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ATマドリッでの“暴力”事件 

既にご存知の方も多いと思うが、19日にATマドリッの練習場にて残念な事件が起こった。残念というよりもこれはまさに、“暴力行為”以外の何物でもない。サッカーやスポーツに対する冒涜である。

あろうことか、ATマドリッのウルトラスメンバー約20人がトップチームの練習中に練習施設の一部を破壊し、侵入し、選手やスタッフに脅しをかけたのである。

これが20日、マルカ紙の一面トップ
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この日、11時から始まった練習にウルトラスのメンバーが練習場に姿を現したのが練習終了前の12時20分。

到着後すぐに、ゴール裏から選手に対して「お前らは、ATの選手に値しない」などのコールをかけながら、罵声を浴びせる。また、フェランド監督に対する罵声も同様に叫ぶ。

練習も終わりに近付き、そういった罵声のみで事態が終焉するかと思いきや、選手がストレッチに入った段階で、そのメンバーが練習場を囲っていた策を破壊し、そのまま侵入。

これがその時の様子である。
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そして、侵入する際に複数名が覆面等で顔を隠し、そのままピッチに入り込む。

この周到な準備からして、計画性のある行為だったことが伺える。

このウルトラスはATマドリッのみならず、スペインでも知られた存在。それもそのはず、約2,000人を抱えるスペイン1のウルトラスである。当然、そのリーダー格などの名前は広くマスコミに知れ渡っており、マルカはしっかり名前を挙げていた。

PORTUがこのウルトラスの代表である。そして、FRANも実力者の1人として紹介されている。
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このスーツ姿の男、FRANをよくみてもらいたい。まずは、この侵入に際して覆面をかぶるのだが、ウルトラスのメンバーににつかわしくないスーツ姿。一部報道では、なんと、弁護士の職業についているというではないか。そして、このマルカでも紹介されていたが、警察等の治安当局に顔が割れないよう、まれにみる一般人の生活を普段は送り、陰でこの集団をまとめあげているのだという。

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そして、あろうことか、この男の左手には侵入の際、覆面同様に手袋がはめられていた。なぜなら、ズボンの左ポケットには凶器が入っていたから…と言われている。(具体名はこの際挙げないことにする)

マルカ紙では、現にこのウルトラス集団に属する1名から集団の実態を聞き出している。
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この侵入行為、暴力行為、選手やチームスタッフに危害は及ばず、威嚇、挑発行為のみで終わったことが唯一の救いか。

選手、スタッフの対応は誠に冷静で知的なものだった。現に、このページ、写真を見てもらいたい。
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威嚇しながら近寄ってくる集団に対し、まずキャプテンのフェルナンド・トーレスが近付き、落ち着くよう説得している。

しかしながら、逆にこの集団が逆上してしまい、「トーレス、お前はビデオクリップ(CM)に出演することにしか値しない野郎だ」などと罵声を浴びせられる。

同様にGKのレオ・フランコも近付き、冷静になるよう呼びかけているが逆上し始めた集団の一部が益々過激な発言を繰り返すようになり、挙句の果てには、GKコーチに対し生命の危険にさらすような発言を行う。

さすがに、集団のメンバーも選手に危害が加わればまずいと思ったのか、数人のメンバーが罵声を浴びせ感情的になっているメンバーを止めに入る。

そして、選手やスタッフはそのまま練習場を引き上げ、練習はその場で中断することとなった。

この過激派、ファンなどととても呼べない、いやテロリストとも呼べそうなメンバーによって練習が中止になったのである。

スペイン全土でこのニュースはショッキングなニュースとして報道された。当然ながら、ショッキング以上に悲しいニュースである。まさに暴力行為であり、選手に直接の危害はなかったものの、現に生命の危険を犯すような罵声を浴びせるなど脅しもあった極めて危険な一種のテロ行為である。

