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【@ichiroozawa】大学生も、スペインを基準に考えるべき 乾眞寛監督(福岡大学) スペイン研修インタビュー 第1回  

 

(C)Alberto Iranzo



 スペイン3部のウラカン・バレンシアCFに、4選手(田中智大、大武峻、山崎凌吾、田村友)が練習参加中の福岡大学。今回のスペイン研修でも、乾眞寛監督が20日まで児玉進二コーチと帯同した。他媒体への出稿のため何度か乾監督と話す機会があったのだが、当メルマガでは今回から数回に渡り乾監督のインタビュー記事を掲載していく。
  
 
――練習に参加してまだ2日しか終わっていませんが、監督が事前に想定していた今回のスペイン研修の狙いや、4人の選手を連れてくる意義などを教えてください。
 
乾眞寛監督(以下、乾監督) 過去3年続けてきたスペイン研修での経験としては、まず、海外に出てみて初めてわかる本人の人間性やキャラクターから、もう一つ殻を破って人間的に成長してほしいという部分があります。
 
 そしてもう一つは、去年のチームではマイボール時のポゼッションができなかった。それを改善するためにバルサの試合をスタジアムで観戦し、刺激を受けながら自分たちのサッカーにそれをどう落とし込んでいくか、そしてそれを個別の課題に切り分け、本人達にも自覚させて取り組むという大きな狙いがあります。
 
 チームとして取り組むのは日本に帰ってからなので、まずは各個人がスペインでそれぞれの課題をどう認識するかが重要です。ボールを失ってからの守備への切り替え、守備するべき場面での守備という点では、昨年にある程度ベースができています。それに加えてマイボール時の質を上げるといった、攻撃の視点でプレーを改善したいですね。
 
 今回の研修ではそういったきっかけや、それに気づくためのチャンスをつかみに来たと思っているので。それを踏まえると、たった2回の練習ではありますが、本当にいいきっかけ作りになったかなと思います。
 
――今回連れてきたメンバーに関してお聞きします。今回連れてきた選手の人数は1チーム全員ではなく、逆に1人、2人といった少人数でもありません。選手をあえて4人にした理由を教えてください。
 
乾監督 この研修は大学の教育プログラムの一貫として来ているので、予算的な面での人数制限ということも関係しています。もちろんもっと多くの選手を連れてきてあげたいのですが、多すぎるとそれぞれお互いに頼ってしまい、現地の文化や生活に溶け込もうという意識が薄れてしまいます。一方で1人、2人だと個人の経験で終わってしまい、なかなかチームの財産としにくい部分があります。その両方を満たせるのが4人という人数なのかなと。
 
 毎年4人ずつスペインに来れば4年間で16人となり、先発と控え選手ほぼ全員がスペインを経験している、ということにもなり得ます。将来的にはそういうふうに持っていきたいですね。今までスペインに来た選手たちのほぼ100パーセント近くがJリーガーとなり、中には日本を代表する選手にもなってきています。成果は出つつあるな、という手応えはあります。そう考えると、この人数で来る意味も出てきているのではないかなと思います。
 
――乾監督は、ただ単に選手を練習参加させるのではなく、事前に目的を明確化していますね。タイミングが良かったのもありますが、今回は練習の前にバルサの試合を観てそれを活用しています。「事前に意識づけをさせ、目的を持たせる」ということをすごく大事にしている印象ですが?
 
乾監督 やはり日程に恵まれた部分もありましたね。クラブW杯でのバルサもすごかったですが、スタジアムの雰囲気も含めた素晴らしさ全てを、目だけでなく肌で感じ取れたのは大きかったです。また、試合内容もとりわけ良かったですね。バルサの4つのゴール(対ベティス)を見ることができたのも良かったし、一時2-2という局面になったがゆえに本気モードになったバルサの凄さも見せつけられました。
 
 もちろんバルサのシステムなり、やり方にも弱い部分はあるわけで、そこも見ることができて良かったです。何よりも、自分たちのポゼッションをベースに、最終的にはきちんと結果を出してくるあたり、今シーズン自分たちが目指したい勝利へのメンタリティに共通しているので。すごく良いイメージを持って、研修をスタートできたと思います。選手たちは自分の身体で確認したいという気持ちを持ったようで、モチベーションが上がっていましたね。
 
 漠然としたやる気で取り組むのと、頭の中をある程度クリアにして取り組むとでは意味が違いますから。バルセロナからバレンシアへの帰りの列車の中で、課題を意識させるために1対1で向き合って話をしました。選手たちはこの経験をチームにどう活かすのか、頭を整理し、課題を受け止めて初日のトレーニングに入ってくれていると思います。
 
 これを継続していき、ある程度手応えをつかんで帰ってきてくれれば。大学のチームにどう活用するかというのはこれからの部分なので、まずは個のところで課題に取り組んでいってほしいですね。ここにいる期間で全て向上するなんてとても思っていないので、向上するきっかけをつかんできてくれればと思っています。

2012年01月26日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームに加え、『AS』専属カメラマンであるアルベルト・イランソ氏のフォトギャラリーも用意し、濃密なコンテンツを取り揃えています。※

