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【@ichiroozawa】坪井健太郎のラ・ロハ分析[1] イタリア戦  

 欧州のシーズンが終了した6月に入り、4年に一度のEUROが開幕した。スペイン代表こと『ラ・ロハ』が44年ぶりの優勝を果たした前回大会から早くも4年が経過したのか、という思いに浸ると同時に、改めて日本時間でEUROの試合をチェックすることの大変さを痛感する日々。

 さて、当メルマガでは今大会もラ・ロハを中心に大会を見ていこうと考えている。そこで協力を依頼したのが、バルセロナで指導者として4年を過ごす坪井健太郎氏。今月の『サッカークリニック』でも取り上げている坪井氏だが、やはり世界最先端のフットボールとフットボールパーソンの集まるバルセロナで育成年代のチームを長年指揮していることから、その言葉には含蓄と日本サッカーへのヒントが詰まっている。

 スペイン代表やEUROの試合のみで完結する分析は他媒体で数多く見られると思うが、坪井氏には「日本サッカーや日本の育成のレベルアップのために何をどう活かすのか?」という視点でゲーム分析してもらうつもりだ。今大会でのラ・ロハの試合については、基本的に全試合カバーしてもらうつもりでレギュラー出演してもらう予定であるので、ぜひ楽しみにしてもらいたい。それでは、今回は10日に行なわれたスペイン対イタリアのゲーム分析をしてもらった。




――1-1の引き分けに終わったスペイン対イタリア戦の総評をお願いします。

坪井健太郎氏(以下、坪井氏) スペインとしては、初戦で苦しむ典型的なパターンが出てしまった印象です。リーグでもカップ戦でも初戦の難しさというのはあると思います。チームがどのように戦ったらうまくいくのかなど、見えない部分の要素がいっぱい出る中で、先制点を取られることが痛手となり、後手を踏む展開となってしまいました。初戦の難しさというのがスペインにも出てしまったなという印象です。

――戦術面でのポイントは?

坪井氏 まずは、スタメンでフェルナンド・トーレスではなく、セスク・ファブレガスがセンターフォワードに入ったこと。もう一つは、エクストレモ(サイド)の選手が、イニエスタが左にいて、右サイドは最初シルバやシャビが流動的に動いていく中で、高い位置で幅を取る選手がいなかった点。前線の6人全員が真ん中でプレーするタイプの選手でした。それによって、サイドバックのアルベロアとジョルディ・アルバの二人が高い位置で幅を作らなければいけず、サイドバックにかかる負担が大きかった。

 おそらく、デル・ボスケ監督のプランニングとしては、両サイドはサイドバックに任せて、6人は密集して細かいパスをつなぎながらチャンスを作り出そうという展開を狙っていったはずです。対するイタリアも1-3-5-2で真ん中をしっかり守って、カテナチオを敷いて(攻め)上がろうという展開が前半の流れでした。

 点がなかなか取れずに、スペインの失点シーンというのは、アルベロアとジョルディ・アルバが高い位置を取っていて、守備に関しても少し広がって前からディフェンスをしていたので、ピケとアルベロアの間のスペースを見事に使われてしまったというパターンでした。守備に関しても中盤と前の6人が真ん中でプレーしているが故に、サイドバックとセンターバックの間のスペースが空いてしまっていたという印象です。

――試合序盤から、シャビが両サイドバックにもっと高い位置でプレス連動してくれ、という感じのジェスチャーをしていました。前線と守備陣の間に守備意識の面で少しズレがあったように見えましたが?

坪井氏 確かに、最初のサイドバックの位置は低かったです。もっと高い位置にポジションを取らないと、高い位置での幅を作れる選手がいませんでした。シャビもイニエスタもシルバも中でプレーしていましたし、そうすると中盤、ソナ・トレス(第3ゾーン=アタッキングサード)の高い位置のサイドでプレーする選手が前半いなかった。それは、スペインが手詰まりになった要因だと思います。

――9番タイプのセンターフォワードがいなかったことが前半に攻撃が停滞した原因となったという論調がスペイン国内でも多いですが、後半ヘスス・ナバスを投入してから攻撃が機能し始めたように、前線のサイドでボールを落ち着かせることが別の戦術的ポイントだったのでしょうか?

坪井氏 監督視点で見ると、おそらくデル・ボスケは「真ん中でいける」という計算の元にゲームプランを組んだのでしょう。整理すると、ディフェンスが4枚。プラス、シャビ・アロンソ、ブスケッツ、シャビの3枚が中盤でサリーダ(出口)を作ってボールを引き出し、エラボラシオン・デ・アタケ(攻撃のつなぎ役)を担っていました。後は、イニエスタ、シルバ、セスクが流動的にスペースを作ってそこを埋める。出入りをしてフィニッシュに入っていくという構成だったように見えました。その構成でおそらくフィニッシュまで行けるだろうと踏んだデル・ボスケでしたが、がっちりと中を固めたイタリア相手に、機能しなかったのかなと。

 実際、前半30分くらいまでは結構シュートチャンスがありました。あの中で得点が取れるという計算だったように思います。それがうまくいかない中で失点をしてしまい、それを続けようと思ったけれどもできなかった。その次の手が、背後を取る動きが多いトーレスと、あとはサイドから起点を作って攻めるという意図でヘスス・ナバスだったのではないでしょうか。

――イタリアの良かった点は?

坪井氏 守備面できちんと真ん中、ゴール前を埋める意識が高かったところです。今大会を見ていて、デンマークもオランダ戦でそうでしたが、センターバックがペナルティの外のスペースに出ていかない、真ん中を守る意識がオーガナイズされているチームというのは、安定した戦いを見せていると思います。

 センターバックが積極的に出ていくチームというのは、ボールポゼッションをしようとしているチームで、カウンター対策として例えばイタリアのマリオ・バロテッリがサイドに流れたらピケがついて行っていました。そういう守り方をしているチームは苦しんでいるというか、ゴール前のスペースを空けがちな傾向はありますね。オランダもそうした守り方で敗れてしまいました。あと守備要素で言うと、ピケとセルヒオ・ラモスのセンターバック2枚というのは、まだ二人での関係ができあがっていないという印象です。


2012年06月07日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームに加え、『AS』専属カメラマンであるアルベルト・イランソ氏のフォトギャラリーも用意し、濃密なコンテンツを取り揃えています。ぜひご購読ください。※

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