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スペインvsチュニジア戦分析 

スペイン vs チュニジア

結果;3-1

得点者;
チュニジア ムナリ(前半8分)
スペイン ラウル(後半26分)、F・トーレス(後半32分、後半45分)


■見せつけた“神通力”

いやはや、スペイン…

ここまで“運”や“流れ”を引き寄せると逆に怖くなる…

間違いなく、今大会で今のところ、「一番、“ツイて”いる」。そう断言できる。

・アラゴネス監督の選手交代

・試合途中での大雨

・F・トーレスの得点

全てにおいて結果は、“大吉”と出た。そして、早くも決勝T進出を決めることとなった。


■チュニジア、ルメール監督のゲームプラン

チュニジア側としては前半は完璧にゲームプランが“はまった”形であった。

前半8分のチュニジアの先制点は、スペイン側からすれば、いわば「事故」のようなもの。

スペインvsチュニジア 前半8分チュニジア先制点シーン


中盤でチャビ・アロンソが追い込み、ルイス・ガルシアと挟み込むような形でボールを奪う瞬間にルイス・ガルシアの足にボールが当たってしまい、それが見事なまでのスルーパスになってしまった。

スペインのDFラインはこの日もプジョルの積極的なラインコントロールにより、高い位置に保つことが出来ていた。そして、このシーンでも中盤でしっかりプレスがかかり、ボールが奪えそうであると判断し、ラインを上げている段階であった。

その時に起こってしまった、偶発的事故。

ルイス・ガルシアの足に当たっていることにより当然ながらオフサイドはない。S・ラモスの位置も深かった。そして、ラインを上げている段階で不意にボールが裏に出たことにより、プジョルがFWとのポジション取りで完全に不利になり、体を当てられバランスを崩した。

チュニジア、ルメール監督が描いていた得点へのポイントはこのようなものだったろう。

・スペインのDFラインは高い。よって、中盤でダイレクトでDFラインの背後にボールを入れる

・DFラインの背後でFWがボールキープ出来た時はとにかく中盤の選手もゴールを狙いにいく

これに加え、プジョルがFWに取り残されてしまったのが、失点の原因となった。

前々から言っているように、スペインの弱点はプジョルが置き去りにされた時の対応。そして、パブロの不安定さ。特に、パブロは相手がドリブルで1対1を仕掛けてきた時に弱い。高さはあるが、足下、球際の粘り強さがない為、このシーンのようにボールを奪いきれない場面が多い。プジョルと比較すればそれは明確な事実となる。

チュニジア、ルメール監督からすると「してやったり」の得点。理想的な形で得点を奪えた。しかも、試合の早い段階で。

また、前半スペインがリズムを作れなかった理由は、勿論、スペインが早い時間帯に先制されたことによる“焦り”もあった。試合後、スペイン、アラゴネス監督は、「若いチームによる“焦り”によりナーバスになっていた」と振り返ったが、私はそれ以上にチュニジアのチームとしての守備を評価したい。

スペインにボールを持たれるのは既定の事実として捉えながらも、しっかりと中盤でプレス、チェックをしていた。チームとしての連動性もあり、システムが1トップで中盤が5枚ゆえに中盤の構成では優位に立つシーンが多かった。

ウクライナとは明らかに違う戦い方を仕掛けてきた。それは、勿論、スペインのウクライナ戦をしっかり分析したという成果があるだろう。


■4-3-3の弱点

また、この前半でスペインの4-3-3の弱点が改めて明らかになった。

この試合の先発メンバーは以下の通り。

スペインvsチュニジア スペイン先発メンバー


4-3-3とは言いながらも、ウクライナ戦同様にルイス・ガルシアが2トップ下で自由に動き回り、ボールサイドに顔を出す変則的な3トップだ。中盤がダイヤモンド型の4-4-2とも言い換えることが出来るが、ビジャとF・トーレスの距離があまりに離れすぎていることによって、純粋な2トップのシステムとは言いがたい。

そして、一番の問題は、やはりシステム上どうしてもスペースを空けることになる、中盤のサイド。チュニジアの前半のキーマンは右サイドバックのトラベルシであったが、彼に対するチェックが曖昧であった。

スペイン4-3-3の弱点


この問題は、既にW杯前の親善試合から露呈していたこと。しかしながら、3トップを変則的に変えたことにより、F・トーレスもプレスにいけず、左サイドバックのペルニアもDFラインからそのスペースまでアタックにいけず、中盤のチャビ、チャビ・アロンソも中盤の数的不利な状況からしてアタックにいけない。

そこをどうするのか、これは今後の試合での課題になるだろう。すくなくとも、今大会も多くのチームが4-4-2のシステムで中盤のワイドに選手を配置していることが多い。3トップになればサイドバックが相手のウイングにマークすればマッチアップできるが、中盤サイドの選手になった場合、この選手を捉えることが4-3-3のシステム上難しい。

私は決勝Tスペインvsフランスと予想しているが、そうなった場合、フランスの4-5-1、中盤サイドのビルトール、マルーダをどうチェックするのかが試合のキーポイントになりそうである。


