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【全文掲載】「特別扱い」を当たり前に/書評「育ての流儀」乾眞寛 text by 中村僚 

小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第129号(2013年02月14日配信号)より全文掲載※




 いかにして「特別扱い」し、「特別扱い」があることが当たり前な環境を作るか。乾監督の指導はこのようなものなのではないか。


 ロンドン五輪で目覚ましい活躍をし、今冬にベルギーへ渡った永井謙佑。乾監督は福岡大学で彼を指導した際、現在のサッカーのトレンドから考えればあり得ないような指示を与えていた。それはプレーエリアを狭め、ゴールのみに集中すること。フォワードでも献身的な守備を求められるようになった昨今では、ほぼ考えられない指示だ。

 

 しかし、それでも乾監督は永井にそのような指示を与えた。これは永井の特徴や、現在の日本サッカーに足りない「ゴールを奪う」というエッセンスを考慮した上での決断だったようだ。


 そもそも、選手の個性はみな違う。足の遅い選手もいれば、ボール扱いに難がある選手もいる。テクニックがあっても戦術理解が及ばないこともある。一口に「足が遅い」と言っても、足の回転の問題なのか蹴り足の力の問題なのか、選手によって問題はさまざまだ。

 

 長所においても同じことが言える。個々の特徴が違う場所にある以上、チーム全体で同じ練習をしていてもすべての欠点が補えるはずもない。乾監督が永井に与えた「特別扱い」は、突き詰めれば自然なことで、それからの指導現場でスタンダードになっていくべきものなのではないだろうか。


 そしてもうひとつが、選手の自立を促す指導だ。選手の判断を促す声かけを、という指導論は、今ではよく耳にする。ではその具体的な方法は?


 例えば、インタビュー時の質問で「Yes,No」で答えられるような質問はしない、というやり方がある。答えが2択しかない場合、「はい」と答えただけで問答が終わってしまうからだ。


 これは指導にも当てはまる。本書でも言及されているが、指導者が頭ごなしに「こうしろ。わかったな?」と言えば、選手はその場を取り繕うために「はい」と答え、そこで終わってしまう。ミスや問題の原因を見出そうとしないため、根本的な解決にならないのだ。


 私も中学生の指導に携わる身として、またジャーナリストを目指す身として、会話の際には慎重に言葉を選んでいる。もともと会話の組み立てがうまくないこともあるが、選手、あるいは取材者の考えを引き出そうと、「いかがですか?」「どう思う?」という質問をするように心がける。指導においては選手の考えを引き出すことが「特別扱い」へつながり、取材であればその人の考えや思いを拾って会話を広げるヒントになる。


 人の上に立った時に必要なものは、「特別扱い」と「人の話を聞く」ことではないだろうか。(編集部・中村僚)



小澤一郎の「メルマガでしか書けないサッカーの話」第129号(2013年02月14日配信号)より全文掲載※

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