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【 @ichiroozawa】第76号ePub版配信のお知らせ  

 小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」( http://www.mag2.com/m/0001172031.html )では、先日の第74号よりePub版(電子書籍)を配信させていただいております。ibooksなど専用のアプリをインストールいただいた状態でダウンロードしていただくと、iPadやiPhone、Androidなどで見やすい形式でメルマガをご覧いただけます。


第76号ePub版


 この機会に、ぜひePub版をお楽しみください。詳しいインストール方法などはメルマガに記載しております。今後とも、小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」をよろしくお願いします。


 小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」編集部

【 @ichiroozawa】大会のフォーマット自体に変化が必要だ! 小澤’s アイ 『選手権総括』  

(C)Ichiro Ozawa



――市立船橋高の優勝で、第90回全国高校サッカー選手権大会が終了しました。簡単に総括をお願いします。
 
小澤 正直、前回大会までは「選手権ってどうなの?」と思っていた部分もあるのですが、今大会を終えての感想は「新時代の選手権、高校サッカーの意義を見出した大会」ではなかったかと思います。

 私自身、大会序盤は國學院久我山を軸に見ていたのですが、ベスト8以降の戦いはフラットな目線で客観的に見ていました。まだご覧になっていない人は、ぜひとも決勝後に「号外」として配信した監督会見の内容を見てもらいたいのですが、そこで私は四日市中央工業の樋口士郎監督に少し偉そうに聞こえるかもしれないですがこういう質問をしました。

 「今大会の特に準決勝、決勝の四中工の試合を見た時、高体連の中ではいい素材を抱えているとはいえ、Jユースにタレントが流れる傾向は完全に定着し、ある程度棲み分けができている中で、これだけのサッカーができることを示したことは高体連、高校サッカーのレベルは捨てたものではないと感じた。

 『高体連』と『Jユース』とうい対立軸は個人的に好きではないが、こういう大会だからこそ広い視点で語れる監督に聞きたい。2種全体で見た時に今の育成や指導者のレベルにどういう印象を持っているか?」

 監督と対面する会見の席でお世辞を言ったわけではなく、樋口監督のような指導者、四中工のようなチームの存在で、本当に「高校サッカーは捨てたもんじゃない」と思いました。さらに言うと、樋口監督のような指導者がじっくりJユース、Jクラブのアカデミーを率いた時、どんなサッカーが見られて、どんな選手が出てくるのかな、という期待感込みの妄想もしたくなりました。
 
 プロに行くようなタレントがおらず、レベルダウンしているのは事実かもしれません。ですが、ようやく大会だけを切り取ってみても「この選手たちでこれだけのサッカーを実践できる」という要素が見えて来た気がしています。だから、個人的にはポジティブな大会だったかなという総括です。
 
――優勝した市船については?
 
小澤 これまた会見で朝岡監督に質問しましたが、個人的には「この選手層でこれだけ守備的なサッカーをする必要があったのか?」という感想です。朝岡監督は非常にクレバーな人ですから、市船の伝統やわれわれには見えないしがらみなども含めてトータルに考えた時、「まず守備から」という戦いを選択したのだと思います。
 
 それには最大限リスペクトしていますが、「ボールを大切にすることが勝利の確率を上げる」ということにはなっていない点は残念でした。ただ、それは朝岡監督や市船のサッカーを責めるアプローチではなく、市船にそういう戦い方を選択させてしまう「選手権」という大会や大会フォーマットが問題ではないかと考えています。
 
――というと?
 
小澤 優勝するためには10日間で6試合を全て一発勝負のトーナメント形式で戦い、本来の90分ではなく準々決勝までは80分ゲーム(※準決勝と決勝は90分)を強いられる。「選手権」という大会においては、「自陣でボールをつなぐ」ことはメリットではなくデメリットになっているのです。
 
 市船ほどの選手を抱えているチームが、自陣ではノーリスクのロングボール多用の戦術を用いているのですから、あえて説明するまでもないでしょう。長年選手権を取材してきて、そういう事象を「対チーム」で批判したところで何も変わらないと思います。結局は、大会自体がそういうチームを求めているのですから。
 
 今号の吉永一明監督のインタビューでも、「強いチームが勝たないといけないから現行35分ハーフのインターハイの県予選を40分にしてもらった」という言及がありましたが、私は「いいサッカーをすることで勝利と育成を両立させよう」とするチーム、指導者が結果を出しやすいような大会フォーマットの導入を、「選手権に勝ったからどうなの?」となり始めている時代だからこそ皆が考えていくべき時期ではないかと思います。

2012年01月12日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームに加え、『AS』専属カメラマンであるアルベルト・イランソ氏のフォトギャラリーも用意し、濃密なコンテンツを取り揃えています。※

【ePub無料配布】高校選手権決勝後・両監督のコメント  

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第90回全国高校サッカー選手権大会は、壮絶な戦いの末
市立船橋高が四日市中央工業高を下し9大会ぶり5度目の優勝を飾りました。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」では、
この白熱の決勝戦後のコメントをePub(電子書籍)にて無料配信します。

