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日本人が戦術、システムを多いに語る理由 

2007年5月18日のアス紙の記事より
【18日のアス紙にあった2007年TV視聴者数最多ランキング記事】

1位 リバプール対バルセロナ 862万人(平均視聴者数) 45.7%(シェア率)

2位 エスパニョール対セビージャ 775万人 45.4%

3位 レアル・マドリー対バイエルン

4位 バルセロナ対レアル・マドリー

5位 スペイン対アイスランド

6位 スペイン対デンマーク

7位 バレンシア対チェルシー

8位 イングランド対スペイン

9位 F1 スペイングランプリ

10位 F1 イギリスグランプリ


これが、2007年スペイン国内の最多視聴者数ランキング。当然、スポーツ部門だとは思いますが、部門分けなしでもトップ10にフットボールがいくつ入るのだろう?というくらいなのは明らか。

この数字から感じることはたった1つ。

「スペイン人はフットボールを観てます。とにかく観てます」

ってこと。年齢に関係なく子供から大人まで、老人までみんな観てますよ。少なくともスペインのお茶の間、TV局はフットボール無しでは存在しえませんよ。(嫌いな人も当然いますが…)

だから、スペイン人なんかと話しをしていてもよく思うんです。

「この人たち、サッカーをマクロの視点で観ているな」

スペインではそこら辺で遊んでいるちびっ子にマイクを向けてサッカーの話題を振ったとしても立派な返答します。「カペッロ続投?あの人のサッカー嫌い」とか小学生低学年風のちびっ子がカメラとマイクを向けられても堂々と発言します。


日本人ってサッカーに関して特に、その時期、その状況でモダンなチーム、魅力的なチームだけを取り上げてミクロの視点で観ることが多いと思うのです。だから、戦術論って多くないですか?システム論って多くないですか?

自分がスペインで生活し初めて、前も言ったように「日本人としての軸」を感じ、持ち始めてサッカーに対面するようになると、これまでと少し視点が変わってきたな、と思うんです。

このブログでも最近は特に、戦術論やシステム論をマニアックに論じたり、熱く語ることが少なくなってきたかもしれませんね。意識しているわけではないのですが、必然なのかもしれません…。大事な要素ではあるけれど、それ以上に大切なことはやはり日常、現場にあると思うようになってます。


17日、ペジェグリーノが指導しているバレンシア郊外のエリアナという村に行って彼の練習を見学してきました。

彼ほどの指導者が本当に村の普通の子供たちを指導している姿って何か面白かったですけど、やっぱり指導というか口を挟むタイミングが上手かったな~。参考になりました。

練習後、自転車通勤している彼と一緒に私が乗る電車の駅まで2人でサッカー談義しながら帰ったのですが、面白かったですよ、その内容が。オフレコ話しもいっぱいありました。

そういえば、その村のスポーツ施設のすぐ近くにカニサレスも住んでいるようで、ちょうど自分が到着した時、施設内のバルでカニの子供や奥さんを見かけました。

ペジェさんの話しでは、「カニの息子はエリアナのスポーツ施設で空手やってるよ」とのこと。そういえば、カニも柔道やってたんですよね、昔。

色々話していて思ったことは、彼のサッカー観って“達観”している部分があるな、ということ。今のサッカー界で色んなことが起こっているんだけれど、決して動じていないし、落ち着いた状況の中でその流れを上手く組み取っている。

今シーズンCLでプレミア勢が奮闘したこともあって、「今後、ハイテンポでフィジカル的なサッカーが主流になると思う?」と聞いたところ、彼の答えは明確。

「サッカーとは、サッカー選手とはより複合化されたもの。全ての要素が混ざり合っているもの。もし、フィジカル重視のサッカーになるというなら将来的には陸上競技で五輪に出場できるようなアスリートを試合に出せばよくないか?そんなアスリートの方がロナウジーニョより良いサッカー選手になる時代が来ると思うか?有り得ないし、サッカーというのはだから面白い」

バルサの低調やレアルの好調の話しを振った時も、「サッカーとはそういうもの。フィジカルよりもメンタルが大きく左右するし、長いスパンでみていかないと駄目。マンUなんかみてみろよ、ここ数年全く勝てなかったチームが今年いきなり復活した。監督が変わったか?システムや戦術が変わったか?」なんてコメントしてました。


日本のメディア向けに文章を書くライターとしては難しい立場なんですよね。

例えば今、セビージャが素晴らしい。

なぜだろう?成功、躍進、良いサッカーの理由は?

