スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【 @ichiroozawa】「サッカーには格闘技性がある」 李済華(國學院大學久我山高)×小澤一郎講演録(1) 

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より抜粋※


撮影:(株)アレナトーレ



 今から約1ヶ月前の11月24日、ジェファFC主催の『ジェファフットボールクラブ講演会』にお招き頂き、同クラブ代表で國學院大學久我山高校サッカー部監督の李済華(リ・ジェファ)氏との対談を行なった。実質的には私がインタビュアーを務める形での「公開インタビュー」のような講演会だったが、大勢の参加者を前に「NEXT香川の見つけ方、育て方」というテーマで、李監督に深い話しをしてもらった。


 願わくば、國學院久我山高校に選手権出場を決めてもらった上でこの講演会を開催したかったのだが、周知の通り久我山は東京都予選準決勝で修徳高校に敗れ、全国大会出場を逃している。冒頭は、選手権の話題から入った上に、スタートのタイミングで録音機のスイッチを押すのを忘れてしまったため、中途半端な入りになっているのでご容赦願いたい。


 今回はジェファFCの計らいもあり、その講演会の模様を『講演録』として数回に分けて当メルマガにてお届けすることができることになった。これまでに何度となくジェファ節を聞いてもらってはいるが、これだけじっくりと李監督の考え、言葉を聞く機会はそうあるまい。ジェファFCの関係者並びに、講演会の参加者の方々に感謝の意を伝えた上で、皆さんには改めてジェファ・ワールドを堪能してもらいたい。



(選手権敗退の話から講演会がスタート)


李 (選手権予選で)負けてるから、(このタイミングで)今日の会をやることが良かったのかどうなのか、という部分があって(苦笑)。勝っていると堂々と話せるんですけども、負けると言い訳になってしまっても困るし、どうなのかなと。


小澤 僕は取材に行ってたので率直に言わせてもらうと、久我山びいきの話にはなるかもしれないのですが、ほとんど久我山がポゼッションして攻め込んで、決定機、シュート本数も多かったですよね。ですが向こう(=修徳)のトップに速い選手がいて、カウンターから先制点を許しました。その後、同点に追い付いて良い流れになりましたが、あたふたして勝ち越された。なぜあそこであたふたしちゃったんですか?


李 「攻撃にキレがなかったな」というのは少し感じていました。しかし、「このくらいの相手だったら必ず勝てる」という自信もありました。子供たちもそう思ったのか、自信と過信の紙一重の部分でやってたのかなと。それと、私たちはポゼッションを大切にしてるんだけども、やはりサッカーは1点上回れば勝ちというゲームなので、(前半に)決定機を外したのが大きかった。


 あそこで決めていればさらに加点して、ウチのゲームとして終わったんじゃないかなと。焦りがどんどん出始めたのも感じました。ただゴール前でのキレが、一番キレがあった時に比べたら、少し足りなかったかなとは思ってます。


小澤 悔しい負け方をしましたが、例えば選手権の時や勝負がかかった時は、ある程度ロングボールを使いながら時にはポゼッションを放棄しようという気はないですか?


李 ないですね。何度も言いますけども、なぜ私たちがこういうサッカーをやるのか。私は勝つためにやってるわけです。こういうゲームをやればやるほど、勝つ確率が高くなるという仮説で考えています。


 しかし、サッカーは生き物なので、局面に応じてDFからつなぐのが大切なのか、クリアするのが大切なのか、その時に最も大切なことをやること。その時の状況、時間帯だとか置かれてる状況に応じること。DFがボールをもらった時に、後ろの方で自分がボールをコントロールしている時に何が大切なのかというと、冷静になることなんです。
 
 自分がどの位置にいてどのくらいのプレッシャーを受けて、どのスペースでいるのかということを理解しているかどうか。足が入ってくる時にボールを持つのか、自分がボールをクリアした方が良い局面なのか。
 
 子供達には冗談で言うんですけど、「私だったら絶対にクリアしないよ」と。私だったら全てのボールをコントロールしてパスをつなぐ。しかし、君にはそれだけのテクニックがないよなと。「だからお前は今クリアして良かったんだよ」と。
 
 自分が置かれている状況、プレースタイル、テクニックのレベル。そういうのに応じてプレー選択をするべきだと。後は1-0、0-1、1-1の時は全て違うぞと。それを瞬時に理解できるレベルでやりなさいと、ということですね。


小澤 (会場にいる)選手の皆さん、どうですか? ちょっとポカーンとしてますが、頭に入ってますか?(笑) ところで監督、AFC U-19選手権のハイライトか試合は見ましたか?


李 見てないです。


小澤 全然見てないですか。U-19日本代表がこれで3大会連続でU-20ワールドカップ出場権を逃しました。来年、トルコで行われるU-20W杯だったのですが、その出場権を逃してしまい、今日本の育成の現場ではかなり危機じゃないかと(叫ばれています)。


 今、A代表は順風満帆で、余裕でW杯に出られるような状況ですが、これが数年後にはちょっとヤバい状況になるんじゃないかと言われています。この年代、U-19日本代表のどういう所に問題点があると思いますか?