以下の要領をお読みいただき、iPhone/iPadなどで
最後尾にあるURLにアクセスしていただくと、
決勝後・両監督のコメントをePub版でお読みいただけます。

※無料配信です。会員以外の方もお読みいただけます
※ダウンロードURLはこのブログの最後尾に記載してあります



===============================
ePubとは電子書籍の規格の一つで、
iPhoneやiPad、Android端末内に保存することにより
ネットが繋がらない場所でもご覧いただくことができます。
電子書籍として端末内に保存することによって
メールマガジンでありがちな
「他のメールに埋もれているバックナンバーを探す」
という面倒な作業をする必要はなくなります。
加えて、読み方が普段自分たちが手にとっている
本と同じになりますので、とても読みやすくなります。
ぜひお試しいただければと思います。

さて、ここまでお読みいただいて
「で、どうやって読むの?」という疑問が出てくる方が
ほとんどかと思いますので、
ePubの閲覧方法をまとめさせていただきました。

以下の手順を参考に、メルマガを皆様の本棚に
加えていただけますと幸いです。


■iPhone、iPadをお使いの方
まずはAppleの公式アプリであるiBooks(無料)を
お持ちの端末にインストールください。

http://itunes.apple.com/jp/app/ibooks/id364709193?mt=8

・iPhone、iPadでメールをご覧の方
インストール後、このメールよりePubファイルをダウンロードいただくと
「iBooksで開く」という選択肢が出てきますので、
それをタップいただくと本棚にメルマガが追加されます。

・PCでメールをご覧の方
このメールよりePubファイルをダウンロードいただき、
iTunesの[ファイル]→[ファイルをライブラリに追加]で
ダウンロードしたファイルをiTunesに取り込んでください。

その後iPhone、iPadをPCに接続し同期し、
iBooksを起動するとメルマガが本棚に追加され、
購読できるようになります。

※iTunesにiBooksがインストールされていない場合
ePubファイルが同期されないことがあります。
iTunesの左サイドバーの「Apps」より
iBooksがインストールされていることを確認してください。

■Android端末をご利用の方
Android端末においては公式アプリがないため、
私個人の推薦となりますがHimawari Readerというアプリを
お使いいただくと、ストレス無く読むことができます。

https://market.android.com/details?id=jp.green_fld.himawari&hl=ja

Himawari Readerをインストール後、
Android端末よりファイルをダウンロードいただくと
このファイルを読むアプリとしてHimawari Readerが
出てきますので、それをタップしてください。

■PCで読みたい方
PCは色々なePubリーダーが出ているので
「これ!」と強くオススメするのが難しいのですが、

Adobe Digital Editions

http://www.adobe.com/jp/products/digitaleditions/

このソフトであれば無料でWindows、Mac問わず
ePubファイルを閲覧することができます。
以上となります。

私自身、つい数ヶ月前まで「ePubってなんぞや?」
と思っていたのですが、実際に読み始めてみると
「ePub超便利!」と、今やすっかりハマっています。

ぜひ、本メルマガをきっかけにして
電子書籍の世界に足を踏み入れてみてください。

==============================

なお、epubファイルのダウンロード先は以下のとおりです。

■高校選手権決勝後・両監督のコメント
http://ichiroozawa.lolipop.jp/epub/ozawaepub_senshukengougai.epub

今後とも、小澤一郎をよろしくお願いします。


小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」編集部 

【 @ichiroozawa】「訓練された」より「洗練された」チームに勝ってほしい 

――今号が配信される頃には国立の切符を手にしたベスト4が決まっていますが、ベスト8の顔ぶれを踏まえ今大会のここまでの率直な印象は?

小澤一郎 ここ何年も「群雄割拠」、「戦力均衡」なるキーワードが使われてきた選手権、高校サッカーですから、基本的にはその流れの中で突出した存在(高校)のない大会になっている印象です。今大会も本命なき大会ですし、現場で高校サッカー通のライター仲間に「どこがきそう?」と聞いても一様に「読めない」と言ってましたから(苦笑)。

 ベスト8入りしたチームの中で「サプライズ」と呼べるのは市立西宮(兵庫)くらいですが、かといってその他の7校の8強入りを事前予測できていた人も少ない、というのが選手権のトレンドと今の高校サッカーの流れを端的に示していると思います。

――どこが勝ってもおかしくないと?

