、泣いてたというかそんな感じだったので、最後まで笑おうぜと声をかけました。

――選手から見た松本監督は?選手と監督の関係性がすごくフラットで、高校の先生と生徒という感じには見えないですが?

 そうですね。あんまりしっかりしているというか、そうではないかもしれないですが、やる時にはやるというメリハリのついた監督で、サッカーの時は楽しく。型にはめないで自分たちのやりたいようにやれという感じだったし、尊敬できるというかいい監督でした。

――国立でプレーした感想は?

 いやもう、観客があんなに入っているのなんか見たことないし、ワンプレー事に歓声も上がるし、やっていてすごく楽しかった。今年の最後で、僕ら2チームだけやったんで。やっていたのは。本当にもう嬉しい限りというか、こんなところでできたのは良かったです。最後に。

――今日はチームにとっては2試合目でしたが、山本君にとっては1試合目の国立で足も震えたという中、開始からしっかり繋いでいくサッカーをしていました。そういうメンタル的な強さはどこから派生しているのでしょう

 やっぱりいつも通りのプレーができればほぐれていくという感じなので、逆にあそこでボンボン蹴って戦い方を変えるよりかは自分たちのいつものサッカーをしている方が落ち着いていくのでそこで(ボールを)とられても繋いでいこうとは思っていました。

<了>



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準決勝後の久御山・松本悟監督の会見全文 

1月8日に国立競技場で行われた第89回全国高校サッカー選手権大会の
準決勝第一試合、流通経済大柏(千葉県)対久御山(京都府)

結果は、2-2からのPK戦(2-3)で久御山の勝利。

以下、試合後の久御山・松本悟監督の会見全文。


 今まで戦ってきたチームの中で流経大柏さんは本当に強かったです。なんかこう、非常にびっくりしています。勝つと思ったことは1回もなかったです。最初から最後まで非常に苦しい、苦しいというか何でしょうね……。久御山の選手の凄さにびっくりしております。

(以下、一問一答)

――相手のプレスに苦しみましたが、その中で久御山らしさはトータルで見た場合、出せたでしょうか?

 こんな大舞台で90分ゲームというのはほぼ初めてで、練習試合等ではしたことがあるのですが、大半は押された展開だったと思います。例えば(2回戦で対戦した)座間(神奈川県)にプレスをかけられてDFラインが苦しんだ。それを踏まえてもっと広く、深くと。自分たちの中盤と少し離れるのですが、練習試合でやった野洲(滋賀)さんとかのお蔭でプレスされたらどうしようかなというのがずっと(課題として)ありましたので、引くこと、広がることを覚えてくれ、中盤も下がらないでできるだけ前の方に。中盤に出た時にすぐトップラインに出せるようにという方式で。ただ、(今日出場停止だった)山本大地というキャプテンがすごくフィードが良くなってきましたので、最後は山本の左右の展開とか、ファーストブレイクというか最初の攻撃の一歩目のパスが非常に良いので今日は本当にそれが出せない分、2年の塚本(健介)が何とか踏んばってくれて良いゲームができました。

――90分終わった時に監督は手を大きく上げてガッツポーズをされたかと思うのですが、それはどういった気持ちで出たものなのでしょう?

 2対1になった時にベンチも含めて勝ったと思ったんです。偉そうに言っちゃいけないですけど、勝ちを意識するとああいう最後の最後で。もしキャプテンがいたらまだだぞと言ってくれていたと思います。やはり外から私の声は通らないですし、何とかジェスチャーでやってはいたのですが、最後の数分間は勝負の世界では最も危ないところなので、1点リードで勝てたと思ったものをあれで一蹴されましたよね。その後の(猛攻を受けた)3、4分があったので一つは助かったという気持ちです。そこでひっくり返ったと思うんですよ。気持ちが。相手さんに気持ちがいくので。選手たちが帰ってきたら、僕たちは笑顔でね。笑顔でこの前も勝てたので、『あ~』という気持ちではなく、ラッキーという感じで。俺たちあと数分あったら負けていたぞと。そういう思いがあったので、よっしゃ、よっしゃと。まだできるぞと。そういう思いで選手たちを送り(出し)ました。その根本としては、私たちはずっと決勝戦だと思ってきているので、いつ負けても、高校サッカーが終わっても、もう堂々と自分たちのサッカーをしようぜと。まあ、今日はあまりできなかったんですけど。そこはさすがに流経大柏さんで。もうゲーム、内容は全て相手のものでした。ゲームの結果も同点で、少し選手たちの思いがPKに伝わって最後は勝つことができましたけれど、本当に選手のそういった考え方というんですか、それは良かったと思います。すんません、長々と。何言っているかよくわからないんですけど(苦笑)また個人的にお願いします(場内に笑いが起こる)

――3年前に流経大柏が優勝した時の初戦が久御山で、非常に惜しいゲームだったのですが、あの試合は影響があったのでしょうか?また、今日はどういうゲームプランだったのか