李 私は、日本サッカーは昔と比べると、すごく上手になったと思っている側なんですけども、日本がアジアチャンピオンでW杯に出場した経験はないんじゃないですか? 日本がリーグでトップになって出場というのはまだなかったんじゃないのかな?


 昔はW杯ってアジアで1つしか行けなかったですよね。韓国に負けて行けなかったとかあるわけで。今は3とプラス1とかが行けるわけだから、そういう意味では日本はすごくうまくなったけども、まだアジアで絶対的なチームではない、というのが一つ。
 
 もう一つは高校年代のゲームは見てないんですけど、小学校の年代で言えばサッカーが激しくない。笛が多い。小学校のゲームを見る限りにおいては、小学校のゲームはいつも言うんですけど笛が多すぎる。
 
 笛が多い理由は「ケガするから、危ないから」。しかし、小学校の試合は危なくないんですよ。小学生は体重も軽いし、スピードもない。『体重×スピード』が衝撃度でしょ? だから、ケガしないんですよ。ボディコンタクトのことに関して言えば「フィジカルが弱い」というのを、バーベルを持ち上げてフィジカルを強くするというのが間違い。
 
 だから先ほどのお話ですけども、19歳の試合とか見てると、ボディコンタクトが非常に下手。身体で覚えて、自然なボディコンタクトにならないといけないのに、後で取って付けたような形のボディコンタクトを覚えてる。だから、ナチュラルじゃない。
 
 右足アウトでぶつかった方が良いのか、インサイドでぶつかった方が良いのか、ちょっと遅れてぶつかった方が良いのか早い方が良いのか。前から行った方が良いのか、低い位置から行った方が良いのか。全部その局面によって違うのに、大体コーチに言われた通りにやってるから、ナチュラルじゃない。ゲームに応じたボディコンタクトを覚えてない、大きな意味で言えば小学校年代からそういうサッカーを覚えてないということだと思います。


小澤 そこは監督のサッカー観に通ずる所があると思っていて、どうしても「李監督=バルサのような華麗なサッカー」とか「クライフ信奉者」という話がありますけども、決して芸術性だけではなくて、「サッカーには格闘技性がある」ということですよね?


李 そうですね。サッカーはラグビーやプロレスほどではないですが、間違いなく格闘技性がある。中高校生を見て「この子、最後は良くなるね」って思うことの大きなポイントで、私が見ているのは、ボディコンタクトができるかできないか。
 
 後から取って付けて、高校になるとボディコンタクトって試合でできないので「頑張れ!」とか「ぶつかれ!」とか言うわけですよ。それで言われてやる子はうまくならない。もっと言えば、上には行けない。「うまいね、あっそ」って感じ。うまいけどゲームで使えない、という感じを私は持ってます。
 
 小・中学校で「うまいね」と言われてる子が上で使えない子は、ほとんどがそれ。小学校、中学校でリフティングを何回やる子だとか、ドリブルをスムーズにできる子いるでしょ? その子が上で使えない子は何が原因かというと、ボディコンタクトをナチュラルにできないことだと思います。


 
小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より抜粋※

スポンサーサイト

【全文掲載】もっと、日常にJリーグを! 書評:ことの次第(著・倉敷保雄)Text by 小松春生(編集部)【 @ichiroozawa】  

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より全文掲載※







 私には日本サッカー界の未来に1つ、望んでいることがある。それは、サッカーが“文化”として日本の生活に浸透していってほしいということだ。


 Jリーグがスタートして20年経った。その間に猛烈なスピードで進化を遂げたことは、みなさんも感じていると思う。さらなる飛躍を目指すJFAは“2005年宣言”の中で、「2050年までにW杯を自国開催で行ない、優勝する」と大きな目標を掲げている。


 では、日本は本当にW杯に優勝できる国へと成長しているのだろうか? 現時点での私の答えはノーだ。


 確かに欧州のビッグクラブでプレーする選手が増え、若い選手が次々と国外へ飛び出していく中、プレーの質やメンタルなどは格段にレベルアップした。だがそれは、あくまでも“スポーツとしてのサッカー”という枠組みの中でだと感じる。


 日本は、まだまだサッカーをスポーツとしてしかとらえていない。もちろん見る側の目も肥え、知識も豊富になった。だが恒常的にサッカーについて語っている人たちが、日本は圧倒的に少ない。理想は、近所の居酒屋で贔屓のチームについて熱く語っているおじさん集団や、昨日のJリーグのプレーや分析を休み時間に話す学生がもっと増えることだ。


 まもなく1月を迎え、欧州を中心に移籍市場がオープンする。大物選手や日本人選手の移籍の噂に一喜一憂する毎日の始まりだ。前から気にはなっていたが、メディアの「○○選手に対して△△△が獲得に興味か」といった報道に対して、日本人は真に受ける傾向が強すぎると感じる。