小澤 そういうことです。この現象をどう捉えるかですが、私は「タレント不足」とネガティブに受け取るのではなく、ポジティブに捉えています。その理由として、「スキーム次第でどこでも勝てる」というものもありますが、それ以上に“超高校級”の選手を集めて“超ハードワーク”を課して勝ってきた昔からの強豪校にいい素材が集まり難くなっている点が大きいかなと見ています。

 Jユースに最高の素材が集まっているのは事実であり、当然なことですが、その次のクラス、ランクの選手たちが、単に高校のネームバリューや過去の実績ではなく、行きたい高校のサッカーや練習法、そして指導者を見てそれが自分のプレースタイルと合うのかどうかしっかりと見極めた上で行き先を決めるようになってきていると感じます。

 現場で取材していても、「自分のスタイルに合うからこの高校を選んだ」という選手が多くなってきている印象です。もちろん、自分の殻を破るために敢えて自分のスタイルと異なる高校を選択する選手もいますが、少なからず過去の栄光、実績で強豪校が何もせずに選手を集められるような時代ではなくなり、それが高校サッカーの戦力均衡を招いていると思います。

――「タレント不足」というキーワードで言うなら、今年はプロ入りする3年生が少ない印象です。

小澤 「プラチナ世代」の昨年が多すぎただけで、これが普通なんだと思います。今大会に出場した主なJリーグ内定選手は、白崎凌兵(山梨学院大付→清水)、鈴木武蔵(桐生一→新潟)、藤村慶太(盛岡商→仙台)くらいですよね。やはり「即戦力」としてプロ入りするような超高校級の逸材は高校サッカーに少なくなっています。

 とはいえ、先ほど述べた通りこの現象はプラスに捉えるべきではないかと思います。一昔前まではプロ入りできるような逸材を揃えた強豪校が超ハードかつ理不尽なトレーニングで追い込み、鍛え上げた戦闘集団で他を圧倒して勝っていましたが、もはやその論法は使えなくなった。

 今大会も確かに「鍛えられた」チームが多く勝ち上がっている印象ですが、國學院久我山の存在や市立西宮の快進撃を見てもわかる通り、「超」のつかない選手と練習でサッカーや練習の効率性、質を追求した結果、ごく普通の戦力、チームでも全国で勝てるチームが出るようになってきました。要するに過酷な練習を課してフィジカル的に鍛えあげなくても、個々の技術や戦術、チームとしてサッカーのクオリティを上げる努力をすれば勝てる時代に入ったという認識です。

――小澤さんが初戦から取材されてきた久我山はまさにそうしたチームでした。

小澤 ベスト16止まりの成績をどう評価するかですが、私は「この戦力でよくやったな」という評価です。久我山の試合をしっかり見た人なら、「やっぱり久我山みたいなサッカーじゃ選手権で勝てない」という意見や考えを持たないでしょう。ちゃんとサッカーをすれば、身体能力に劣る選手でも、過酷なフィジカルトレーニングをしなくとも、勝つ確率を高めることができるということがよくわかったのではないでしょうか。

 私は高校サッカーのコーチをやっていたのでよく指導者の肌感覚をわかるのですが、基本的に部活においては自由にグラウンドが使えますから、練習はやりたいだけやれます。また、練習は基本的に「指導者対選手」という関係のみでスペインのように保護者や一般人が練習見学することもない閉鎖的環境下で行なわれますから、指導者のやりたいようなメソッドとコーチングで練習ができます。

 結果的に、これだけ世界の情報やトレーニングが流通していながら、現場レベルでは「非合理的」とまでは言いませんが「効率性の低い」練習が行なわれてしまいます。だって、誰もその指導者の練習が効率的であるのかないのか検証できないのですから。

 効率性の低い練習の一例を挙げますが、例えば私もコーチ時代、監督から「こんな狭いグラウンドでどんな練習をすればいいんだ」とボヤかれていました。余程の強豪校でない限りサッカー部専用のグラウンドはないし、他の部活とグランドを分け合う形で練習を行ないます。

 そういう場合は、チーム分けをするなりして人数を絞り、ターンオーバー制を導入して「選手は週3日のみ練習」とかにすれば狭いグラウンド、スペースでも効率性の高い練習ができると思うのですが、「部活は毎日全員でやるもの」という固定観念があったり、指導者・先生は「下手に部活なしで下校されると何か悪さをするかもしれない」と邪推するのでなかなか実行に移せない。

 広島観音があのスタイルで結果を出したというのに、それに追随する動きが少ないのが高校サッカー界の実態であり現状で、まだまだ改善の余地はあると思います。だからこそ、久我山のようなチームがもっと出てきて、もっと結果を出してもらいたいと考えています。

――小澤さんが今回の久我山を熱心に追いかけていたのはそういう意味合いもあると?

小澤 そうですよ。選手権を取材しているジャーナリストとしてこういうことを言うのは何ですが、今のレベルの選手権でサッカーがどうだとか、あの選手がどうだとか語ることはナンセンスとまでは言いませんが、「井の中の蛙、大海を知らず」ではないかと思います。

 例えば今回ベスト8入りした大分の「フリーマンサッカー」は興味あるし、詳しく監督から話を聞きたいとは思いますが、それが日本で、世界で最先端の戦術になるかというとなりません。ある意味、部活の高校サッカーだからこそ実現できる戦い方であり、サッカーであるのかもしれない。

 もちろんサッカー的なアプローチは大切ですが、勝った負けたで一喜一憂するのではなく、あくまで育成年代のいちカテゴリーである高校サッカーにおいてどういうスキーム(サッカー、練習メソッド、指導哲学)が「いい選手」を育て、最終的に「いい人間教育」になるのかを模索することが大切だと考えています。

