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19歳以降は「育成年代」ではないのか?(福岡大学 乾眞寛監督 インタビュー(上)) 

2011年03月30日配信のメルマガより抜粋

――乾監督は普段からバルセロナや世界トップのサッカートレンドを意識、分析されていますが、現時点での日本サッカーの課題は何でしょう?
乾眞寛(以下、乾) マイボールの質です。それを上げなければいけないというのは日本サッカーの課題ですが、本当の意味でポゼッション能力を向上させるためには、普段からハイプレッシャーが必要です。日本では、その能力の向上をディフェンスを抜きにした状況で求めすぎてきた気がします。国際試合が終わると必ずJFAからテクニカルレポートが出てきますが、出てくるのはいつも「プレッシャーの中での正確なプレー」です。日本の環境において、ハイプレッシャーが不足しているという現実を今回の研修で改めて感じました。攻撃の改善を要求する前に、守備のレベルをもっと上げないと本当の意味での攻撃の改善はできません。

 今回、スペインでジュニアユース、ユースの年代も見てきましたが、ものすごく忠実に守備のタスクを果たしながら、同時に奪った後での攻撃の質を高めていました。攻撃と守備が常に表裏一体化している日常があって、その切り替えもここが境目だというその境目が見えなくなってきています。ボールを奪った瞬間の攻撃だとか、失った瞬間の守備だというけれど、どこがその境目なのかというのが本当に見えないくらい連続性が高まっていますし、連動性もさらに一段と質が上がっている。バルセロナがなぜあれほど簡単に囲い込んで奪えてしまうのかというと、ボールを失った後大体3秒くらいでボールを取り返す作業が達成されている。もしくは、ボールを失った位置から10メートル以内のところで奪い返すシーンが度々繰り返されている。これは決して偶然に成し得ていることではなくて、意図的に組織的にやっていることです。でも、それを遂行するためには、高いレベルの体力、集中力が求められる。そうした個々の力がグループやチームの力に変わるわけで、その質が一段と高まっているなと感じました。

 日本がそういうものを個別に考えて、指導しているとすると、世界基準に近づいているという評価を果たしてしていいのだろうかと思います。ある意味で世界の流れ、方向性に日本が距離を置かれてしまっている部分があるのかなとも思いました。日本の育成組織、システムの改善はここ10年くらいで本当に成果を挙げたと思いますが、その中で育っている選手たちの質はどうなのか。19歳以降からトップにつながる仕上げの育成ができているのか、という検証を改めてしないといけないと思いました。

 今回、スペインBチームの指導者の目線で話を聞いても、やはり「18歳で完成された選手などいない」と言います。19歳以降に、人間的、精神的な成長も含めて本物のサッカー選手というものが育成されていくので、18歳までを育成と考えてしまっている日本の現状というのはどうなんだろうと思います。あと3年くらい延ばして、U-20や五輪代表までも育成の延長線上、一つの育成の機関として見る根本的な見直しがあってもいいのではないかと思いました。

――確かに日本では、ユース、18歳までは育成という認識を誰もが持っていますが、プロ入りした選手を筆頭に19歳以降の選手は「育成年代」として捉えていない現状があります。

 育成においては、ボトムアップもプルアップも両方必要です。でも、プルアップしたはずの選手が本当にもう一段上の環境でサッカーをできているのか。あるいは、今その選手が抱えている課題にそのゲーム環境はフィットしているのか。そういう部分が、日本ではあまり問われていません。試合の水準や試合数、トレーニングの量や強度も、その選手にフィットしていて初めて伸びる。どれほど能力が高いと言われる選手でも、プロでいきなりスタメンにはなれないわけですし、そこをつなぐため選手にとって一番適正なゲーム、育成環境というのは何だろうというのを19歳以降であっても細かく見てあげなければいけないと思います。

 だからこそ、J1のトップチームで契約したとしても、初年度からJ1やJ2のクラブにレンタルで出るといったことがもっと模索されてもいいはずです。今回、スペイン5部リーグでプレーするような選手たちでも、そこをステップに3部、4部と上がっていく現状を見てきました。また、トップチームに上がっていくようなシンデレラボーイも実際にいるわけです。ユースを卒業した選手がBチームをステップにして、トップに上がっていくというシステムが欧州にはきっちりありますし、Bチームは18歳のユースとトップチームをつなぐ役割を果たしています。Bチームは「トップに上がれないダメな選手」を育てているわけでは決してなくて、本物の選手を作る母体がBチームであるということです。そのBチームに相当するものが日本のプロの中では欠落している。それを今、結果的に大学というカテゴリーがバックアップして、いろいろな受け皿で選手たちを育成しています。

 今、大学がJリーガー輩出の実績を上げていて、代表での大学出身選手の数も増えてきています。そういうことが現実的に流れとして起きているわけですから、19歳以降の強化、受け皿を踏まえた上でそこで何ができるのかをもう少し細かく能力に応じてセットする必要があるなと感じます。日本では、「プレーヤーズファースト」、「選手を大切にしましょう」と言っているのに、あまりにも19歳以降の選手を無駄に扱っているのではないでしょうか。ユース、18歳まで手塩にかけて育てた選手をトップに上げて飼い殺しのような形にして、2、3年で解雇している現実はプレーヤーズファーストでも何でもありません。例えカテゴリーが下がってもその選手に90分間プレーさせる、そのゲームを用意するということが、本当のプレーヤーズファーストなのです。

つづきはメルマガ本文にて

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