 勢いのある選手にはどのクラブだって興味を持っているのは普通のことだし、メディアだって小さな情報源から売上に結び付ける記事を作らなければいけなかったりする。こういった話を笑いながら、話のタネにするような発想をぜひ持ってもらいたい。


「この選手が入ってきたら、うちのチームはこう変わるな」とか「監督の趣味に合いそうな選手はこれだ」とか「チームのスポンサーに○○がついているから、この選手を連れてくるぞ」といった具合だ。そんな思いを張り巡らせて、話に花を咲かせるのが移籍期間の正しい楽しみ方である。


 作者、倉敷保雄氏の本業は主にサッカーの実況を行うフリーのアナウンサーだ。著書の中では積み重ねてきた言葉の選び方や、様々な芸術分野に対する造詣の深さに目を見張るものがあったが、その全てがサッカーにつながっていることに驚かされた。


 本著は、雑誌『footballista』に掲載されている倉敷氏のコラムをまとめたもので、その時その時に見たもの、聞いたもの、感じたものが書き連ねられている。実況の資料で古書店を訪れた話、ドラマや映画を見た話、オーケストラを鑑賞しに行った話、おいしい食事の話……。


 私たちの日常と何ら変わりのない一幕だが、オーケストラを見ながら奏者に選手の姿を重ねてみたり、ミシュランの3つ星レストランにチームを例えてみるといった具合に、全てサッカーへリンクしているのだ。取り留めのないこと頭に浮かべて、友人とサッカー談義に興じる。そんな風景が日本のいろいろな場所で見られたら、代表のサッカーだって強そうだ。


 サッカーの母国イングランドやスペイン、フランスのようなサッカー大国でもすら、まだ1度しか優勝できていない。日本よりサッカーの歴史がうんと長いオランダやポルトガルにいたっては優勝すらできていないのだ。そんな国の人々は、日本よりもサッカーを見る目が厳しいし、強い情熱も持っている。そこに立ち向かわなければいけないのだ。サッカーを見ている国民も、ただ観戦して応援するだけではなく、日頃の思いを投影するからこそ、世界一への道が開かれていくものだ。


 著者は、「フットボールかくあるべし!とは思わない」「何を見てもフットボールに繋がってしまう自分の幸福を気ままに書いた」と述べているが、この感覚を1人でも多くの人が持ってくれれば、W杯制覇への道も開かれてくるのではないだろうか。(編集部・小松春生)



小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より全文掲載※

【全文掲載】大学サッカーの集大成~インカレ開幕~ 取材・文/瀬戸伸哉(編集部/サッカージャーナリスト養成講座)【 @ichiroozawa】 

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第122号(2012年12月20日配信号)より全文掲載※



撮影:赤石珠央


 第61回全日本大学選手権大会が12月19日(水)に開幕した。それに先立ち、18日(火)にJFAハウスで大学選手権の記者会見が行なわれた。会場には全日本大学サッカー連盟副理事長で流通経済大学監督の中野雄二氏や同連盟技術委員長の乾真寛氏(福岡大学監督)や参加各大学の監督並びに、参加チームの代表4選手も顔を揃えた。


 会見で乾・技術委員長が「ここ数年大学からJリーグの方へは毎年60数名が入団しています。今年度のJリーガーの日本人において大卒の選手は40パーセントを占め、2、3年後には50パーセントを超えると思われます。このように大卒の選手が半分以上を占めるリーグと言うのは世界にも稀にみるケースです」と語るように年々、日本サッカー界における大学サッカーの存在意義が高まっている。現日本代表の長友佑都(インテル)や高橋秀人(FC東京)も大学出身。また、それと同時に昨年の大学選手権決勝は平日開催ながら1万5千人の観客動員があるほどサッカーファンからも注目を集めるようになっている。


 なぜ、急激に大学サッカー界が成長しているのか。その手掛かりをつかむため、本大会の注目選手で大宮アルディージャ入りが内定している中央大学のDF今井智基選手に4年間でどのように成長したかを尋ねてみた。




撮影:赤石珠央



――大学に入ってプレー面で一番伸びた点はどのあたりですか?

今井智基(以下、今井) 元々、フィジカルだったりスピードだったり自信を持っていたのですがそれが大学に入ったことでよりストロングポイントとして伸ばすことができました。

――練習で監督から一番言われたことはどういったことですか?

今井 中大のスローガンに「日々の練習から101パーセント」というのがあって、普段の練習から手を抜いていたのでは成長もしない、練習でできないことは試合でもできないというのは強く言われました。

――文武両道についてどう思われますか?

今井 進路が決まっても大学が卒業出来ない可能性もあるので、授業は1年の頃から練習と被らない時間にしてできるだけ出席するようにはしていました。

――そういった中、プレー面以外で成長したことはありますか?