 少なくとも私はマクロな視点で、どうすれば日本全国の高校生が楽しく充実したサッカーライフを送り、その後も生涯スポーツとして「サッカーに関わり続けてくれるのか」というテーマを考えていきたいと思っています。現状、選手権という舞台は私にとってそのためのツールでしかありません。

2012年01月05日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームに加え、『AS』専属カメラマンであるアルベルト・イランソ氏のフォトギャラリーも用意し、濃密なコンテンツを取り揃えています。※

【 @ichiroozawa】第75号ePub版配信のお知らせ  

 小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」( http://www.mag2.com/m/0001172031.html )では、先日の第74号よりePub版(電子書籍)を配信させていただいております。ibooksなど専用のアプリをインストールいただいた状態でダウンロードしていただくと、iPadやiPhone、Androidなどで見やすい形式でメルマガをご覧いただけます。

 第75号のePub版、表紙は以下のとおりです。







 この機会に、ぜひePub版をお楽しみください。詳しいインストール方法などはメルマガに記載しております。今後とも、小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」(http://www.mag2.com/m/0001172031.html)をよろしくお願いします。


 小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」編集部

朝岡隆蔵監督(市立船橋)「目の前の相手に対して全力を投入する」 

1月5日に駒沢陸上競技場で行われた第90回全国高校サッカー選手権大会の準々決勝、矢板中央(栃木)対市立船橋(千葉)の試合は、セットプレーからの2点を守りきった市船が2-0で勝利。ベスト4進出を決めた。

以下、試合後の市立船橋・朝岡隆蔵監督の談話。



――試合の感想をお願いします。

朝岡監督
 ほっとしているということと、あとは選手に本当に感謝しています。

――セットプレーからの2得点で、市船らしい勝ち方という印象でしたが?

朝岡監督
 そうですね。ここに来て、先日の試合も(対清水商業)そうでしたけれど、弱点だったところがこの全国大会になって本当に強みになって出てきているので。そういう部分でもいろんな流れが今、うちにあるのかなということは感じています。

――矢板中央が和泉選手へのマンマークをつけてきましたが、あれは予想していたことですか?

朝岡監督
 それは想定をしていたので、そうなった時には和泉が個人的に判断をできる部分もありますし、私としての意向も伝えた中で、2トップということころが一番しっくりきたのかなということで。中盤のスペースを上手く空けることができたのかなというように思っています。

――マンマークにきたら2トップで入るというように考えていたと?

朝岡監督
 そうです、はい。(マンマークに)こなければ普通通りです。

――岩渕選手は昨日の時点では使えるかどうかで悩んでらっしゃいましたが、今日スタートで使いました。点を取ったことも含めての評価は?

朝岡監督
 本人の気持ちがぶれなかった。それでも、連戦にはなっていましたけれど「出る」という意思が今日の朝、本人から伝え聞いたので、こちらの意向というよりは本人が出るか、出ないかというところだったので。そういう意味では強い気持ちを持って、「今日出るんだ」ということを伝えてくれたので、「じゃあ行こう」というところで。ギリギリのところではありますけど、その判断を彼がした。そういう決断になりましたと。

――実際のプレーの評価は?

朝岡監督
 間違いなく彼は力ありますし、シュートまで時間がかかるところがありますけれど、彼がいるといないのでは全然別のチームになるので。そういう意味では彼の存在は非常に大きい。よくやってくれたかと思います。

――守備で無失点に抑えた部分への評価は?

朝岡監督
 本当に集中していますね。2年生のツーセンター(バック)が本当に自覚を持ち始めましたし。今まで鈴木のリードの中でしかなかなかできなかったところが、本当に鈴木がケガで離れた中で特に小出(悠太)がリーダーシップを発揮しながら集中してやってくれたかなというふうに思います。

――7年ぶりに国立行くのは、監督としてどういう気分ですか?

朝岡監督
 私というよりは本当に選手たちが、そこを目指してうちを選んでくれていますし。なかなかそこにたどり着かなかった月日があったので、こういう形でまた戻ってこれたというのは本当に選手たちの力に拠るところも多いですし、本当にOBを含め支えてくれた方々のお陰だと思っています。

――岩渕選手の貢献度はゴールだけではないと思いますが、その中で今日は久々にゴールを決めました。

朝岡監督
 彼も欲しかった点でしたでしょうし、本当に喜んだ姿を見れば一目瞭然で、本当に彼自身がゴールに飢えていましたし。また、実はああ見えて苦手なヘディングでしっかり点を取ってくれたというのは本当に成長を感じますし、彼自身が本当に強い気持ちを持ってくれたというふうに思います。

――清水商業という強いチームに勝って達成感みたいなものが出てしまう危険性があったかと思うのですが、引き締める部分というのはどういったところでしたか?

朝岡監督
 まあ、そこはこの2日間苦慮しました。やっぱりある程度ターゲットはそこの3回戦に持ってきたところで、少し選手たちの空気感とか、当然われわれもそうですけども、隙が生じないように先の話はしないルールを決めて。目の前の試合をしっかり戦おうということで、昨日はリラックスしましたけれど、夜明けて今日の朝、彼らは眼の色を変えてくれていましたので。そういう意味では選手の成長を感じました。

――ある程度国立を目標にやってきた部分もあると思いますが、次はある程度欲を持って戦っていきますか?

