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「大人げない」? 手を抜くのが大人なのでしょうか?(下)バレンシアで闘う男 中原健聡(カタロハCF練習生)インタビュー【 @ichiroozawa】  

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第115号(2012年11月01日配信号)より抜粋※

(c)Alberto Iranzo



――カタロハCFに加入してから数カ月ですが、中原選手が目指す「中途半端なポジショニング」は引き出せるようになってきましたか?

中原健聡(以下、中原) 問題無いですね。ウロチョロしていればパスも入ってきます。たまに味方から「張ってくれ」という指示も出て、その時には、あくまで私の判断ですが、張る時もあります。うまくいかなければまた話して修正し、次は自分のほしいタイミングでパスをもらいます。これは、お互いが意見を言い合って、お互いの特徴を理解し合っているからこそできることです。それがコミュニケーションだと思います。

――これまでの経験で意図的にパスが来なかったということはありますか?

中原 もちろん、あります。絶対に出せるのに出さない。ただ、それはチームに入って間もなくロッカールームのふざけ合いができていない頃や、ここに来て言葉をろくに喋れない頃のことです。6対2のロンドであからさまに自分だけにボールが来ませんでしたね(苦笑)。ふてくされても仕方ないので、ボールが自分のところに来るようになるにはどうしたら良いかを考えました。まず人として認めてもらうためにロッカールームでの言動が重要だと思いましたし、サッカー選手として認めてもらうのはピッチの上でのプレーです。

――それは人に教えてもらったものですか? それとも自分で気付いたこと?

中原 自分で気付きました。ここに来てからサッカーに関する助言は一切ないです。闘わなければならないとは聞きましたが、それはサッカーに限った話ではありません。ひとつ思ったのは、スペインで大きく評価されるプレーは、テクニックを見せるよりも激しいプレーを恐れずに披露した時です。

 スライディングで激しくタックルした時、相手に体をぶつけて後退させた時に、「ビエン(いいぞ)!」と声が出ます。私もぶつかって勝てないのはわかっていますが、引くのではなく闘う姿勢、本気であることを示すことが重要だと思います。

――コンタクトの激しさ、プレーインテンシティの強度に慣れるまでには時間がかかりましたか?

中原 はい。日本の大学サッカーに激しさがないとは思いませんが、当たってくる場所が違います。日本だと足同士がガチャガチャ引っかかってファウルになりますが、スペインでは体ごとぶつかりにきます。足に来る時はスライディングで太ももに直接向かってきます。当たられると、転ぶというよりも体が浮くんです。相手がケガをしても構わないというプレーですね。それが怖いならサッカー辞めろ、くらいの勢いです。

 自分は体をぶつけるばかりでは生き残れないので、状況を見ながらですね。イニエスタを見ていると、自分からDFを避けるのではなく、敵が当たれないポジションを取っています。私が目指すべきは彼のようなポジショニングで、そこを追求できればもう少し上のレベルに行けると思います。

――他に技術的、戦術的に課題として取り組んでいることはありますか?

中原 技術的な部分では体幹トレーニングです。日本にいる時に先輩と話したことがきっかけなのですが、ダッシュする方向、シュートの方向、体をバラバラの方向に働かせてしまうと、それぞれの力が分散されてしまいます。それを直して自分が行きたい方向に思い通りに力を加えられれば、ダッシュやシュートに100%のパワーを注ぐことができます。

 体の原理的には十分可能なことで、実現させるためには外の筋肉ではなくインナーの部分が必要になります。五輪でたまたまハンマー投げの室伏(広治)選手を見ましたが、彼が37歳にして取り組んだのは体幹を鍛えることだと思います。どの競技においても必要なのは、自分の体の動かし方を知ること。今の私にそれは最も必要なことだと思いましたし、新しいシーズンに向けて7月末から継続的に取り組んでいます。成果は出始めていて、無理な体勢でシュートを打った時でも思い通りのコースに飛ぶことが増えました。

――具体的にどういうトレーニングなのですか?

中原 コアトレーニングです。股関節周り、腸腰筋、腹直筋、腹斜筋などを鍛えるトレーニングです。チーム練習の前に自宅で行なっています。特に股関節の付け根、上半身と下半身を繋ぐ筋肉、そしてお尻。これは加速やシュートにおいて重要な筋肉で、意識しているとプレー中に変化が出てきます。

――7月からということですから、かなり早くに成果が出たみたいですね。

中原 その方にトレーニングを見てもらった段階では、インナーの筋肉がまったくないと言われました(笑)。腹筋や腕立てはしていたので外観的な筋肉はありますが、見た目が映えるだけで中身が伴うものではありません。実際にトレーニングしてみると今までに経験したことのない場所が筋肉痛になりました。今のスポーツ科学では取り入れている人も多いそうで、サッカーに限らず派生していくものだと思います。

――スペインの選手はそういうことを意識しているのでしょうか?

中原 してないですね。どちらかと言えば見た目の筋肉を重視しています。それがサッカーのためなのかはわかりませんが(笑)。スポーツ科学は日本はだいぶ進んでいると思うので、できれば育成年代から取り入れると良いと思います。根性論で素走りするよりもよっぽど効果的でしょう。

――スペインでサッカーを始めてから1年と少し立ちますが、改めて日本を振り返るといかがですか? 育成年代の改善点はどのようなものがあると思いますか?

中原 日本とスペインで大きく違うのが部活です。日本は教育の中にサッカーがありますが、この競技は教育の枠に収まりません。教育の中で「ファウルしろ」という指導は恐らくできませんが、スペインでは当たり前です。道徳的な考えが働いてしまう日本では、なかなか厳しいと思います。

 もうひとつは公式戦です。多くの部員を抱えるのは構いませんが、真剣勝負の場を用意できないのは問題です。年間を通して公式戦を戦う環境を整えるのは非常に重要だと思います。

――中原選手の周りにも高校や大学で一区切りつけてサッカーを辞める選手はいましたか?

中原 多いですね。大学の部活に所属しても、8割ほどは真剣に取り組めない選手です。それは試合がないのと、大学の後にサッカーがないことが原因です。「サッカーで生活できなければサッカーじゃない」という感覚を持っている人は多いと思います。社会人になると、お金や家族の時間を割いてまでサッカーをするの?ということになりますし、それをあまり良くないとする風潮もあります。

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第115号(2012年11月01日配信号)より抜粋※

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