今井 高校の時に比べて時間の使い方が上手くなったと思います。無駄な時間をなくしてより効率よく使えたので、授業があってもサッカーに集中することができました。

――同年代のプロで活躍している選手を意識することはありますか?

今井 僕はポジションがサイドバックなので酒井宏樹選手(ハノーファー96)は同い年で高校の時から知っていて海外でプレーしてA代表にも選ばれているので意識と言うかプレーを参考にしています。

――そういった面で焦りを感じることはありますか?

今井 それほどないですね。自分も来年からは一個上のステップに行けるのでまた一歩一歩努力していきたいです。

――今大会でどのようなプレーを見せて、今後プロに進んでいきたいと思っていますか?

今井 サイドでの一対一は自分の強みでもありますし、誰にも負けない気持ちで常に試合を臨んでいます。それは上のステージに行っても自分の強みにしていきたいと思っているので、自分のストロングポイントである一対一の強さやフィジカルの強さを前面に出して、来年からも自信持ってプレーできるようにしたいと思っています。



 今井選手自身の話のようにプロを目指している選手が、大学サッカーに入ることが遠回りだと強く感じていないのが現状である。理由としては大学で文武両道を実践し、しっかりと成長することができる環境が日本にはあるからだ。


 今後、日本独自の育成システムの下、よりプロで活躍する選手が大学から増えていくことが日本代表の強化につながっていくのは間違いない。そして、その登竜門として大学4年間の集大成である大学選手権(インカレ)が存在するのであろう。


 今井選手以外にも、今大会には同じく大宮アルディージャに内定している富山貴光(早稲田大学FW)や浦和レッズに内定している阪野豊史(明治大学FW)など魅力的な人材が存在していることから今大会もレベルの高い試合が予想される。


 第2の長友、高橋となれる選手は誰なのか。そして、1月6日(日)に国立で行なわれる決勝へと進むことができるのは果たしてどの大学なのか。見どころ多い大学選手権から目が離せない。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第122号(2012年12月20日配信号)より全文掲載※

【全文掲載】大学サッカーを考える 取材・文/三瓶大輝(サッカージャーナリスト養成講座)【 @ichiroozawa】  

撮影:赤石珠央


 61回目のインカレ開幕を翌日に控え、18日東京文京区のJFAハウスで前日記者会見が行われた。
 
 各リーグを制した大学が、大学日本一の座を争うインカレ(全日本大学サッカー選手権大会)は、冬の風物詩となっている全国高校サッカー選手権大会と比べれば、注目度は低いと言わざるをえない。1回戦から民放で放送され、翌日の新聞一面に取り上げられる高校サッカーとは違う。
 
 それでも昨年のインカレ決勝戦の観客数は1万5千人を超え、徐々に大学サッカーへの関心が高まっているのも事実だ。インテルで世界を相手に活躍する長友佑都や、ロンドン五輪で世界中にその名を轟かせた現名古屋グランパスの永井謙佑ら、大学サッカー出身組の躍進がそうさせているのかもしれない。世間一般の注目度は低くても、大学サッカー界の質は、近年非常に高いレベルにあると言える。
 
 大学サッカーが日本サッカー界を支える上で、大きな役割を担っていることを証明するデータがある。
 
 記者会見に出席した、全日本大学サッカー連盟の乾真寛・技術委員長(福岡大学サッカー部監督)は「大学サッカー部は毎年60人近くの選手をJクラブに輩出しており、今年度の日本人Jリーガーの40パーセントは大卒の選手。今後2,3年で50パーセントを超えることは確実とみている。さらに代表の各カテゴリーで大卒の選手が活躍しており、ただ多くの選手を輩出しているだけではない」と語った。国内でプレーするプロサッカー選手の4割を大卒選手が占めるという日本独自の現象は、大学サッカー界が日本サッカーにおける大きな基盤となっているということを表している。
 
 近頃、日本代表にクラブユース出身の香川真司(FCみやぎバルセロナ卒)と部活出身の本田圭佑(星稜高校卒)がいることから、ユースと部活の対比や違いが語られることが増えてきた。しかし、上記のパーセンテージを見る限り、大学出身組という枠についても語られるべきではないだろうか。ユース出身の選手と部活あがりの選手が混在する大学サッカーは、それぞれの良さがハイブリットされた理想的なサッカー環境なのではないか、という考えをもとに、今回の記者会見に出席していた専修大学DF鈴木雄也、明治大学FW阪野豊史、早稲田大学FW富山貴光の3選手にユース出身組と部活出身組の違いについて質問をぶつけてみた。
 
 ところが、3人とも口をそろえて返ってきた答えは「ユース組と部活組の違いはあまり感じない」というものだった。大学までになれば、サッカー選手としてそこまで違いは生まれないのか。しかし、話を聞くうちに、面白い答えが返ってきた。
 