朝岡監督
 いやもう本当に一戦一戦というところは変わりないですね。目の前の相手に対して全力を投入する。その準備をまた、この後していきたいというように思います。

(了)

「高校サッカーに携わる人間は変化を起こさないと」 

1月3日に埼玉スタジアム2002で行われた矢板中央(栃木)対國學院久我山(東京B)の試合は、1-1からのPK戦(5-3)で矢板中央が勝利。ベスト8進出を決めた。

以下、試合後の國學院久我山・李済華監督の談話。




――試合について一言お願いします。

李監督
 ここを超えられればね、と思っていたんですけど、ここで躓いちゃった、という感じです。ただ、一生懸命、何しろ一生懸命やりましたよ。そういう意味では本当に選手は頑張ったなと思います。アクシデントで始まっちゃったので。

自分もスタッフと話して、何しろまずはスタッフが落ち着こうと。どっかで上手く入らないと気持ち的に引きずられてしまうよと。選手にそれが伝播してしまうから何しろそこのところはコントロールしようと。そして、取り返してくれたのでね。もう1点取りたかったんですけど、取らしてくれなかったです。

――久我山らしいサッカーは出せなかったというイメージですか?

李監督
 少しキレがなかったなと。何人かいい子はいたんだけれど。やっぱり難しい試合だったなと思います。

――相手の守備が良かったと?

李監督
 粘り強くやっていましたよね。そういうようにやろうと言っていたんでしょうから、そこをわれわれがやはり……。体力的に強くというよりも、そこをかわせるだけの自分たちのサッカーを、スタイルを貫いて、彼たちをやっつけられるチームになるべきだと思います。

――この負けを機にフィジカル的に鍛えあげるというよりも、ボールコントロールと状況判断を磨くということですね?

李監督
 それ(フィジカル的に鍛えること)は全然あり得ないですね(苦笑)。

――技術面が足りなかったという認識ですか?

李監督
 フィジカル的に疲れるのは当たり前ですし、ボールコントロールをもっとしっかりやれば、点をとれそうな局面は何回かあったよね、という感じはします。

――昨日のゲームで「人工芝慣れしている」という話をしていましたが、今日も天然芝でプレーする弊害はありましたか?

李監督
 若干ありましたが、それはみなさん同じでしょうから。元々、(サッカーは)天然芝でやるほうがいいわけですし。時々はそういう環境も子供たちに与えた方がやっぱりいいと思います。強豪校なんかはそういうところも、なんとか対策、なんとか対策ってやるんでしょうけどね。そういうのはもう少しやらないといけないと思いました。

――右高(静真)選手を密着マークされ消されたのは痛かったですか?

李監督
 そうですね。ただ、昨日みたいに活躍すればするほどマークが激しくなるわけですから、それを超えるだけのテクニックとかそういうのを身につける以外ないわけで。そうしてくるだろうというのは予測していてまさしくそうなって。

そこを超えられるか。彼のこれからの課題だと思います。自分がいいプレーヤーで10番を背負って、前で点数をとれる選手であればあるほど、そういうことが起きるんですから、そこを超えられる選手になるのか、そこまでの選手になるのか、ということだと思いますね。

それともう一つは、周りがもう少し早くパスを出すべぎだったなという気はしますけどね。いい動きをしていた時にさっと出せば、もう少しチャンスはあったのかなと思います。出す方が見えていなかったんじゃないかという気はしますけど。

――浮ついた感じで入った印象でしたが?

李監督
 ウォーミングアップもしっかりやったし、どうなんでしょうね。そういうように見えたのかどうかわかんないですけど、正直言っていろんな形で子供たちにもハーフタイムで話したんですけどね。やはりアクシデントの衝撃が大きかったのは確かですよね。だからまあ、全てを受け入れて、私たちの同点ゴールも逆を言ってしまえば、あれがあったから取れたのかもしれないわけですから。そこのところを受け入れるという意味で。

とはいっても、人間の気持ちというのはそんなに簡単じゃないから。最終的にはGKのミスになってしまうんですけど、その前のね。サイドバック、センターバック、そして最後と3つ失敗が続いているわけですからね。なんでそこでそういうことやるのって。だから、何でそういうプレーを選択してしまったのというのは正直ありますよね。

私たちはいつも1回のミスで点数を取られたら相手が良かったと思うしかないんだと言っています。ミスのないサッカーはないんだから。自分が1回ミスして(点を)取られたらある意味しょうがないんだと。しかし、ミスが2個、3個続いた時に失点するはダメだと。そういう意味では複合的にふわっと入ってしまったのかもわからないですよね。

――ああいうミスが起きればやはり、「こういう大会の特に前半は蹴っておけばいいんじゃないか?」という意見も出るかと思います。その意見に対してどう返しますか?