クラブ側はこのシーンが起きた直後、TVや取材陣に対して、「撮影をストップ」するよう要請している。それも当然、こういった映像が流れてしまえば、失うものしかないのである。また、直ちに警察がかけつけ、選手、スタッフは警察の護衛の下、練習場を後にしている。

ただ、TVやこの新聞のように一部始終が報道、放映されてしまったのも事実である。まさに百害あって一利なし。

ウルトラスのメンバーはある意味、デモンストレーションの一部としてこういった行為を犯したのであろう。だからこそ、覆面等を事前に用意し、侵入行為を犯している。

ATマドリッのファンは熱いことで有名である。熱狂的なファンを持つチームである。しかしながら、こういったメンバーがファンと呼ばれるはずもなければ、その価値など無い。こういった人間、出来事とサッカー、スポーツは全く別次元のものであり、混同されることは許されないことである。

確かに、今季のATマドリッはファンの期待を裏切るシーズンを送っている。開幕当初は調子が良かったものの、徐々に順位を下げ、今の段階では、UEFA圏内も確保できない順位。また、先日は、オサスナ相手にコパ・デル・レイ準決勝で敗退し、最後の望みであったタイトル、UEFA圏内入りの切符も逃した。

大補強を敢行し、フェランド監督の下、期待が大きかっただけに失望も大きいのは確か。

しかしながら、そういった失望感とこういった暴力行為が関連するはずもない。全く関係のない、野蛮な行為である。個人的にも非常に憤りを感じる。

この事件に対し、多くの選手、監督、関係者がコメントを出しているが、バルサGKのビクトール・バルデスがその日午後の練習後に、

「何らプラスにならないことで、選手にとってはマイナスだ。我々選手が誰よりも試合に勝ちたいと思っているし、物事を良くしたいと思っている」

と発言していた。

また、デポルのイルレタ監督は、

「サッカーは単にスポーツであり、勝つか負けるかのどちらかであるということを理解する必要がある。“フェアプレー”は選手、監督だけではなくファンにとっても必要なことである」

と発言。

ほぼ全ての選手、監督、関係者がこの事件に遺憾の意を表明し、再発防止を願った。

バルデスの発言にあるように、チームが負けて、チームの調子が悪くて辛いのは何もファンだけではない。いや、ファン以上に当の選手、監督、スタッフが辛いのである。試合に負けて悔しいのはファンだけではない。それ以上に選手が悔しいのである。

そういったことを理解出来ず、自身のストレスの発散にこういった暴力行為を犯してしまうような人間はサッカー界、スポーツ界から追放されるべきだ。そういった人間はファンなどでもなく、サッカーを愛する人間でもない。単に自身のストレスのはけ口としてサッカーやスポーツを悪用している犯罪者である。

残念ながら、こういった事件、暴力行為はサッカー界から無くなっていない。

スペインではまだそういった事件が少ない方かもしれない。だからこそ、練習は常に公開され、スタジアムには老若男女全ての年代・性別の人間が見受けられる。

ただ、こういった事件が起こってしまえば、その対抗手段として練習が非公開になったり、スタジアムに策、防弾ガラス等が設置されファンと選手の距離が遠のいてしまうのが事実である。現に、本日、20日のATマドリッの練習は完全非公開で行われ、厳重な警備の下で行われ、選手も警察車に先導され帰宅していた。

ATマドリッのフェランド監督は、昨日この事件後の会見でこんなことを述べた。

「ファンが怒っていることは理解出来る。我々は民主主義の国にいるし、自分の意見を表現する自由はある」

彼の苦しい立場が出た発言であった。数日前、セレッソ会長が「フェランド監督の契約更新は間違いだった。(来季続投はないだろう)」という発言をした矢先の事件である。チームの調子も悪く、自身の立場も危うい中でこの事件が起きた。よって、彼本来の鋭い発言は全くきかれなかった。

私はこのフェランド監督を非常に評価している。実際の仕事振りを目にしたことはないが、会見でのコメントから知性が溢れているし、結果は出ていないがシーズン中には十分評価出来るサッカーを披露していた。