■ルイス・アラゴネス監督の選手交代を検証

スペインのアラゴネス監督は後半開始早々から動いてきた。

セナに代えて、セスクIN

ルイス・ガルシアに代えて、ラウルIN

正直、驚いた。特に、ルイス・ガルシアを下げ、ラウルを入れたことにどう意味合いを持たせればいいのか、後半開始直後から悩み続けていた。

それは確かに、ラウルのゴールという形で結果として現れたのかもしれないが、結果論としては「OK」。ただ、戦術的な観点からしたら「?」の采配だった。

理由は、明白でありこれまで通り。

運動量の問題

前半、動き回ってボールを受けてはいたルイス・ガルシアであるが、うまくボールをさばけなかったのはチュニジア側の激しいチェックに加え、ビジャ、トーレスの動きがなく孤立していた原因があった。

少なくともルイス・ガルシアに関してはボールを引き出すことは出来ていたので、問題は周りの動きとサポートであったろう。

それをラウルに代えたところでプラスの要素はあまり見つけられなかった。事実、後半当初のラウルは中盤に下がってボールは受けるが、特に怖いプレー、パスを出すことはなかった。

ビジャに代えて、ホアキンIN

の交代も然り。後半1点を追いかける場面で純粋なFWをベンチに下げることによって、トーレスが余計に孤立した。ラウルもホアキンが入った後も相変らず中盤で引いてパスを受けることが多く、決定的な攻撃に絡めるような位置にはいなかった。

勿論、サイドのスペシャリストを入れることによりサイドから崩すことを意図したのであろうが、右サイドだけにサイドの選手を置いたところでチーム、攻撃のバランスは整わない。

ただ、セスクの投入だけは当たった。見事なまでに。

前半、スペインがリズムを作りきれなかった、シュートまで行かなかった理由は、

・FWの動きの量が不足していた

・中盤からの飛び出しがなかった

こと。セナ、チャビ共に前線まで飛び出し、シュートを打つようなプレーはなかった。

それが、セスクが入ったことにより彼がそういったプレーを心掛けるようになり状況が変わった。


■試合途中での大雨

私は、雨が降り出した瞬間に、「スペイン、“ツイて”るな」と心で叫んだ。

スペインでサッカー観戦したことのある方なら、試合前に水をまいているシーンをご覧になったことだろう。

なぜか?

「ボールを滑らせることによってパスをつなぎやすくするため」

である。スペインらしいサッカーをする為の1つのベースとなるのがピッチに「水をまくこと」なのだ。

ただ、このドイツW杯では、水はまかないそうだ。プラス、日々信じられないくらいの“暑さ”が続き、ピッチはかなり「乾いた状態」にある。

この大会をご覧になって、

「よく選手が転んでいるな?良い天気なのになぜだろう?」

と不思議に思っている方も多いと思う。その理由は、

「あまりにピッチが乾いていて、スパイクが芝に引っかかる」からだ。

よって、足を取られ、転ぶ選手が多いのである。

一般的に水をまいて滑りやすくなった芝になる方が足をとられるような感覚があるが、適度に水をまくことはスパイクと芝の間の良い「潤滑油」になるのである。

そして、この雨が前半30分すぎから降り始めたことにより、後半のサッカーは完全にスペインが有利になる。

そう、「パスがつなぎやすく」なったのだ。チュニジア側の疲れもあったが、それ以上にグランダーのパスがつなぎやすくなり、チャビやチャビ・アロンソのようにサイドキックで有効なパスを出せる選手にとってパスを出しやすい環境になった。

実際、スペインの2点はこの雨による影響があった。

1点目のラウルの得点。

セスクのシュートをGKが弾いてラウルが詰めたゴールであり、ラウルらしい得点。

セスクのサイドキックでの何気ないシュートではあったが、ワンバウンドした瞬間に微妙に“伸びて”いた。よって、GKは弾きだすしかなくラウルが詰める形となった。

プラス、ラウルの経験、インテリジェンスが出たシーンだったとも考えている。

ラウルは前半ベンチから、相手GKの様子をチェックしていただろう。ロングシュートをことごとくパンチングで弾き、「キャッチングに難あるGKだろうな」という感覚は持っていたはず。

よって、雨でスリッピーになった状態でシュートが来れば確実に「弾く」と頭に描いていたに違いない。そして、見事な同点弾となった。

2点目のトーレスの得点。

セスクからの見事なパスであったが、トーレスのスピードを活かすようにパススピードもワンバウンドした直後にまた“伸び”た。よって、トーレスがそのままの勢いでGKを抜き去ることができ、ゴールとなった。

よくみると、ボールを受けた後のトーレスのボールタッチは多少ミスがある。完璧なボールタッチではなかった。それが、ボールが転がり、スピードが出せるピッチにより助けられた形だ。

この2点は、少なからず、雨による恩恵をスペインが受けた得点だったと言えよう。

いずれにせよ、色々な意味での“運”を引き寄せている現在のスペインは、良い方向に向かっていると言えるのかもしれない。



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Comments

何かを持っているラウル

選手交代は、交代要員もそうですが時間帯も驚きました。
ラウルは、非常に喜ばしいゴールではありましたが…
ただ、こんなことを言ったらライター泣かせかもしれませんが
彼は「何か」を持っている部分は、あるかもしれませんね。
それにしても45分を託すにはやはり疑問符が付きますが。。。

  • [2006/06/21 00:27]
  • URL |
  • カルボーニ年金
  • [ Edit ]
  • TOP ▲

やっぱラウール

ラウールのシュートはさすがですよね。
彼の力がたくさん詰まった、とても彼らしいゴールだったと思います。
アラゴネス監督がどういう選択をするのかとても楽しみです。

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