李監督
 1点取って2-1で勝っていればやっぱりね、と言われるんだから(笑)。私は蹴っておけとは思わないです。ミスというのはあると。ミスを怖がって自分たちのプレースタイルを変えるよりも、複合的なミスの問題だとか、ボールコントロールの問題だとかいう形で捉えることが大事だと思います。ミスを怖がっているとサッカーはできないですから。誰でもミスをすると。メッシだって失敗しているんだから。

先日のクラブワールドカップ決勝を見に行ったら、われわれの中ではメッシってあのゲームはあまり良くなかったよね、という話になりました。ただ、「やっぱり、すげーよね」って。やっぱり2点取ってくるし、MVPはメッシしかいないんだよね、結局と。そういうもんだと思いますよ。そりゃGKからすると大きなミスかもしれないですけど、ミスがありえるという前提で私たちは考えていますから。

――(別記者)ハーフタイムの指示は?

李監督
 今度だけの問題ではなくて、常に言っていることしか言えないわけですから、全てを受け入れる。それがスポーツをやるということなんだと。

そして、そこを抜きに考える。もしかしたら、ああいう失点があったから向こうが逆に動揺というか、まずあんな点数取れることはないんだから、守りに入ろうとするのかもわからないよと。そういう心の何かが起きて、そこに隙が出るのかもしれないから、基本的には全てを受け入れてそこからスタートしようと。

――(別記者)開始早々でのトラブルで失点したとはいえ、右高選手のセットプレーから同点に追いつきました。右高選手はワンプレーで流れを変える存在ですね?

李監督
 そういうのはありますよ。マークが厳しくてストレスも溜まっていたんでしょうけど。それは宿命ですよ、うまい選手の。そこでストレスに負けちゃうかどうか。

あんまり海外のこと言ってもあれですけど、マラドーナは最初のワールドカップでのデビュー戦でカーンとやって退場になった。その次のワールドカップの時は、肉体的なものはもちろん、精神的なたくましさを持って彼の大会にしたわけですから。

そこのストレスに負けてしまうのかどうか。そこの気持ちをコントロールできない人間は、ボールをコントロールできない。で、ボールをコントロールできなければゲームをコントロールできない。だからまずは、心のコントロールをいかにするか。これが大きな問題だと思います。上手いって思われる選手は、厳しいもんだと。そこを超えられるかどうかだと私は思います。

――今大会で久我山が姿を消すので個人的には残念なのですが、李監督として長年こういうスタイルを築きあげて高校サッカー界にある意味一石を投じてきたと思います。例えば、バルサの存在などで高校サッカー界の現状も変わってきたという認識はありますか?

李監督
 あります。人工芝というのもそうですし、あります。少し変化が起きているよねと。逆を言うと変化が起きないとダメだと。変化が起きないとテレビで中継してくんないよと。面白いゲームをやらないと見てくれないし、視聴率が下がったら(中継を)やってくんないんですから、変化を起こさないと。高校サッカーに携わる人間たちはやっぱりそう思わないとダメだと私は思ってます。

――監督の育成哲学においては、やはりいいサッカーの中でこそいい選手が育つという考えですか?

李監督
 そうですね、はい。当たり前ですよね。上手くなれ、ですよ。そこに集約されます。

(了)




5日(木)配信予定のメルマガでは、「選手権特集」を予定♪

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李済華監督(國學院久我山)「2時間の練習で十分上手くなる」 

1月2日に柏の葉公園総合競技場で行われた鹿島学園(茨城)対國學院久我山の試合は、2-1で國學院久我山が逆転勝利を収めた。

「國學院久我山が求めるつなぐサッカースタイル」(スポナビ)

以下、試合後のミックスにて筆者が國學院久我山の李済華監督に質問をした箇所。




――今日のチームのパフォーマンスへの評価は?少しミスが目立つ印象でしたが?

李監督
 今の高校生は、人工芝で慣れているので感覚が人工芝なんですよね。うちの学校も人工芝なので、天然芝だと感覚が少し違うんですよ。そういうところも前の1回戦も含めて、私たちみたいなチームは特に影響していると思います。それでも、そこをコントロールできるようにならないと。ちょっとミスが(多かった)。

うちのキープレーヤーは何人かいるのですが、そのうちの一人の平野佑一が1年生ながらもキーをあそこ(中盤の底)で作るのに、あそこにミスが多かったので自分たちのリズムを作れなかった。もう1つ前、相手陣地に入った時は良かったんですけど。中盤の底のところは彼一人で担当しているので、負担が大きかったみたいですね。

あと、彼の場合はけがが心配ですね。(ギリギリ)間に合った子ですから。あそこがもう少し機能していれば、もう少し支配率は高まったんじゃないですかね。

――その平野選手が痛むシーンが多く、監督も心配そうな様子でしたが?

李監督
 使えないと思っていた選手ですから。(1回戦)前日までは使わない予定で、国立でやるその日(30日)に「大丈夫か、じゃあ使うか」となって、その日に使ったので。だから、今心配ですね。(今日の出来が)足の影響なのか、ただパフォーマンスの問題なのか気になるところなので後で確認したいと思います。

――先制されてからの逆転勝利だけに大きい一勝では?