 阪野 「ユース出身の選手は自分の能力を伸ばすことを考える。部活出身の選手はチームが強くなることを考える」

 鈴木 「1回挫折してからの這い上がり方は部活出身の選手の方が知ってるかなとは思う。ただ、サッカーに対する意識、プロ意識みたいのはユース出身の選手の方が強い」


 やはり、それぞれに違いはあるようだ。そして、

 富山 「いろいろなサッカーをやって来た人間がいて、サッカーに対するいろいろな考えを持っていて、最初はそれを合わせるのが難しかった」
 
 1番重要なのは、富山の発言が示すとおり、いろいろなサッカー観を持った選手が、共通の目標を達成するために、いかにそれぞれの良さを引き出しあえるかということではないだろうか。そして、大学サッカーはそれを行なう最適な環境にあると思う。


 ユース出身の阪野が、部活の選手がチームのためにプレーすることを知ったり、部活出身の鈴木がユース選手からプロ意識の高さを学ぶ。自分とは違ういろいろなサッカー観や価値観を持った人とプレーすることで、新しい考え方を取り入れたり、自分の考えが正しかったことを再確認する。そういう環境が大学サッカーにはあると考える。そして、その環境が大学サッカーのレベルアップ、さらには世界で通用するような人材育成にもつながっているのではないだろうか。

【 @ichiroozawa】年俸から育成費を差し引くJクラブを横目に「次の一手」を考える大学サッカー  

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第122号(2012年12月20日配信号)より抜粋※

小澤 中野監督と乾監督にお聞きします。それぞれ、山村(和也/鹿島アントラーズ)、永井(謙佑/名古屋グランパス)という大学在学中にA代表キャップを積み、なおかつC契約の出場時間を超過しA契約でプロ入りできる選手を輩出されました。そのタイミングでJリーグの年俸上限(※C契約は480万円上限)の話が話題になりましたが、未だに480万円の上限があります。
 どうしてもこの時期、プロ野球と比較することになるので、高卒で1億円の契約金、年俸1500万円の条件提示をされるニュースを見ると、小学生たちが夢に抱く「Jリーガー」がプロになっても480万円しかもらえないという現実を目にすることになります。
 
 その意味で、これだけ大学サッカー界からJリーグに選手を輩出している今こそ、ルール変更も含めていい選手に関しては上限ルールを取っ払い、年俸の金額で競争させてもいいのではないか、という考えを持っているのですが、お二人の考えは?

中野監督 はい、お金はいっぱいもらえた方がいいと思います。今、480万円という話がありましたけど、彼ら(=横に座るJクラブ内定の大学生)がどんな契約をしたか私は知りませんが、昨年、今年あたりから、480万円を切る契約を提示してくるチームが多いです。
 一つには、トレーニングフィー(育成費)というJクラブが各大学、高校に支払わなければいけないお金があるのですが、それをしっかり払いなさいと日本サッカー協会側から指導されているのですが、それを払う代わりに、選手の年俸をその分差し引くという、非常に「そんなのでいいのかな?」という傾向があります。

 ですから質問のように、選手の(年俸)上限というのは私はない方がいいと思いますけれど、さらに厳しい状況になっています。これは経営しているクラブ側からすれば、与えられた予算の中で選手を集めなければいけない、補強しなければいけない、という事情はわからなくはないのですが。
 そんなやり方をしていて先々ですね、3年、5年、10年先に一昨日行なわれましたクラブワールドカップで本当に世界の強豪チームと対等に戦えるJクラブのチームが日本から育つのか? と言ったら、多分無理だろうなと思います。ですから、優秀な選手に対しては、それに見合った給料を支払うという制度に早く変えた方がいいんじゃないかという思いは一様に持っています。

 ただ、こういうことはアマチュアの組織と話し合って決めることではなく、プロの組織だけで話し合ってトップダウン的にアマチュアに落ちてきますから、われわれが何かを言って変えられるものでもないのが今の日本サッカー界の現状です。
 
 質問以外のことですが、例えば秋春制の問題などは本当に導入した時に、アマチュアの大学サッカー界や高体連、高校の選手たちがどういうタイミングでプロ契約をするのか。アマチュアとプロの接点をどうするのか。これは社会人リーグを見てもですね、アマチュア側の意向も汲み取った上でプロの意向を見せてもらわないとサッカー界全体が混乱します。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第122号(2012年12月20日配信号)より抜粋※


■今週の小澤一郎の他媒体での掲載記事、番組出演(予定)情報



【TV、ラジオ、イベントなど】
●フェア 『フットボールサミット』 気鋭の執筆陣が選ぶ“サッカー観”に影響を
与えた本 
場所:書泉グランデ +書泉ブックタワー(ミニフェア)
日時:12/15~2/15の2か月間

http://www.kanzen.jp/news/n5321.html

●J SPORTS 『Foot!』 スカパー 12月21日 22時~23時 ※初回のみ無料放送
ゲスト出演&スペインロケ  オンエア予定
http://www.jsports.co.jp/football/foot/