 ともすればね、うちなんかのチームは言い方が悪いかもしれないんですが、ビビッてしまうんですよ。私も選手時代から経験があって、そういう名のある、一人一人しっかり知っていて、体力測定なんてやったら全チームの中から下から数えた方が(早い)。か細いしね。下手すると大量失点もあるし、それは覚悟の上なんです。だから、逃げじゃなくて、俺たち良いゲームしようぜと。勝てるんじゃないかと思った瞬間に人間って特に高校生ですから、最後のところでちょっとふっと抜けてしまったりするので。それで怖がるということが一番恐れていたことなので、もう前に入ったら全部勝負しろと。1対1で相手に絶対負けないという気持ちを持てと。これまで繋いできているからサッカーとしては良い感じやけど、それは山本大地がいるから最後はあいつが変えてくれるというところがあった。今日の久御山らしくというのはそういう自分が持って運ぶ、自分がやるという気持ちを全面に出していきましょうと。だから見て頂いた方には偉そうに言っちゃいけませんが、ちょっと不細工な、蹴ることの多いサッカーだったかもしれません。精度がね、何人かしか前に繋げないので、まあそんなことはもういいと。真っ向勝負で自分たちのできることを一生懸命やろうというように言いました。あとは、コーチ陣が細かく、FKのことだとか、守備のことだとか。朝ご飯に起きられないくらい、相手のビデオを見て研究してくれましたので、私はそういった精神面的なアドバイスをしました。

――徹底したことが選手の心理状態にどういう風に影響したのか?今まで期待されながらなかなか勝ち進めなかったが、一皮むけた要因は?

 強くするということはなかなか難しいのですが、きっかけみたいなものですね。3年前に流経大柏さんとやらせて頂いて、初戦だったお蔭であんなに私たちも良い体験が出来た。初めて出た時は武南(埼玉)さんと今日と同じように2点リードされて2点とってPKで勝った思い出がありまして。なんかこう、全国区のチームに対して『久御山ってやるんじゃないか』って周りの方に言ってもらえるのでちょっとプレッシャーにはなるのですが、それをエネルギーに変えて。今回は一つとることによって、自信がついた。またプレスの強い相手とやった。それで吸収していった。選手たちがこう、強くなるためには自分たちがどうすればいいんだと自ら考えてくれて、やっぱりボールゲームだから、ボール扱いで上手くなろう。誰か言ってました。『オオカミは群れだから強いんだよ』と。一匹、一匹はそうでもないんだよというのをキャプテンかな、何か本を読んで伝えてくれたりとか。俺たちは仲間との絆を持ってチームワークでやっていこう。で、上手い選手が集まって何かきっかけのようなものが。自分たちにも何かゲームの中でできるんじゃないかという自信を持ちつつ、ここまできたので本当に運が、運をひらえるというか。元々弱かったけれども、技術的に少し頑張ったお蔭でその技術が出せるようになって、自信がついて、勝たせて頂いている。そして、少しずつ強くなってきたという気がします。

――先制点を奪えた影響は?

 最大限に大きいですね。あれがなかったら、本当に大量点をとられてやられていると。前回も1点リードして終了間際に追いつかれている。重苦しい感じで後半を迎えたので、今回は前半に1点リードできたこともプラスなのですが、まだこんなもんじゃないぞと。相手はもっとくるぞという思いで帰ってきてくれたので、後半を迎える上で1点リードというのは非常にエネルギーになりました。

――後半相手に勢いが出てきたが、1点に抑えることができた要因をどう考えているか?

 もう運ですね(笑)。(後半は自陣ゴールが)斜めに見ていてちょうど攻められる方向の流経さんの後ろの方から見ていたんですけど、点をとられた時は確かに東松が中につられて入ってしまって、そこが浮いてトンとやられたんですけど、それ以外は何かしら寄せてたりとか、しんどい中でもプレスをかけたりとか、体を張れた。そのお蔭で東松がいく、松下(千馬)がいくというような連動性が出てきました。あとは選手たちの中での喋りというか、監督なんかいててもいなくても同じという感じで選手の見事な声の掛け合いというか、チームワークというか。それとまあ、明るさ、元気さ。最後まで自分たちを信じてやってくれたところだと思います。

<了>



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準決勝後の流通経済大柏・本田裕一郎監督の会見全文 

1月8日に国立競技場で行われた第89回全国高校サッカー選手権大会の
準決勝第一試合、流通経済大柏(千葉県)対久御山(京都府)

結果は、2-2からのPK戦(2-3)で久御山の勝利。

以下、試合後の流通経済大柏・本田裕一郎監督の会見全文。

 前半は非常に悪い入り方でしたし、前半の悪いのをなかなか修正出来なくて。後半少し修正できたように思うのですが、ちょっとキャプテンの負傷が痛かったかなと。そのせいにはしたくないのですが。誰に代わってもできるだろう、というように思ってメンバーは選んだつもりなんですけど。なかなか前半の不調が修正できませんで、後半にやっと2トップに戻して修正できたという感じでした。

(以下、一問一答)

――PKの練習はされてきたと思うのですが、今日のPK戦の前はどういうお話をされたのでしょうか?