バレンシア出身の人間であり、長くバレンシアBを率いて実績・経験を積んでいる監督だけに、将来的にはバレンシアを率いてもらいたいとも思っている。地元バレンシアファンからの声も多く聞かれる。

しかしながら、チーム状況、結果とこういった事件は別問題。フェランド監督がいくら苦しい立場にいようが、こういった事件に対しては断固として戦う姿勢を見せるべきだし、そういった人間とファンを混同してもらいたくない。

もしかすると、未だに「ミラノダービーの発炎筒は美しい」などと馬鹿げたことを思っているファンもいるかもしれない。スタジアムに発炎筒など不要であり、禁止である。事実、CL準決勝のような出来事を引き起こす危険物である。容易に発炎筒がスタジアムで焚かれる時点でその国のサッカー、ファンを疑いたくなる。私がイタリアサッカーを嫌いな理由はそこにもある。ファンがあまりに過激、ファンというよりもサッカーを欲求のはけ口として、はき違っている人間が多すぎる。

実際にイタリアでサッカーを観た経験があるが、列車で移動中ローマファンが大挙して列車を占領し、身の危険を感じたこともあった。列車に切符も買わず乗り込み、なりふり構わず車内でマリファナを吸い、酒を飲むような人間をファンなどと呼べるはずもない。また、そういった連中を黙認している環境も許せない。そういった暴徒が降りてからすぐに切符の確認に来る車掌にはある意味笑いが出た。恐らく、その時ナカタがラツィオにいたら、私の身の危険はより高まっていたであろう。

間違ってもそういった発炎筒のあるスタジアムやこういった事件を観て、「熱いファンがいるな」などと思ってもらいたくない。ましてやファンではない。

レバンテ対バルサ戦のスタジアムでも一部バルサファンが発炎筒をたいた。それに対し、すかさず大ブーイングをかましたレバンテファンに私は拍手を送った。いくら優勝しようが、いくら盛り上がろうが発炎筒などスタジアムには不要。危険なだけである。

今回この事件を引き起こしたようなウルトラスと呼ばれる集団はスペインのチームに存在しているようだ。Rマドリッ、バルサ、バレンシア、デポル、ベティス、1部のチームの大半がそういった集団を抱えているらしい。

確かに、スタジアムで熱心な声援をかけているのも確かである。それに呼応するように周りのファンもその掛け声に便乗することもある。

ただ、暴力は要らない。別にそういった掛け声を誘導するような集団も要らない。良いプレーがあれば自然発生的に盛り上がり、良い内容であれば自然発生的に歓声、掛け声が上がる。それで十分ではないか。

日本でももしかすると、サポーターとは大きな掛け声をゴール裏から出すことだ、と勘違いしている人間がいるかもしれない。私はそんな応援の仕方がむしろ嫌いだ。何より、試合を集中して観れない。それ程器用な人間でもない。

それよりはじっと試合を見つめ、良いプレーには拍手し、応援しているチームにチャンスが来れば勝手に1人で盛り上がっている。それは全てピッチで起こっている事象に自然に反応しているだけだ。個人的にはそれで良いと思っているし、満足している。

人それぞれ応援の方法は違ってもいいし、統一してもよい。要するにそんなことはどうでもいいのだ。

重要なのは“応援”すること、贔屓にしている選手やチームを“応援”すること。時には不甲斐ない選手、チームに罵声を浴びせること、ブーイングすることもあるかもしれない。それはそれでよい。

ただ、それが暴力行為に発展するのはどう考えてもおかしい。不甲斐ない試合をして一番悔しいのは選手、それは間違いのないことである。

ファンはチームが勝てば嬉しい、負ければ悲しい、それ以上でもそれ以下でもない。別に勝とうが負けようが自分の生活に直接的な影響はない。選手やチームは負けて結果が出なければ生活に支障が出る。プロとしてお金、人間として仕事を失うことになる。


