スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

アントニオ・ロペスのサッカー哲学 

数日前、彼に聞いてきました。そして、就任後、披露しているサッカーや、マスコミで発言している言葉を元にそれを実感出来ました。

彼のサッカー哲学について


まず、彼の哲学とは、

“相手に攻撃させない為に、攻撃すること”

とワンフレーズで答えてくれました。要するに、“攻撃は最大の防御なり”という日本訳になるのかもしれませんが、個人的にはそういう日本語の枠にはめるのとはまた違っていると思っています。

単純に攻撃比較としての、“攻撃”であって、“相手を攻めさせない”、“守備”の為の“攻撃”ではないと思っています。

言葉のフィーリングの問題なので、難しいですが、本人から直接この言葉を聞いた時にそう実感しました。

よって、彼にとって大切な要素は、

・チームとしてのコンパクトさ
・ボールポゼッション
・(少ないタッチでの)短いパス

この中でも特に、ボールポゼッション、つまりボール、試合を支配することがキーポイントになっているように思えます。

ここ数試合で明らかなように、試合を支配し、ボール支配率はいつも上回っている。それが、彼のサッカーでは大切な要素となっています。

ただ、

「ボールがあっても、無くても、試合の主役になれるチーム」

が理想と述べていることもあり、ボールが無い状態でのサッカー哲学も持っている監督と言えそうです。

クライフ時代のバルサや、今季のバルサにも見られるように圧倒的なボール支配、試合自体を能動的に展開し、チャンスを構築する、プランを練るという超攻撃的サッカー。

確かに、これは理想ですし、こんなサッカーが出来れば見ているファンにとってもたまらないもの。よって、少なくともクライフ時代のチームが“ドリーム・チーム”と呼ばれる所以で、恐らく、このまま優勝すれば、今季のバルサもそういう呼ばれ方もするでしょう。

ただ、サッカーでは、常にボールをキープしている、100%のボール支配率など有り得ません。野球やアメフトのように攻守がきっちり分かれているスポーツではなく、1つのグランド、1つの状況に全ての要素が込められています。一瞬で攻守は入れ替わるし、ミスが出ればすぐにボールは相手のものとなる。

常にボール、試合を支配する、100%のボール支配率など不可能

なのがサッカーです。よって、必然的に攻守のバランスを求めることが監督としての当然な論理。練習で常にそのバランスを求め、ボールを持っている状況、持たない状況設定をし、或いはそれが入れ替わる状況設定もしながらチームを組み立てていくことが必要になってきます。

そういった面から考えて、アントニオ・ロペス監督が発する言葉にはそのバランス感覚が十分感じられます。勿論、バレンシアくらいの選手の質であれば、完璧なサッカー、相手をトータルで封じ込め圧倒するサッカーを標榜出来ることは確か。

ただ、そういった理想の側面は失わず、現実に目を向けることが監督としての必要な視点と言えそうです。

つまり、今、現段階で彼が目指すサッカーとは、

“ボール、試合を支配することが前提で相手より数多くのチャンスは作る。ただ、数少ない相手のチャンスを消す為にチームをコンパクトに保つ”

というもの。なるべく短いパスをつなぐことによって、例えミスが出ても相手へのプレスが即可能になります。

ラニエリ時代、コラーディめがけて50mのパスを出していました。すると、孤立しているコラーディの付近まで誰も選手が近づけず、相手ボールになる。そうすると、誰もプレスをかけることが出来ず、例えかけれたとしても1人の孤立無援状態。これは、完全に攻守の分かれてしまうサッカー。野球やアメフトの攻守交替同様のタイムラグを発生させます。

一方、チーム全体でテクニカルなショートパスをつないでいれば、必然的にチームはコンパクトになります。ただ、ショートパスをつなげば、相手の守備もコンパクトになってしまう。だからこそ、それを上回る技術、ダイレクトのパスを多用し、その局面を切り抜ける。そういう素質のある選手がいるからこそ展開出来るサッカー。例えそこでボールを失ったとしても失った時点にいる選手が複数いる為、即攻守の切り替えが可能。

そういった面が就任後チームに伝わり、現段階までは良いサッカーを披露してくれています。

ただ、だからといって勝てるのがサッカーではない。だから、難しいのがサッカーです。

まだ問題や修正点、改善出来る・すべき部分はいくつかあります。そういった点は勿論、監督はわかっているはず。

就任後直ぐにこういった質のサッカーに移行さすことが出来たこと自体が評価に値するかもしれません。

また、この監督が持っている指導者としての能力に、選手の心理的ケアがあります。アイマールが代表例とされるように、選手がやりやすい環境、プレーしやすい環境を作れる。これも監督として大切な仕事の1つ。グランド以外でのこういった側面が選手のプレーに直接影響するのは今のバレンシアを見ての通り。技術・戦術・身体的にはほぼ完成された選手達、チームでも心理的な側面には以外と落とし穴が多い。

恐らく、この部分の能力は、彼がセカンドコーチを務めていた時に学び、経験したものだと思います。ベニテス時代のセカンドコーチは勿論、アスカルゴルタに付きボリビア代表のセカンドコーチをしていた時も含め。

そして、監督としての立場を理解しながら、こんな発言もしています。

「もし監督が評価されるならそれは選手のお陰。サッカーで一番大切なのは選手。もし監督が問題を抱えているとしたら、それは選手を信頼していない証拠。主役は選手。監督はその後に選手が獲ってきた成功のおこぼれをもらうようなもの」

グランド上でのバランス感覚だけでなく、監督として、チームの中での役割のバランス感覚にも長けた監督と言えそうですね。


Comments

サッカー哲学

いつもいいお話ありがとうございます!
ロペス監督、いいですねぇ。そういうサッカー大好きです。でもバルサファンではなく元カテナチオ気味なバレンシアファンですが。やはりひたすら守る守るのサッカーより、選手が楽しそうにピッチを駆け、舞い、見事なコンビネーションを見せてくれることが、一番嬉しいです。
ところで、来季監督候補の一人にヘタフェのサンチェス監督が挙がっていますが、彼もアリではないかと思いますがどうでしょう。
日本で見られる放送試合からの判断ですが、サッカー哲学はロペス監督と近いのでは、と感じています。
GDにロペスさん、監督にサンチェスさんだと、チーム作りからしてかなりよさそうな感じがします。心理面のケアとアイマールに自由を与えてくれさえすれば、ヘタフェのサッカーに感動を覚えた僕としては大歓迎です。

  • [2005/03/20 23:59]
  • URL |
  • ギャバン
  • [ Edit ]
  • TOP ▲

Comment Post















管理者にだけ表示を許可する

Trackbacks

Trackbacks URL
http://valenciasoccerlife.blog6.fc2.com/tb.php/24-12620952

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。