スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【 @ichiroozawa】「サッカーには格闘技性がある」 李済華(國學院大學久我山高)×小澤一郎講演録(1) 

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より抜粋※


撮影:(株)アレナトーレ



 今から約1ヶ月前の11月24日、ジェファFC主催の『ジェファフットボールクラブ講演会』にお招き頂き、同クラブ代表で國學院大學久我山高校サッカー部監督の李済華(リ・ジェファ)氏との対談を行なった。実質的には私がインタビュアーを務める形での「公開インタビュー」のような講演会だったが、大勢の参加者を前に「NEXT香川の見つけ方、育て方」というテーマで、李監督に深い話しをしてもらった。


 願わくば、國學院久我山高校に選手権出場を決めてもらった上でこの講演会を開催したかったのだが、周知の通り久我山は東京都予選準決勝で修徳高校に敗れ、全国大会出場を逃している。冒頭は、選手権の話題から入った上に、スタートのタイミングで録音機のスイッチを押すのを忘れてしまったため、中途半端な入りになっているのでご容赦願いたい。


 今回はジェファFCの計らいもあり、その講演会の模様を『講演録』として数回に分けて当メルマガにてお届けすることができることになった。これまでに何度となくジェファ節を聞いてもらってはいるが、これだけじっくりと李監督の考え、言葉を聞く機会はそうあるまい。ジェファFCの関係者並びに、講演会の参加者の方々に感謝の意を伝えた上で、皆さんには改めてジェファ・ワールドを堪能してもらいたい。



(選手権敗退の話から講演会がスタート)


李 (選手権予選で)負けてるから、(このタイミングで)今日の会をやることが良かったのかどうなのか、という部分があって(苦笑)。勝っていると堂々と話せるんですけども、負けると言い訳になってしまっても困るし、どうなのかなと。


小澤 僕は取材に行ってたので率直に言わせてもらうと、久我山びいきの話にはなるかもしれないのですが、ほとんど久我山がポゼッションして攻め込んで、決定機、シュート本数も多かったですよね。ですが向こう(=修徳)のトップに速い選手がいて、カウンターから先制点を許しました。その後、同点に追い付いて良い流れになりましたが、あたふたして勝ち越された。なぜあそこであたふたしちゃったんですか?


李 「攻撃にキレがなかったな」というのは少し感じていました。しかし、「このくらいの相手だったら必ず勝てる」という自信もありました。子供たちもそう思ったのか、自信と過信の紙一重の部分でやってたのかなと。それと、私たちはポゼッションを大切にしてるんだけども、やはりサッカーは1点上回れば勝ちというゲームなので、(前半に)決定機を外したのが大きかった。


 あそこで決めていればさらに加点して、ウチのゲームとして終わったんじゃないかなと。焦りがどんどん出始めたのも感じました。ただゴール前でのキレが、一番キレがあった時に比べたら、少し足りなかったかなとは思ってます。


小澤 悔しい負け方をしましたが、例えば選手権の時や勝負がかかった時は、ある程度ロングボールを使いながら時にはポゼッションを放棄しようという気はないですか?


李 ないですね。何度も言いますけども、なぜ私たちがこういうサッカーをやるのか。私は勝つためにやってるわけです。こういうゲームをやればやるほど、勝つ確率が高くなるという仮説で考えています。


 しかし、サッカーは生き物なので、局面に応じてDFからつなぐのが大切なのか、クリアするのが大切なのか、その時に最も大切なことをやること。その時の状況、時間帯だとか置かれてる状況に応じること。DFがボールをもらった時に、後ろの方で自分がボールをコントロールしている時に何が大切なのかというと、冷静になることなんです。
 
 自分がどの位置にいてどのくらいのプレッシャーを受けて、どのスペースでいるのかということを理解しているかどうか。足が入ってくる時にボールを持つのか、自分がボールをクリアした方が良い局面なのか。
 
 子供達には冗談で言うんですけど、「私だったら絶対にクリアしないよ」と。私だったら全てのボールをコントロールしてパスをつなぐ。しかし、君にはそれだけのテクニックがないよなと。「だからお前は今クリアして良かったんだよ」と。
 
 自分が置かれている状況、プレースタイル、テクニックのレベル。そういうのに応じてプレー選択をするべきだと。後は1-0、0-1、1-1の時は全て違うぞと。それを瞬時に理解できるレベルでやりなさいと、ということですね。


小澤 (会場にいる)選手の皆さん、どうですか? ちょっとポカーンとしてますが、頭に入ってますか?(笑) ところで監督、AFC U-19選手権のハイライトか試合は見ましたか?