【雑誌、ネットなど執筆媒体】
●ジュニアサッカーを応援しよう Vol.27 12月6日発売
・小澤一郎の育成指導を探る旅 第1回 新座片山FC少年団
・世界的プレーヤーを目指せ!! 中村俊輔(横浜F・マリノス)

http://www.jr-soccer.jp/

●サッカー小僧 003  10月25日発売
・プレーインテンシティ サッカーにおける強度とは何か?
プレーヤーの“戦闘力”を理解してこそ真の観戦者
・私の指導者論 第3回 李済華監督
・蹴球書簡 第3回  メディアの質

http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=3681&gname=shoseki_soccer

●サッカーキングプラス  有料携帯サイト 12月5日配信(毎月第1水曜日配信)
 余命5年の死亡宣告を受けたリーガにおける放映権料問題

http://sorry.q-media.jp/spmode_efi.html ※docomoのSPモードのみご利用可

【書籍】
●『モウリーニョVSグアルディオラ ~最強集団をつくるリーダーの条件~』
・初のスペイン本翻訳  (ベースボールマガジン社)

http://bookcart.sportsclick.jp/bbmshop01/7.1/BBM109117/

●『FCバルセロナ 史上最強の理由』 共著 (洋泉社)

http://www.yosensha.co.jp/book/b94030.html

●『サッカー選手の正しい売り方 ~移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ~ 』 (カンゼン)

http://www.amazon.co.jp/dp/4862551033

【 @ichiroozawa】「夢と財布のバランスが大事」 元浦和レッズ 産業能率大学講師 西野努氏 インタビュー 取材・文/中村僚(編集部)  

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第121号(2012年12月13日配信号)より抜粋※


 Jリーグが誕生してから20年。その間、アジアチャンピオンになるチームが現れるなど、他国と比較しても驚異的なスピードで成長し、大きな成功を収めてきた。Jリーグはファン層の拡大、プレミアリーグ構想など、さらなる進化を目指している。

 一方で、その異常ともいえる成長速度ゆえに歪みも生じ、財政破綻を起こすクラブも出てきてしまった。理念先行型の経営で育ってきたJリーグだが、これからは夢と財布のバランスが大事になる。

今回、私が所属する産業能率大学でスポーツマネジメントの授業を受持つ西野努氏に話を聞くことができた。西野氏と言えば、元浦和レッズのOBとして、さらに引退後にリヴァプール大学へ留学し、フットボールMBAを取得したことでも知られる。

 このインタビューを企画した理由は、ジャーナリストを目指す者として、自分の力がどのレベルにあるのかを試したかったからである。他の著名な方々も多く言及しているこのテーマで成果を上げれば、それが試金石になり得る。記事の評価は読者の皆さんに下してもらいたい。今回の企画を快諾してくれた当メールマガジン発行者の小澤一郎さん、二つ返事で取材を引き受け、私の拙い質問から多くを話してくれた西野努先生のお二方に、この場を借りて改めてお礼申し上げる。



――まず西野さんがどのような研究をしているか、大まかに紹介してください。
 
西野努(以下、西野) 研究というよりも、大学の授業で学生にわかりやすく伝えるというのがメインです。Jリーグやプロ野球、メジャーリーグ、欧州サッカーなどの実例ですね。経営の分析や各クラブのマネジメントを見て研究して、それを授業に還元していくという仕事です。
 
――今回はJリーグのビジネスについてお聞きします。私も授業をお受けしましたが、浦和に代表されるように、Jリーグの観客数は2008年をピークに横ばい、あるいは徐々に減っている状態が続いています。この状況はどうお考えですか?
 
西野 1つには、Jリーグの拡大方針が影響していると思います。今はチーム数を増やし、全国に拡大する方針をとっているので、平均的な動員が減っていることに危機感はあまり感じません。いろいろな考え方ができますが、例えばスカパーが放映権を独占しているのは新たなファン層を拡大するのにはデメリットな部分です。リーグのマネジメントのスタンスが、何を優先しているのかが不透明だと思います。
 
 チーム数を増やすのなら、もっとファン層を拡大するために放映権料が多少減ったとしても民放で試合を流した方が良いと思います。ファン層を広げるのか既存のファンの囲い込みをするのか、チーム数の拡大とスカパーとの契約は相反していると思います。
 
――観客層のデータとして、サッカー未経験者が多いという報告もあります。
 
西野 子どもに「好きなチームは?」と聞くと、海外のチームを挙げる子が本当に増えています。バルセロナ、マンチェスター・ユナイテッド、ACミラン……。Jリーグチームを憧れの対象にしている子どもより多いかもしれません。それが関係していると思います。
 
 なぜスタジアムに足を運ぶかと言われたら、試合を見ていて楽しいからです。純粋にサッカーの面白さという部分では、Jリーグはまだまだ欧州のレベルには届きません。それを求める人たちは、テレビで欧州のリーグ戦やチャンピオンズリーグを見ます。スカパーに契約して、多少お金がかかっても見ようという人がたくさんいます。その動きがJリーグにないのは、純粋にコンテンツとしての魅力がまだまだヨーロッパのレベルに至っていないからでしょう。
 
 J1、J2あわせて40チームになりましたが、面白い試合もあれば、そうではない試合もあると思います。チーム数を増やしている以上は、一試合あたりの平均的な魅力が減っていくのも仕方ないですね。そういった意味で、経験者がスタジアムに行かないのは理解できます。サッカーを経験してある程度知っていれば、世界のスーパースターに魅力を感じるのは素直な反応だと思います。
 
――Jリーグの「地域密着」にリンクできていないということでしょうか?
 