李監督
 都大会から苦しい戦いをずっとやっていたので。だから子供たちもそう動揺はないんですよね。私も動揺はあんまりしていないんですよ。苦しい戦いを戦ってくると、子供たちに力を与えますよね。あと、この大会に来てなのか、右(静真)が絶好調なので感謝しないと。いつも怒っているばっかりなんで(苦笑)。感謝すると次の試合でパフォーマンスが下がってしまうかもしれないので、怒っていた方がいいのかわからないですけど(笑)。1試合目から非常にパフォーマンスがいいですよ。

――右選手の調子の良さは大会前から感じていましたか?

李監督
 あいつはわかんないんですよ。パフォーマンスを示せばこのくらいやるというのはわかっているんですよ。彼は力を持っていると思いますよ。高校サッカーにないタイプのセンターフォワードでしょうね。ボールを持てて、キープして、相手をやっつけて。今風のセンターフォワードだと思いますよ。いいプレーヤーだと思います。

――そういう選手がJユース(横浜FM・ユースへの)昇格ではなく久我山に来てくれたとういうのは、それだけ久我山のサッカーに魅力があるからではないですか?

李監督
 私たちは他の高校みたく熱心にスカウティングすることはないんですよ。まず勉強の成績がないと入ってこれないし、久我山というのはサッカー、サッカーの学校ではないので。逆に言うと、サッカーに集中したい、朝から晩までサッカーをやりたいという子もいるわけです。うちの学校はそう学校ではないので、連れてきちゃって「物足りない」と感じるような子もいるので、こちら側から積極的に獲りに行かないんですよね。

そういう意味で、彼は「ユースに上がれる」と言われていたみたいだけれど、私からすると「えっ、そうだったの?上がれたのに来たの?」という感じ(笑)。そういうスカウティングをして連れてきた子ではないですから、ありがたいですよね。うちの学校を選んでくれて。

サッカーのスタイルが良かったのか。どこかで一回だけ、「お前プロから話あったらどうすんの?」と聞いたことがって、「僕、大学行きます」と言うから、「あっそうなの?お前プロに行きそうな選手なのにね。そういうことだったの?」と言いました(笑)。彼なりに勉強も頑張っていますよ。

――よく「文武両道」と言われますけれど、久我山が短時間で効率的な練習をした上で、こういうサッカーをして勝っていることは、高校サッカー界に提言を投げかけてくれていると思います。

李監督
 今日、ウォーミングアップをやっている時に小さい子がいて、家族と一緒にあまりに熱心に見ているから、『君、何年生?』と聞くと『小学校4年生です』と。その時、お父さんが『久我山の中学を受験します』と言ってくれました。

久我山に入るために勉強するという子が来てくれたら、親も嬉しいし、子供も頑張るし学校も嬉しい。もっと言うと、東大に行けるんだけれど、サッカーも高いレベルでやりたい、という子がサッカーを捨てずにすむ。東大に行くなら一般的には違うところ、超進学校に行くわけですよね。文が武を助けて、武が文を助けるという本当の意味での文武両道、(文と武の)相乗効果を出せるような学校になりたいですね。

子供たちが勉強する時間を与えないと行けないという意味も含めて、今がちょうどいいんですよ。2時間の練習を250日やったとして、大体高校サッカーというのはどのくらいでしょう?うちは休みが多いので、(練習を)270日くらいやるんですかね、一回トータルの統計をとってみないとわからないですけど、(1日の練習に)2時間かける270日なら合計540時間くらいやっているわけですよ。そしたら十分上手くなりますよ。

――李監督の「オフ」、「休み」に関する考え方は?

李監督
 よく言われているように、休みもトレーニングだし、トレーニングという意味でオフは本当に休養すればいいと思います。映画も行くし、デートに行く子もいるし、音楽も聞くし。私たちが昔、京都へ遠征に行くとやっぱり寺巡りする子もいる。残ってずっと受験勉強をやっている子もいるし、川があるようなところでは釣りに行く子もいる。私自身はそういうの大好きですね。

私はこういう学校だから長くいられたと思いますよ。朝から晩までガーッと教えるタイプの監督ではないので。そういう学校だったら、私は辞めていたと思いますよ。この学校は私にも時間を与えてくれていると思いますよ。

――朝練をやってビシバシ鍛えるような感じではないと?

李監督
 学校的にも許されていませんから。

――完全下校は19時でしたっけ?

李監督
 普段は18時30分が完全下校ですから。いつも大会の時に試験が入ってしまうんです。中間、期末テストが。そういう時は、週に2回、1時間半のトレーニングしか許可も出ません。それは選手権中であっても同じで、テスト期間中は日曜の試合はダメ。

試合もさせてくれませんから、平日の1時間半というので決まっています。少しコンディションが落ちる時は実際にあるんです。かなり勉強をやりますから。目を真っ赤にして、「お前、何時間寝たの?」と聞くと、「3日間で10時間くらい」という感じ(苦笑)。

それも含めて入って来た子たちですから。久我山が求める生徒像、選手像を実現させて欲しいと思うから、学校側に私から「もっと練習させて下さい」と要求したこともない。そういうものであり、そこでできる子がうちで勝ち残れる子という認識ですから。

(了)




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