李 見てないです。


小澤 全然見てないですか。U-19日本代表がこれで3大会連続でU-20ワールドカップ出場権を逃しました。来年、トルコで行われるU-20W杯だったのですが、その出場権を逃してしまい、今日本の育成の現場ではかなり危機じゃないかと(叫ばれています)。


 今、A代表は順風満帆で、余裕でW杯に出られるような状況ですが、これが数年後にはちょっとヤバい状況になるんじゃないかと言われています。この年代、U-19日本代表のどういう所に問題点があると思いますか?


李 私は、日本サッカーは昔と比べると、すごく上手になったと思っている側なんですけども、日本がアジアチャンピオンでW杯に出場した経験はないんじゃないですか? 日本がリーグでトップになって出場というのはまだなかったんじゃないのかな?


 昔はW杯ってアジアで1つしか行けなかったですよね。韓国に負けて行けなかったとかあるわけで。今は3とプラス1とかが行けるわけだから、そういう意味では日本はすごくうまくなったけども、まだアジアで絶対的なチームではない、というのが一つ。
 
 もう一つは高校年代のゲームは見てないんですけど、小学校の年代で言えばサッカーが激しくない。笛が多い。小学校のゲームを見る限りにおいては、小学校のゲームはいつも言うんですけど笛が多すぎる。
 
 笛が多い理由は「ケガするから、危ないから」。しかし、小学校の試合は危なくないんですよ。小学生は体重も軽いし、スピードもない。『体重×スピード』が衝撃度でしょ? だから、ケガしないんですよ。ボディコンタクトのことに関して言えば「フィジカルが弱い」というのを、バーベルを持ち上げてフィジカルを強くするというのが間違い。
 
 だから先ほどのお話ですけども、19歳の試合とか見てると、ボディコンタクトが非常に下手。身体で覚えて、自然なボディコンタクトにならないといけないのに、後で取って付けたような形のボディコンタクトを覚えてる。だから、ナチュラルじゃない。
 
 右足アウトでぶつかった方が良いのか、インサイドでぶつかった方が良いのか、ちょっと遅れてぶつかった方が良いのか早い方が良いのか。前から行った方が良いのか、低い位置から行った方が良いのか。全部その局面によって違うのに、大体コーチに言われた通りにやってるから、ナチュラルじゃない。ゲームに応じたボディコンタクトを覚えてない、大きな意味で言えば小学校年代からそういうサッカーを覚えてないということだと思います。


小澤 そこは監督のサッカー観に通ずる所があると思っていて、どうしても「李監督=バルサのような華麗なサッカー」とか「クライフ信奉者」という話がありますけども、決して芸術性だけではなくて、「サッカーには格闘技性がある」ということですよね?


李 そうですね。サッカーはラグビーやプロレスほどではないですが、間違いなく格闘技性がある。中高校生を見て「この子、最後は良くなるね」って思うことの大きなポイントで、私が見ているのは、ボディコンタクトができるかできないか。
 
 後から取って付けて、高校になるとボディコンタクトって試合でできないので「頑張れ!」とか「ぶつかれ!」とか言うわけですよ。それで言われてやる子はうまくならない。もっと言えば、上には行けない。「うまいね、あっそ」って感じ。うまいけどゲームで使えない、という感じを私は持ってます。
 
 小・中学校で「うまいね」と言われてる子が上で使えない子は、ほとんどがそれ。小学校、中学校でリフティングを何回やる子だとか、ドリブルをスムーズにできる子いるでしょ? その子が上で使えない子は何が原因かというと、ボディコンタクトをナチュラルにできないことだと思います。


 
小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第123号(2012年12月28日配信号)より抜粋※

Comments

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackbacks URL
http://valenciasoccerlife.blog6.fc2.com/tb.php/1500-b08d3991

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。