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怪我人とメディカルスタッフから考えること 

バレンシアのメディカルスタッフの評判は一言でいうなら、

“最悪”

というもの。ファンにもマスコミにも至って評判は悪い…




せっかくの機会なので、それについて考えてみたい。ただ、大前提として、我々素人にはそういった知識が無いことは自覚すべし。

今季怪我人が続出する原因にメディカルスタッフが槍玉に挙げれられることが多い。その際、一番の標的になるのが、責任者のカンデル医師。以前、彼にバレンシアで何年働いているのか聞いたが、正確な数字は忘れてしまった。確か、「14年」くらいだったと思う。とにかく、十数年バレンシアでメディカルスタッフとして働いている。

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また、彼の周りには多くのスタッフがいる。トータルでは、今季途中で増えているはずなので、はっきりした数字はわからないものの、7名前後だと思われる。

では、なぜにそこまで槍玉に挙げられるのか、その理由は、今季の怪我人の回復具合と再発にある。

例えば、今季CLアウェーでのブレーメン戦でビセンテが足首の怪我を負った。その時出た報道は、「全治10日前後」。勿論、このカンデル医師が語ったものである。で、その後を見てみると、全治10日どころか、現在も回復していない。

ビセンテは同様にその怪我の回復があったが、年末のバルサ戦やCLの試合に強行出場したことにより、再発、というよりも悪化させてしまい、手術となる。これは、クーロ・トーレスに関しても同様。最終的には手術せざるを得ない状況に陥り、逆に回復が遠のいてしまった例。

強調するが、我々素人は勿論、マスコミにもそういった医学的知識がないのは明らかで、どうこう言う筋合いもないし、スタッフにとっては言われる筋合いもない。

今のうちに個人的な見解を述べて置くが、別にバレンシアのメディカルスタッフが悪いだの、最悪だの批判も非難もするつもりはないし、その権利もない。逃げるわけではないが、彼等なりの仕事はしっかりやっていると思っている。

では、何が問題か。それは、やはり我々ファンが具体的な“数字”として怪我を換算したがること。それによって、マスコミは怪我の状況を「全治どのくらいですか?」と聞かざるを得なくなる。よって、説明をするさいには、スタッフ側も数字を出して説明せざるを得ない。

人間というのは不思議なもので、妙に数字によって安心させられてしまう。「重症」と言われるよりも、「全治6ヶ月」と言われる方が何やら安心してしまう。6ヶ月、半年なので、十分重症なのに…

また、怪我も人間同様に生き物。正直、その日の状況やその選手の心理的な面も含めて日々変化がある。痛い日もあれば、痛みがない日もある。回復したと思ったら、急に悪くなる。そういった姿勢を理解しなければ、「なんで3月末にビセンテはチーム練習復帰って言ってて出来てないんだよ!」と暴言を吐きたくなる。実際にビセンテに関しては、足首の怪我ということもあり、回復の波が激しい。以前、バレンシアの選手達が、「Animo Vicente」(頑張れ、ビセンテ!)というTシャツを着て登場したのを覚えているだろうか?

あの時の事実は、ビセンテが怪我の回復で精神的に参っている、その為にチームでTシャツを作ろう、となって作られたもの。多くの人は、「何で今頃、ビセンテ頑張れ!なの?ちょっと時期が遅いんじゃない??」と思ったはず。私もその1人。ただ、その前に回復がまた下降し、元の段階に戻らざるを得なくなった為、彼自身が精神的に落ちていたからというのが理由らしい。

また、メディカルスタッフは、常に選手と監督の狭間に立たされることになる。選手は早く試合に出たい、監督も例えばビセンテのような選手がいないと困る。ましてや、結果が出ない時には怪我を押してでも出したい。じゃないと自分の首が飛ぶ。

そういったチーム状況や本人の気持ちを理解しながら、怪我の具合をみて「NO」とはっきり言えるか、その勇気や意志があるか。それも知識や経験だけではない能力の1つである。

そういう関係を保つ中で最も重要なのは、“信頼関係”。これは間違いない。それがなければ、チームは崩壊してしまう。信頼関係があってこそ、縦・横の連携がはかれ、選手の怪我の状況・回復具合がスムーズに伝達される。今季のバレンシアでは、特に前監督の時は、それがうまくいっていなかったように思う。

