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【@ichiroozawa】坪井健太郎のラ・ロハ分析[3] フランス戦  

――2-0でスペインが勝利したフランス戦の率直な感想をお願いします。
 
 坪井健太郎(以下、坪井氏) スペインはここにきてチームとしての熟成度が増してきた印象です。ここまで4試合を戦ってきて、徐々に各選手の役割が明確になってきたなと。あとは、ボールポゼッション率が高いですから、早めに先制点が取れたことがこの試合の大きなポイントとなったというのが全体的な感想です。
 
――この試合では、トーレスではなくセスクがセンターフォワードで起用されました。「ファルソ・ヌエベ(偽9番)」の狙いはどう見ましたか?
 
坪井氏 トーレスとセスクのどちらを取るかという判断は相手チームとの兼ね合いもあり、「どちらがいい」という答えを出すことは不可能です。結果的に、途中からトーレスが出てきたのはすごく効果的でした。
 フランスは、後半に入って前線からプレスにきて、全体的にディフェンスをするときに高い位置をキープしていたので、奪った時のカウンターを確立する意味では、トーレスが入ったことによって、よりチャンスができました。流れとして、セスクから入って、相手が前に出てきた時にトーレスというのはすごく効果的でした。
 
 戦術的なことで言うと、サイドの駆け引きはフランスの右サイドの選手(ドゥビュシー)がジョルディ・アルバに張り付いてすごくディフェンシブな対応。一方で、逆サイドのリベリーは守備に参加せずオフェンシブな戦術で、サイドのスペースを空けていたという駆け引きというか攻防は見応えがありました。
 
 1点目のシーンで言うと、イニエスタが中に入って行き、フランスのサイドバックの選手(レヴェイエール)がほぼマンマークの状態でついて行ったので、そのスペースを突いたジョルディ・アルバのオーバーラップからの崩しとクロスからシャビ・アロンソが得点。逆サイドはリベリーが戻らないので、アルベロアが終始フリーでボールを受けるシーンが多かったように思います。
 
――フランスはスペイン対策で右サイドのレヴェイエールがイニエスタにマンマーク気味でつく分、ドゥビュシーをサイドハーフに使い、ダブル右サイドバックのような形でスペインの左サイドを封印しようとしました。中盤のトリプルボランチのような構成、ナスリを外す選手起用など、ブラン監督の采配をどう見ますか?
 
坪井氏 おそらく、ブラン監督が考えたベストのやり方だったのではないでしょうか。最初は守備的な布陣で我慢をして、スペインのフィジカルがもたなくなったところでナスリを入れた意図はわかります。まず守備のことを考える守備的な采配というのは、スペインを相手に戦うチームとしては一般的な戦い方だと思います。
 
 ただ、イニエスタのスルーパスや個人技にやられてしまった部分は仕方のないことではあります。イニエスタを止めろ、メッシを止めろと言っても、それには運も必要なくらい難しいことです。そこでやられてしまったことは、おそらくブラン監督の頭には事前のプランとしてあったと思います。「1点やられた時にはこういく」というゲームプランは明確だったと思います。
 
――確かに、フランスのパフォーマンスが悪かったというよりも、今大会目立っているスペインの守備がよかったという印象です。この試合でも、フランス相手に被シュート数が4本、枠内が1本で、リベリーのクロスから少しヒヤッとしたシーンがあるくらいでした。今大会4試合でまだ1失点のスペインの守備については、どう評価しますか?
 
坪井氏 DFラインとの関係を見た時にボランチのブスケッツとシャビ・アロンソの役割が試合を重ねるごとに明確になっていて、すごく安定感が出てきた印象です。フランス戦で言えば、ブスケッツの方がオフェンシブな役割をこなして、シャビ・アロンソがDFラインに近いところにポジションを取っていました。二人が重なっていなかったし、その微妙なバランス感覚は試合を重ねるごとに良くなっています。共有するイメージというものができてきたと思います。
 
――確かに、シャビ・アロンソが1点目のような形で上がって行き得点を奪ったので、「攻撃的なイメージ」を持つ人が多いかと想いますが、実際はブスケッツが上がり気味で、シャビと近い距離感を取っていました。個人的には、シャビ・アロンソが代表でもレアル・マドリードでやっている仕事を担えるようになってきたという印象ですが、その意味でも彼ら二人のコンビネーションは良くなってきました。
 
坪井氏 チームとしてのコンセプトの熟成とイメージの共有が、試合を通してでき上がっているように見えます。
 
――日本的な考えでは、微妙なポジショニングさえも事前に指導者がプランニングして、落とし込んでいるように思いがちです。しかし、スペイン代表の試合を見ていると、試合の中で調整しながら解決する能力が秀でているように思います。「ピッチ内で、自分たちで解決する」という感覚は、特に日本の育成現場では希薄だと思いますが、坪井さんの印象は?
 
坪井氏 この前お話ししたように、小さい頃から育っていく中で「サッカーとはこういうスポーツなんだ」「サッカーをプレーするというのはこういうことなんだ」という背景があるのとないのとの違いではないでしょうか。
 
 今回のケースでも、ダブルボランチが同じところに重なっているのではなくて、どちらかが上がれば、どっちかが残る。それはリーガ1部のトップレベルでやっている選手たちにとって、できて当たり前のことです。でもそれは、小さな頃からいろいろなサッカーやプレーを見てきた結果ではないかと思います。
 
 教えるべき部分と、任せる部分の認識の違いが日本とスペインでは違います。スペインでは、大まかなタスクは与えますが、細かな解決方法は選手に任せるというのが一般的です。


2012年06月30日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームで濃密なコンテンツを取り揃えています。ぜひご購読ください。※

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