スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「日本の選手は、もったいないと感じる」森田泰史(オビエド06所属)インタビュー(2/2) 【 @ichiroozawa】 

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第118号(2012年11月15日配信号)より抜粋※


<先週号から続く>

――スペインの5部、6部は、地域に関わらずフィジカルが厳しい環境です。森田選手は身体が小さいですが、プレーする中で潰されてしまうようなことはありませんか?


森田 最初はありました。しかし、そこでフィジカルコンタクトを避けてはいけないと思います。それは周りの選手に「逃げている」という印象を与えてしまい、信頼を失うことにつながります。イーブンなボールであれば絶対に行かなければいけませんし、当たり負けたとしても球際を激しく行くメンタリティを示す必要があります。相手にも「身体は小さいけれど、飛び込んでくる」と印象を与えれば、次の競り合いはまた違ったものになります。


――サッカーの中にフィジカルコンタクトが内在されていることは、スペインに来て感じたことですか?


森田 日本にいた頃はそこまでガツガツいくことはありませんでした。日本では、言葉も通じますし、ピッチ内外のコミュニケーションは簡単なので、人間関係がある程度できるとお互いに気を遣うようになります。そうすると、イーブンな状況や競り合いを避けるようなパスを出してくれるようになります。


 僕も無意識のうちにそれが当たり前になっていました。スペインでは言葉がわかるようになっても、そういった気遣いはないですね。自分を変えないと、この舞台には立てません。周りからの信頼がなければ、どこにいても使ってもらえません。これは僕自身が感じ、変えていった部分です。


――森田選手のような体格の選手がスペインでそういった変化を起こしてある程度の結果を残したことは、日本サッカーにフィードバックできることだと思います。スペインには「フィジカルコンタクトを避けてボールを回す」という考えはありますか?


森田 ないと思います。例えばチャビ(バルセロナ)でもコンタクトは強いですし、怖れはありません。おそらく、彼らとて感覚的にはフィジカルコンタクトは嫌だと思います。僕も最初はためらいましたし、今でも得意だとは言えません。それでも、明らかに自分よりでかくて強い相手に、この身体で勝てる要素を見つけていく必要があります。フィジカルも含めてトータルで能力を高めていかないと、上のレベルでは通用しません。


――練習でも同じ姿勢ですか?


森田 ガツガツいった方がいいですね。日本人は特に。僕は、今ではチーム内で『削り屋』のようになっています(笑)。周りは「ヤスのマークは嫌だ」と言います。スペイン人は試合になるとプレー強度を上げるので、練習のうちから自分で激しく行くくらいがちょうどいいと思います。


――最近は日本でも言われていますが、『プレーインテンシティ』、プレーの強度を上げる必要がありそうですね?


森田 まだまだ足りないと思います。日本から来るチームのスペイン遠征をアテンドするたびに、それをまず感じます。強度やリズムの足りなさは、漠然とですがすぐに感じます。


――うまさを発揮するためのベースとして高いプレー強度が必要ということですね?


森田 もったいないですよね。日本の選手はうまいから余計に。もどかしいです。


――森田選手がプレーしている環境は、日本人どころか外国人すら少ないと思いますが、日本人選手に対する視線はどのように感じていますか?


森田 カタルーニャにいた頃よりは感じません。この土地はすごく独特で、カタルーニャ人以外はスペイン人でも「外国人」という認識があると思います。ヒホンは田舎だからか、あまり気にしていないです。最初は人見知りして話しかけてきませんが、徐々に慣れてくれば「アミーゴ」として接してくれます。今では、「外国人」と見られているような気はしないです。


――シーズンを終えチームが変わった時、適応するために森田選手が工夫していることは具体的に何ですか?


森田 僕の場合はまずピッチで示すことです。「俺はこういうプレーをするんだ」というのを言葉やジェスチャーで示し、それからロッカールームの交流を通じて伝えていきます。気の合いそうな人を早めに見つけて、溶け込んでいく姿勢を見せますね。


――選手としてのスタイルやサッカー観を示していくと?


森田 あくまで僕の意見ですが、そうです。


――そういう段階の時、ミスをして簡単に「ペルドン(ごめん)」と謝罪しますか?


森田 絶対に言わないです。周りにも、特に加入して間もない選手には言いません。スペインに来た当初は「ペルドン」を連発していたと思います。実際、それが最初に覚えた言葉でした(笑)。明らかにパスが悪いのに、追いつけない自分が悪いとなって「ペルドン」が出てしまうこともありました。


――チームメイトに対して強い態度で要求することもありますか?


森田 あまりにも理不尽なことを言われたら言い返します。ただ、3年目くらいから感じ始めたのは、あまり強く言い過ぎても良くないということです。日本人はラテン民族の主張し合うところをイメージしていると思いますが、あまりこちらから強く言うと悪影響が出ることもあります。


 日本人ほどではありませんが、ピッチ外にまで根に持つ選手も中にはいます。試合中に露骨にパスが出ないこともありました。「なんで俺の言うこと聞かないんだ」というエゴが嫉妬に変わり、それがピッチ内で顕著に出てしまいます。


――森田選手から見て、カテゴリーやレベルに関係なくスペインで日本人が認めてもらうために必要なことは何だと思いますか?


森田 譲らないことですね。結果を出せない時期も来るし、監督に外されてチーム内の立場が怪しくなる時もあります。そういった良くない時期に周りに合わせてしまうと、状況に変化がないままズルズルと時間が過ぎてしまうと思います。


――それは、自分のスタイルを確立するということにもつながりそうですね?


森田 そこが大きいと思います。人種に関係なく、スタイルが確立していないままにしていると、スペインに限らず海外で評価されること自体が難しいのではないでしょうか。


――先ほどありましたが、それは試合を多く見るということが関係しているのですか?


森田 そうだと思います。スペイン人はとにかく多くの試合を見ます。地上波でもチャンピオンズリーグの試合が放送されていますし、それはサッカー観に対する配慮も含まれていると思います。



小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第118号(2012年11月15日配信号)より抜粋※

Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackbacks URL
http://valenciasoccerlife.blog6.fc2.com/tb.php/1491-51939b76

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。