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ベンチワーク 

サッカーの試合において監督が出来る仕事は限られているけれど、監督の能力に大きく関わるものが、

ベンチワーク

というもの。

試合の状況を読みながら、選手交代やピッチにいる選手への指示等、具体的な行動に出る。

さて、先日、うちの監督がこんなベンチワークをやってのけた。

その前に、その試合での私の役割は、

“相手ベンチの偵察=スパイ”

であった。

試合前、監督から、

「今日は、相手ベンチの動きを観といてくれるか?

うちのベンチに入らんでもいいから」


と言われた。

つまり、相手ベンチ近くにこっそりと身を置き、相手ベンチの動きを逐一報告する諜報活動を依頼された。

こんなこと、勿論、初体験だった。

ただ、この試合は重要な一戦。

この相手にはかなり借りがある。選手権予選で負けた相手だから。

そして、試合開始前、ビデオを片手に(ビデオ撮影しているふりをして)、ベンチ近くにポジションをとった。


では、なぜに、うちの監督が私にそのような指令を出したのか。これには当然ながら理由があった。

実は、この対戦相手の監督は、早い段階で選手交代のカードを思い切って切り、試合の状況を変えることの出来る能力の持ち主なのだ。選手権もここ数年は出場していないが、過去3年連続で出場するなど実績ある強豪校である。

実際、負けた選手権予選もそうだし、過去このチームに負けた試合を思い出すと、後半の早い段階で思いきって2枚のFWを入れ替えられ、それが見事に的中して負けてきた。

そんな伏線もあり、この試合でうちの監督が心に誓ったことは、、、

相手の選手交代に合わせてうちのチームも選手交代する


ことだった。

つまり、選手交代をかぶせることで相手だけに試合の流れがいかないようにすることをこの試合の大きなテーマと掲げていた。

誤解しないで欲しいが、選手交代というものが必ず試合の流れを変えるわけではない。そうならない場合の方が多い。

選手交代も色々な要素があって、

「流れを変えるため」
「守備固め」
「点を獲るため」等々いくつもある。

ただ、この相手監督は試合が膠着していようと勝っていようと負けていようと思い切って前線の2トップを両方交代させることが多い。

そうなると、当然ながら何かしらの変化がある。それがこれまで敗戦した試合では相手に有利な流れになっていたというだけだ。


そうして、試合が始まった。

思わぬことに、前半の序盤で2点を叩き込まれた。

0-2

完全にゲームプランとは違う、思わぬ展開。

まさか、2点のビハインドを負うとは思ってもいなかった。

ただ、うちがそう思っていたのと同様に、相手も2点も先制出来ると思っていなかったようだ。

そこがこの試合での伏線となった。

前半終了間際にうちが1点を返し、1-2で折り返す。


さて、これから私の出番。

プロや格式のある大会になれば絶対に試合において相手監督やスタッフがどんな行動をしてどんな発言をしているか知りえない。がしかし、県内公式戦レベル、ましてや準決勝や決勝でもない限り、一般ギャラリーと混じってしまえば、そういうこともやろうと思えば出来る。

賛否両論はあるだろうが、今回やったことはあくまで選手交代をやる気配を感じ取ること、だった。

前半終了前からベンチ入りのメンバーをアップさせていたので、後半から変えてくる気配はあったが、

試合前、うちの監督と確認していたのは、

「後半最初からの交代は流れ云々に関係なし」

ということ。よって、大した問題ではない。

そして、後半から1枚変えてきたが事実、何ら問題なかった。

さて、後半が開始になって、相手監督の様子を観察。

試合において相手監督やスタッフを凝視する経験など初めてだったので非常に面白かった。(不謹慎かもしれないが…)

普段、自分達のベンチワークばかりに気をとられて、それが当たり前になっていたので、新鮮。

大胆な交代(采配)をする相手監督もさすがにこの試合の流れは難しかったのだろう。

実際、後半開始からチラチラと時計を見ながら、交代選手よ横目に見ていた。

つまりは、

“交代のタイミングを伺いながらも迷っていた”

のである。

それは、いきなり2点を先制して良い流れで前半を終わっていた為。

監督にとって難しいのが良い流れの状況で選手交代をすること。

98年W杯予選の際、日本対韓国戦(国立での試合)で当時の加茂監督が下した采配がかなり批判を浴びたが、あれはまさに監督のベンチワーク、選手交代の難しさを示した一例であろう。


また、相手監督がピッチに出す指示というのも戦術的な意味合いが深い場合がある。これまた参考になった。

後半が始まってから20分くらいが経ち、なんと、、、

うちが再び1点をとり、2-2の同点に追いつく!

相手監督としては、悔いが残ったであろう。

点をとられた瞬間にグランド近くにいき、選手に対して、

焦るな、攻撃できる。サイドを使って攻めていけ!」

と指示を出した。この時点で一番焦っていたのは、間違いなく、この監督。彼の焦りを彼の言葉から感じた。

そして、その状況下で隣にいるスタッフに

「○○のピッチを上げさせてくれ」

と指示。つまりは、交代が近いサイン。

そして、いよいよ選手が呼ばれ、交代に入る段階で、我がチームも準備万端、待ってましたとばかりに、選手を出す。

そして、全く同じタイミングで同じFWの選手を出した。

おわかりのように、既に流れはうちにきている。そして、この交代によって、流れが一層うちに傾く。

そして、後半30分近くの段階で、

うちが決勝点となる3点目をたたき込む!!

これで、3-2!!

0-2からの大逆転だ。まさか、まさかの大逆転!!

結局、試合はこのまま3-2で勝利した。

相手ベンチの状況や交代の気配についての状況報告は携帯電話でうちのチームスタッフに逐一していた。監督は試合に集中してもらいたい為、情報を取捨選択してもらった上でそのスタッフには伝えてもらった。

一番のキーである交代のタイミングだけは誤らないように、相手と合わせた。


これが勝因であるわけもないが、この日のベンチワークとして大きなポイントは相手監督のベンチワークを封じる手段。

普段は、コーチという身にありながら、自身も(気持ちが)試合に入ってしまっているが、こういう立場で試合を観ることの重要性も気付いた。

試合に集中するスタッフは監督だけ、或は、監督とコーチ1名くらいでいいのかもしれない。プロのチームでもスタッフがスタンドから観戦したりしているのが良い例。

また、ベンチワークというなかなかピッチ上に直接的に現れない事象の重要性も認識することができた。

いずれにせよ、なかなか大胆で思わぬことをやってのける我が監督にはまた驚かされた。

この指令を受けたのは試合当日なんだから…(苦笑)




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Comments

大逆転勝利おめでとうございます!!
文章を読んでいるだけでも、かなり勉強になった気がしました。実際に現場で経験を積まれているイチローさんがうらやましい限りです・・・。

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