今回のこの事件でサッカー界にまた大きな傷がついた。スペインサッカーに大きなダメージだ。

暴力行為を犯したこの連中にさえメリットはない。(あると考えてやったのかもしれないが、知性に欠けると言わざるを得ない)

願わくば、こういった愚行を許さない断固な姿勢、もう一度ファンとしての心構えをこれを反面教師に見つめなおすことが出来れば唯一の救いとなるのかもしれない。

もうこういった馬鹿げた行為が起きないこと、ただそれを願いたい。


追伸;
ちょうど、同日の19日、バレンシアの練習場にバレンシアウルトラスの1つであるYOMUSメンバーが現れ、このような垂れ幕を練習場にかけた。

「GANAR POR NOSOTROS」(我々のために勝利を)
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特に暴力行為もなければ、罵声もなく平和に終わった。

しかしながら、どう考えてもメディアを意識したこの垂れ幕に不快感を持った。こういった政治的なメディア利用はよしてもらいたい。

練習後、複数の選手に近付き、激励の言葉をかけたようだが、最後の最後でマスコミに向かい何やら暴言を吐いて帰っていった。

彼らもいちファンとして練習場に来て、練習を観る権利は当然あるが、それであれば団体で来る必要もない。ましてや、ほぼ全員がスキンヘッドに全身タトゥーという姿、その外見だけで何やら不穏なものを感じてしまう。

こういった集団、純粋にスタジアムで応援するだけであれば何らもんだいないが、こういった問題を起こすようなことになるのであれば、全く不要な集団と呼べそうである。

少なくとも、クラブはこういった集団を贔屓したり、ましてや関係を持つことがないよう断固とした態度をとってもらいたい。

サッカー界、スポーツ界から暴力は追放されるべきであり、そのために全員が努力をする必要がある。そんなことを強く思わされる事件であった。


Comments

私も

今年イタリアでミラン対ユナイテッドの試合を見る為に、地下鉄に乗ろうとしたら、何故か途中でサンシーロ行きの地下鉄がストップしてしまい、(ウルトラスのせい?!)仕方なくトラムで移動した時に、最悪にもユナイテッドサポーターと一緒になり、酒臭い&マリファナ臭い&おまけに中田!中村!と騒がれ最悪な気分で電車での移動をしました。。おまけに1時間前にはスタジアム入り口前にいて入場を待っていたのになかなか入れなくてなんで?と思っていたら、なんと!無謀に偽チケットで入ろうとする人や、チケットないのに入ろうとする馬鹿が入り口にいて、そいつらのせいで入り口が閉鎖されたり、チェックも厳しくなったり…とやっと入れたのはなんと選手入場の直前!でした。せっかく一番前の席だったのに~アップも何も見れなかったです。スペインではこんなこと一度もなかった…でも今回の一件でクラブ側のウルトラスへの態度が変わるといいですよね。

  • [2005/05/22 04:53]
  • URL |
  • アンチウルトラス!
  • [ Edit ]
  • TOP ▲

最悪ですね

世界中の真のサッカーファンで彼らを理解出来る人間など一人もいないと思いますね。自分たちのストレスのはけ口をこのような形で利用しているだけの、サッカーとは何の関係のない生き物である。全員がそれを理解しなくてはいけないと思います。監督は「ファンが怒っていることは理解出来る。」などの発言をしてはいけないと思います。なぜならファンではないのだから・・・悲しいです。こんな風に弱い立場にある必要はないんです。小澤さんの言うとおり、サッカー界、スポーツ界から暴力は追放されるべきであり、全員が努力する必要があると思います。今シーズンは特にそんなことを多く考えさせられる事が多かったですね。

F・トーレス以下、チームの対応は立派だったと思います。まだ二十歳そこそこの若者ですよ。エネルギーを使うべきはここではない、答えを出すのはピッチの上なんだと、知っているんですね。

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