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【@ichiroozawa】坪井健太郎のラ・ロハ分析[4] 決勝(イタリア戦)  

――EURO2012は、スペインの優勝で幕を閉じました。決勝イタリア戦の感想と、戦術的ポイントをお願いします。

坪井健太郎氏(以下、坪井氏) スペインは最高の試合を見せてくれました。それぞれのタレントが能力を発揮し、見事に噛み合ったという印象です。「勝ちたい」という気持ちがプレーに表れ、前からアグレッシブにプレッシャーをかけにいき、プレーリズムも高かった。連覇への、非常に高いモチベーションが見られました。

 戦術的なことを言うと、センターフォワードにセスクが入る「ファルソ・ヌエベ(偽9番)」の形から入りました。このシステムで大会中に実戦を重ね、それぞれの役割が明確になり、ファイナルになって完成形となったと思います。

 イタリアはまず守備から入り、2トップにロングボールを入れて攻撃の起点を作るという狙いでした。1―4―4―2の中盤はダイヤモンド型だったので、ブスケッツとシャビ・アロンソがイタリアの中盤の選手にマークに付かなければいけない場面がありました。そのせいもあり、イタリアの2トップとスペインのセンターバックが2対2になる状況も起こっていました。突破されてもおかしくありませんでしたが、ピケとセルヒオ・ラモスがなんとかこらえていました。

 スペインがビルドアップを組み立てる時も、イタリアは積極的にプレッシャーをかけてきました。そこをかいくぐれるかどうかもポイントだったと思います。これに関しては、セスク、シルバ、イニエスタの3人が、ピルロの両脇のスペースを上手く使ってマークをはがしたと思います。

――イタリアはスペインとの初戦で採用した3バックではなく、大会を戦う中で安定感を出した4バックでした。ただゲームプランとしては、前線からプレスをかけスペインに自由にボール回しをさせない、あるいはカウンターでシンプルにゴールという同じ狙いだったと思います。初戦と比べて、イタリアに戦い方の変化はありましたか?

坪井氏 初戦では前3人がプレッシャーをかけていましたが、決勝では中盤も含め5人がかなり前からプレッシングに来ていました。この違いはあったと思います。スペインのDFラインから中盤に配給されるボールにも、人数をかけてプレスに行く狙いが見られました。

――それでもスペインがプレスをかわし、ゴールを奪った要因は?

坪井氏 厳しいプレスの中でもショートパスをつなぎ、スペインらしさを存分に表現できたことだと思います。戦術的な狙いももちろん、お互いのスタイルを出し合った結果スペインが一枚上手だったのだと思います。前半の早い段階に試合が動いたのも、大きな影響を与えていると思います。

――前半のスタッツでは、イタリアがボール支配率でスペインを上回り、シュート数も枠内含め同数でした。決勝の前半は、スペインがボール支配率で劣った唯一の45分でした。その中でもリードを奪えたということは、スペインに「ただ単にパスを回すだけでなく、相手にとって嫌なポイントにパスを通そう」という狙いがあったからだと思います。

坪井氏 デス・マルケ(マークを外すオフ・ザ・ボールの動き)が利いていました。特に、イタリアのセンターバックとサイドバックの間のスペースに入る動きが機能し、そこにチャビやイニエスタから精度の高いボールが配給されました。ジョルディ・アルバのゴールもそういった形で生まれたものです。

――イタリアの前線からのプレスをはがした要因として、カシージャスからのキックも見逃せないと思います。ジョルディ・アルバが決めた2点は、イタリアの前線のプレスを越したカシージャスからセスクへのミドルパスでした。

坪井氏 そうですね。育成年代から培われてきたものが、このレベルでも還元されているという印象です。

――今大会、「シャビの調子が良くない」と言われながら、決勝戦では存在感を示しました。彼についての評価は?

坪井氏 ラストパスの精度が素晴らしかったです。ジョルディ・アルバへのパスは、彼以外の選手にはなかなか出せないレベルのものでしょう。2メートルほどしかない小さなスペースに出す技術、パスを出す前のボールの運び方やタイミングの探り方も見応えがありました。


シャビのドリブルは真っすぐに進むのではなく、必ずボールタッチの角度を微妙に変えながら進みます。ディフェンダーの立場からすれば、その微妙な角度の違いで対応が変わり、それが守備に微妙な混乱を発生させます。そういった細かいボールタッチがいかにも彼らしいものでしたし、中盤でのボールさばきについてはバルサでやっているいつも通りのコントロールでした。

――デル・ボスケ監督のゲームプランは、どういうものだったのでしょう? イタリアが前がかりにプレッシャーをかけてくると予想して、前半はカウンター気味に攻め込む狙いも持っていたのでしょうか?


2012年07月05日配信のメルマガより抜粋。メルマガ本文では、この5倍近いボリュームで濃密なコンテンツを取り揃えています。ぜひご購読ください。※

坪井健太郎

【プロフィール】坪井健太郎(つぼい・けんたろう)

1982年静岡県生まれ。静岡学園卒業後、自らの夢を果たすべく広島県に渡り、安芸FCにて指導者への道を歩み始める。清水エスパルスサッカースクールを経て、2008年4月よりスペインバルセロナに移住。9月からC.E.エウロパU-16のアシスタントコーチとして3シーズンを過ごし、昨季は同クラブのアレビンの第一監督を兼任。昨季は、U.E コルネージャのユースBアシスタントコーチを務めるなどスペインでもその指導手腕が高く評価されている。来シーズンは同クラブのユースCのアシスタントコーチを務める。(ブログ:http://ameblo.jp/uno-dos-tres/

2012年シーズンから日本人指導者の為の指導者留学プロジェクトPreSoccerTeamにも参加し指導者の育成も務める。
リンク: http://www.presoccerteam.com/ja/home.html
ブログ: http://www.plus-blog.sportsnavi.com/presoccerteam/

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