現場スタッフが、「メディカルが悪いから、怪我人が多いんだよ!」と思い、

メディカルスタッフが、「現場でしっかりフィジカルトレーニングやらないから、怪我人が多いんだよ!」と思う、

それで良いチームができるはずもない。怪我人が減るはずもない。

基本的にメディカルスタッフというのは監督人事に左右されることはない。そういう移動は出来ない仕事。考えてもらえればすぐにわかるが、例えば、シーズン途中で監督解任になったからといって、スタッフも変わったら、怪我人はどうなるのか?今までやってきたリハビリはどうなるのか?また、長年データや選手の怪我・筋肉の特徴を理解しているスタッフが抜ければチームやクラブにとって失うのもはあまりに大きい。

別の側面からすれば、そういったデータは機密事項であり、他チームに渡ればそれがグランド上で有益な情報となりうる。あの選手は、こういった怪我を持っている、こういった筋肉の質があるから、こういう対処をしようと戦術的な要素に絡めることも出来る。まさに、個人情報、サッカー選手として一番ランクの高いシークレットなもの。よって、クラブはそういうスタッフを頻繁に変える事は絶対にしない。

基本的にチームは怪我が起きた際にその怪我の診断をする医師、その怪我のリハビリを担当するトレーナー、マッサージ氏が複数で連動して動いている。彼等の横のつながりが最も重要な要素であることは疑いのない事実。

そういったスタッフの仕事は、当然ながらきついもの。選手より早く来て、遅く帰る。それは当然。そして、選手が帰ればスタッフ同士でその日の状況を報告し合うはずである。

部外者がそういった内情を知れるはずもないし、入ったとしても専門性のない者にとってはわからないものであるが、そういう彼らの仕事、働きには敬意を持ちたいと思っている。

今季の怪我人続出の原因は決して短絡的な要素からきているものではないはずだから。それは、チームやクラブ、そして選手の様々な状況に複雑に絡んでいる問題。ただ、どうしても人間はそこをつきとめたいとするが上に、「メディコが悪いからだろ」という単純な理由を出したくなる。

昨日、カニサレスはTVのインタビューでこんなことを言っていた。

「今季は監督交代があったことでフィジカルトレーニングの内容が変わった。そういった面も今の(怪我人多発の)状況に関係しているかもしれない」

ベニテス時代のフィジカルトレーニングはきつかった、と言われている。クーペル然り。ラニエリ時代のフィジカルトレーニングがきついのか緩いのかは比較出来ていないのでわからない。彼等なりの意図を持ってやっていたはずであり、それなりに経験もあるから。

ただ、フィジカルトレーニングを多く積んだから、フィジカルが強くなる、というのも短絡的であって、そこにはそのトレーニングの内容やそれを実行する選手の質、モチベーション、理解といったものが関係してくる。

「だるいな~」と思いながら1km走るより、「このトレーニングをしたら足腰が強くなり、今苦手なロングキックに活きるんだな」という明確な意図を持って1km走る方が力になるに決まっている。だからこそ、監督やそのスタッフがいる。彼等がそういった動機付けや説明を加えるから存在するのであって、そういうものが必要なければ、メニューだけ与えられてこなせばいい仕事になってしまう。

混乱させるつもりはないが、現場で観れば観るほど、その原因というのはわからないもの。例えば、「なぜバレンシアは今季低調だったんだろう?」と聞かれてもはっきりいってわからないし、理由は1つではない。多分、外から眺めている方がわかること、表現出来ることが多々あるはず。

よって、現場にいるスタッフ、選手、監督はもっとわかっていないと思う。それがわかるなら、そんなことは起きていないのだから。

ただし、そういったいくつも絡み合った要素を拾うこと、取り上げることは現場にいる者としてわかるかもしれない。今日はその1つを取り上げてみた形になる。

「なんともすっきりしないな~」

と言われそうだが、それこそがサッカーの正体であり、それこそが我々人間の存在なのかもしれない。


「サッカーに理由なんてないのよ」

先日、あるクラブ関係者の女性にこんなことを言われてしまった… ごもっとも。。。






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