西野 リンクできていないというよりも、創設から20年経ち、今何をすべきかという整合性を見失っているのかもしれません。チームを増やし、サッカーファミリーを増やすというところと、日本サッカーのピラミッドの頂点を高めていくところです。これは意図した効果ではありませんが、現在はピラミッドの頂点がヨーロッパに向けられています。国内のトップ選手が海外に行く理由も、移籍金等の問題も関係していると思いますが、そういった難しさが出ていると思います。
 
――経営状態がプロと言うには厳しく、練習グラウンドの確保すらままならないクラブもある状態で、チームを増やし続けていくことに意味はあるのでしょうか?
 
西野 Jリーグは「理念先行」型の経営です。「百年構想」も「地域密着」もそうですが、素晴らしい理念を掲げ、そこに向かってアプローチをしていくというやり方です。ここまで素晴らしい成果を残していますし、功績として認められるべきものです。
 
 しかし、同時に財布も重要になってきます。現在は夢と財布(=理念と財政)、そのバランスが若干崩れているような気がします。理念は素晴らしいため人は集まってきますが、誰がお金を負担するのかという話になり、そこの現実的な視点が不足しています。だからこそクラブライセンス制度を始めたのではないでしょうか。
 
――川崎フロンターレのように個性的なプロモーションで人を集めるのは、各クラブができる手段のひとつです。こういった状況を受けて、リーグ側が取るべき政策はどういったものでしょうか?
 
西野 Jリーグ立ち上げ当初は中央集権の形で協会が統治、管理をしてきました。商品、ユニフォーム、放映権、それらすべてをリーグが管理し分配していくという、共産主義的な方法です。20年経った今では徐々に各クラブに権限を移行させています。しかし、まだまだ中央の力が大きい体制です。現在のJリーグは難しい立場にあると思います。大きな力を持っている協会を、今後の20年で小さくしていくのか、維持していくのか。これは今後の20年で注目していきたいところですね。
 
――「J3」の話に移ります。経営が難しいクラブがある中で出た「J3」案ですが、これにはどのような効果が期待できますか?
 
西野 サッカーファミリーの拡大というところには、間違いなく大きな貢献をするでしょう。しかし、先程も述べたように、チーム数を増やす以上は財政状況を明確にすべきです。
 
 プロクラブを目指しているチームは多く、J3設立となれば参加したいというチームはたくさんあるでしょう。その中で果たしてどれだけのチームが母体を維持できるのか、冷静に判断したいところです。リーグ側がどこまで関与していくのか、どこまで自立を求めるのかというさじ加減は重要です。ただ、J3となればプロではありません。
 
――「J3」を設立したとして、JFLの立ち位置にはどういった影響があるのでしょうか?
 
西野 現在のJFLはJリーグに次ぐアマチュア最高のカテゴリーとして位置づけられ、歴史的にも続いていますし、J3とJFLを共存させるのが良いと思います。J3とJFLなら、恐らくサッカーのレベルも変わりません。もし別リーグとして設立するとなると、競技レベルも分散されます。
 
 私は階層型ピラミッドが1つの理想だと考えていますが、J3までをプロとするピラミッドと、JFL以下アマチュアのピラミッドをもう1つ作るのは、効率的ではないと思います。Jリーグがどのように考えているのかはわかりませんが、企業チームと準加盟チームを混合したリーグの方が望ましいですね。企業チームの中でJリーグ入りを目指すところも出てくるかもしれません。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第121号(2012年12月13日配信号)より抜粋※

今週の小澤一郎の他媒体での掲載記事、番組出演(予定)情報 

【イベント】
●フェア 『フットボールサミット』 気鋭の執筆陣が選ぶ“サッカー観”に影響を
与えた本 
場所:書泉グランデ +書泉ブックタワー(ミニフェア)
日時:12/15~2/15の2か月間

http://www.kanzen.jp/news/n5321.html

【雑誌、TV、ラジオ】
●サッカーを読む!Jマガ 有料携帯サイト  
スペインのクラブが約750億円もの税金を滞納できる理由  11月28日配信分

http://www.jmaga.net/?eid=853

J1最終節に見た世界基準を上回る“日本基準”  12月4日配信分

http://www.jmaga.net/?eid=856

●ジュニアサッカーを応援しよう Vol.27 12月6日発売
・小澤一郎の育成指導を探る旅 第1回 新座片山FC少年団
・世界的プレーヤーを目指せ!! 中村俊輔(横浜F・マリノス)