 特に話しませんでしたけれど、うちの終わり方が優勢に見えましたので『これは勝ったよ』と言って(送り)出しました。ただ、ちょっと雑音が入って……。前試合のPKがですね、記録されていまして。それをGKに渡してしまったもので。それでGKが混乱したという気がしました。先ほど、GKに『どっちを優先したんだ?』と聞いたら、『足下を優先しました』と言ってはいましたが、やっぱり余計なことしちゃったかなと思いましたね。

――それは情報を与えすぎたという意味ですか?

 はい。久御山の前回のPKの資料が入っていましたので、それをGKに情報として渡した。結果論ですけれど、情報を入れない方が良かったかなと思います。大体同じ方(コース)を蹴りませんもんね?いずれにしても、追いついて『勝てたな』と思ったのですが、惜しい試合を落としてしまいました。

――3年前の優勝チームと比べるとフィジカルの強さが加わったチームで今大会に臨まれたかと思うのですが、監督の中では3年前から進歩したとお考えですか?

 ええ、メンタル的にすごく強い子が多かったと思います。あまり良いコンディションではなかったのですが、良く頑張ったと思います。そういう面で比べると技術的にどうかな、というものはありますが、メンタル的には随分強くなったなという手応えは感じています。

――久御山の良さをあげるとすれば?

 自分たちのスタイルをあまり変えずに、この試合をずっと通したということは、やはりそれなりの強いあれがあったんだと思います。それに比べて私どもは相手の良いところを消そうという取り組みでずっときましたので、それが前半の不調に終わったのかな、という気がしました。

――(質問者:小澤)粘り、ハードワークで後半圧倒するサッカーは久御山に対しても非常に有効でしたが、久御山のような後方からきっちり繋ぐ、丁寧に効率的に前に運ぼうとするチームが今大会勝ち上がる中、そういうチームに敗れたことで、今後の流経スタイルに変化はありそうですか?

 スピードの追求はずっと続けていこうと思っています。もっとスピードを上げる。ボールを取るところと、もっとテンポを上げたリズミカルな攻めが出来るように。そういう追求は続けていこうと思っています。ただ、久御山のように丁寧に、丁寧にというチームは、(青森)山田、実は私は反対サイドは山田がくるだろう、静学がくるだろうと予想していてですね、その対策は十分立てていたつもりなのですが、どうも軽くいなされた気がします。

――(質問者:小澤)両チームの選手を比較した時、ロングボールの精度などは流経の選手の方が高い印象を受けました。よって、流経がもっと効率的にボールを前に運ぶようなサッカーをすればより効率的に前線に押し込めるのではないかと感じたのですが、監督は如何ですか?

 私もそう思っていますが、トータルにやらなくてはいけないと思っていますし、やはりこだわるチームがあっていいんじゃないか。色んなチームがあっていいんじゃないかと思います。

――ケガ人の多い大会で、吉田(眞紀人/名古屋内定)君、増田(繁人/新潟内定)君もケガをしました。プロに行く2選手に対して何かメッセージをお願いします。

 二人ともしっかりした生徒ですので、彼らは彼らなりになぜ最後の一歩をとれなかったのかというところは反省していると思います。私が彼らに言いたいのは、ケガも含めたコンディショニングですね。試合の中でのアクシデントは中西(孝太)一人でした。試合前日の練習でやったとかですね、そんなケガでしたので。やはり名選手、「無事これ名馬」です。そういうことを言ってきたんですが、アップに手抜かりがあったんじゃないかとかですね、そんなに激しい状況のケガではなくただ着地の失敗、足を踏む踏まれたという失敗。それは非常に良い経験になったんじゃないかと思います。

――昨年のW杯で日本代表のメンバー(23名)は高校出身者が大半を占めていました。それを踏まえて、今後高校サッカーが果たす役割をどう考えていますか?

 はっきり言いますと、片や(=Jユースは)プロ養成所ですよね。私どもは教育の一環で、別にそれで逃げるわけではありません。いずれはそういうスタイルになるだろうと思いますが、その途中の段階だと思います。じゃあ、日本の育成がどうなるかというと先はちょっと見えませんけれども、高校には高校の良いスタイル、良い状況があります。グラウンドがあって学校もすぐ近くでメンタル的な教育も欠かせないしという。そういうメリット、デメリットがある状況下なんですが、(Jリーグ発足から)17年経って18、19人あたりでしたか?23名中、高校・大学経由の選手は?つまり、17年かかってたった4人くらい。普通のクラブだと年間1億円かけるそうでございます。育成に。(1年1億円で)17億円かけて、あるクラブはたった1人だったな、というのを私の恩師が言っておりましたけれども。その部分では、少し進化が遅れているんじゃないかと感じていました。じゃあどうなるんだと言われると、高校には高校のあれがあるし、両者共存でいこうというのが指導者の暗黙の了解ですが、さあどうなるんでしょうかというのは私にもちょっと見えません。

<了>



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