http://www.jr-soccer.jp/

●サッカー小僧 003  10月25日発売
・プレーインテンシティ サッカーにおける強度とは何か?
プレーヤーの“戦闘力”を理解してこそ真の観戦者
・私の指導者論 第3回 李済華監督
・蹴球書簡 第3回  メディアの質

http://www.byakuya-shobo.co.jp/page.php?id=3681&gname=shoseki_soccer

●サッカーキングプラス  有料携帯サイト 12月5日配信(毎月第1水曜日配信)
 余命5年の死亡宣告を受けたリーガにおける放映権料問題

http://sorry.q-media.jp/spmode_efi.html ※docomoのSPモードのみご利用可

【書籍】
●『モウリーニョVSグアルディオラ ~最強集団をつくるリーダーの条件~』
・初のスペイン本翻訳  (ベースボールマガジン社)

http://bookcart.sportsclick.jp/bbmshop01/7.1/BBM109117/

●『FCバルセロナ 史上最強の理由』 共著 (洋泉社)

http://www.yosensha.co.jp/book/b94030.html

●『サッカー選手の正しい売り方 ~移籍ビジネスで儲ける欧州のクラブ、儲けられない日本のクラブ~ 』 (カンゼン)

http://www.amazon.co.jp/dp/4862551033

【 @ichiroozawa】バレンシアの監督交代劇に見る「クラブの色を感じる選手」の重要性  

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第120号(2012年12月06日配信号)より抜粋※

 1日にホーム、メスタージャで行なわれたレアル・ソシエダ戦で2-5の大敗を喫したバレンシアは、ペジェグリーノ監督を解任。後任として、ビルバオ、エスパニョール、オリンピアコス(ギリシャ)などで実績を残したエルネスト・バルベルデの監督就任と今季終了までの約6カ月の契約が発表された。
 
 試合後の監督記者会見後に解任の知らせを受けた選手たちはミックスゾーンを素通りしたようだが、アルベルダはtwitter上で「自分のオピニオンはシンプルなもの。われわれはマウリシオ(・ペジェグリーノ)の高みに達していなかった。私にとっては偉大な監督で、素晴らしい人間」というツイートを発信した。
 
 試合翌日、パテルナ練習場ではペジェグリーノ監督の退任会見と共に、チームキャプテンのソルダードが会見に姿を現した。会見の席でアルベルダのtwitterでの発言について質問を受けたソルダードは、「彼が言った通り、監督は日々のトレーニングでその能力を披露していた。ただ、トレーニングで準備していたものを選手がピッチ上で披露できなかった。監督はこのチームを指揮する能力があったと思うが、われわれが監督の高みに達していなかったし、身に着けているユニフォームの高みにも達していなかった」と答えた。
 
 今回、バレンシアの監督交代劇を取り上げようと考えたのは、10月のスペイン取材で今の予兆を見聞きしていたから。アルベルトをはじめ現地で久々に再会した複数のメディア関係者から、「今季のチームのメディア対応の悪さは目に余る」という愚痴を聞いていた。彼らが特に憤っていたのは、新加入選手を含めた外国人選手たちの対応の悪さ。選手には悪いが名指しで説明していこうと思うが、『スーペル・デポルテ』のカメラマンはジョナスにインタビューした際の傲慢な態度に怒っていた。
 
 彼によると、インタビューカットを撮影するためにカメラマンが「悪いけど、腕組みをしてそこに立ってくれる?」とお願いしたところ、「うるせぇな、この格好でさっさと撮れよ」という対応でまったく言うことを聞いてくれなかったそうだ。そのベテランカメラマン曰く、「長年いろいろな選手のインタビューカットを撮らせてもらっているけど、あんな対応をされたのは初めて」とのこと。
 
 同じく総じて評判が悪かったのがティノ・コスタ。ピッチ上で闘志むき出しにプレーするスタイル通り、ピッチ外でも強いパーソナリティで基本的には「面倒くさい」という感じでメディア対応するようだ。彼ら以外にも新加入のグアルダードもメディア嫌いで、シソコはレアル・ソシエダ戦後に監督解任の知らせを聞いてもヘッドホンで最大限のボリュームの音楽を聞きながらノリノリでミックスゾーンを出てくるほど、イノセントで無関心な性格。
 
 監督解任の知らせを聞いて今冬の移籍希望を表明したとうわさされているガゴは、ファン対応の悪さをメディア関係者から指摘されていた。今のバレンシアの練習はほぼ非公開練習ばかりで、パテルナ練習場内への一般人のアクセス自体が制限されている。
 
 そのため、練習場に足を運ぶファンの数が昔に比べて大幅に減ってきており、選手の出待ちをするファンも日によっては4、5人のようなことがあるのだという。アルベルト・イランソはある日、4人しか出待ちしていない状況でガゴが車を止めずに素通りしていった姿を目撃した。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第120号(2012年12月06日配信号)より抜粋※

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。