とみな理由を知りたい。

ライターの立場としてはその理由を探して文章にしなければいけない。

でも、自分はその背後で「結局その一瞬、ポイントだけを切り取って理由を探しても無理だろうな」と思う節もある。(「この仕事向いてないかも?」と思う時もしばしば…苦笑)

だって、「フットボールですから」「サッカーですから」。

魔法の練習なんてありません。

「この練習をすれば絶対勝てる」なんて練習があったらどのチームもその練習をして勝てます。

「この戦術、システムを使えば絶対勝てる」なんて戦術、システムがあったらどのチームも採用します。

現実はそうじゃない。そうじゃないから面白い。奥が深い。

成功なんて、答えなんて人生同様フットボールにはない。だから人生もフットボールも面白い。

それぞれが自分なりの成功、幸せ、解答を求めて人生やフットボールを営んでいく。だから僕はフットボールの魅力に惹かれる。


スペイン人は冒頭にも挙げたようにサッカーを“見続けて”いる。自分のチームと軸を持って日常の一部として見続けている。

だから、そこらにいる誰もが自分なりの意見やサッカー観を確立していて、今更戦術論やシステム論を唱えられてどうこう思わない。だから、マスコミやメディアってあまりそういう話しをせず、あっさり報道するのみで終わっている感がある。

ユースやジュニアユースの練習なんかもこれまで観てきましたがバレンシアやビジャレアルが多かった。だから、ペジェさんの村クラブなんかのチーム、選手を観るのが新鮮だったんですよね。

選手の質はお世辞にも良いとは言えない。練習着もバラバラだし、サッカーソックスではなく普通の靴下を履いて練習してる選手もいる。

でも、持っているサッカー観や意識はバレンシアやビジャレアルのカンテラーノ、エリートたちとさほどかわらない。自分が外からみていて、「この場面ではこのプレーだな」と直感で思うことをやろうとしている。ただ、技術がなくて出来ないだけ。その差。

そういう意味でも「観れる環境」って大切です。「観れる距離感」って大切です。

フットボールを観れる環境、フットボールと生活の距離感。

日本でもだいぶ整ったとはいえ、近まったとはいえまだまだの部分はあるし、高騰化する放映権料のために少なくともTVでの距離感は広がりつつある。

的外れかもしれませんが、日本代表の下部カテゴリーが勝てなくなったのってそういう環境に影響してると思いません?

自分がサッカー少年やってた頃にJリーグが誕生してフィーバーがあり、その後代表熱も高まっていった。まさに日本でフットボールの環境が整い、距離がぐっと縮まった時期。

自分のすぐ下の世代が俊輔や小野、稲本の黄金世代。

彼らの世代って特に民放でサッカーがバンバン放送されていたと思うんですよね…。

でもその直後からビジネス化の一途を辿った日本サッカーは民放で試合が放送されなくなった。よりコアなファンはCSで観るようになった。

確かに今のサッカー少年は指導者のレベルアップによって技術的には上手くなっているけど、教えられることに慣れすぎてるんじゃないかな~と思うんです。

低年齢のサッカー少年に必要なのはサッカーを生でもTVでも観まくること。それこそ、赤ちゃんが言葉を話すようになるのと同じでしょう。一定量のサッカーを観ないとサッカー選手としての“言葉”を持てない。自分の言葉を持てずに教えられてばかりいても結局身に付かない。

それが今の日本サッカーの低年齢層で起きていることなんじゃないかな、と思ったりします。

多分、日本で超上手いサッカー少年とスペインで超上手いサッカー少年のサッカーのレベルは同じでしょう。でも、日本で超下手クソなサッカー少年とスペインで超下手クソなサッカー少年のサッカー観、戦術的レベルは雲泥の差があることでしょう。

日本サッカー協会がエリート教育するのもいいですが、超下手クソなサッカー少年を「サッカーをわかってるな~」と思わせる方が大事だと思うのですが…

少なくとも私がお金にならなくとも、他に仕事があるにも関わらず(いいのか?冷汗)、深夜3時まで1時間以上、この記事(コラム)のために必死で文書を書く理由はそういうこと。

日本の皆さんにフットボールやリーガを近づけたいから。

長い記事にお付き合い頂きありがとうございましたm(__)m

Comments

お久しぶりです。

確かに日本の地上波では毎週末のJリーグ中継が減ってるかもしれませんね。あれだけ全国区のチームである巨人の視聴率が低いという話をきけば、地域に根付いたクラブを目指すJリーグは更に放送されにくいコンテンツとなりえるかもしれませんね。

サッカーだけの話ではありませんが、残念ながら今の日本のテレビは商業化を追い求めるあまりに、どれだけ視聴率が低かろうがこれだけは伝えなければいけないという番組やコンテンツが減っている気がします。(賛否両論あるでしょうが…)

日本代表の試合が放送されるのもたまたま多くの人が見るとテレビ局の人が打算しているだけで、本当に面白いあるいは魅力的なのかどうかは次の問題とされてるような気がします。

僕は、その昔ビデオもあまり普及していない時代のダイアモンドサッカーという番組が現在の40代の人間(特にサッカーライターなど)に多くの影響を与えたという話を聞くと、テレビの影響というものが小さいものでないと痛感します。

目先の結果としてはわかりにくいものですが、サッカーをできるだけ手軽にかつ多くの人間に定期的に見てもらう(つまり地上波での放送)ということは、先例から習うべき重要性だと思います。JリーグはJFAと協力してでも、この問題に取り組んで欲しいものですね。

ちなみに、僕は攻撃的でダイナミックな印象があるプレミアリーグが好きです。
ただUCLに出るのはいつもお金持ちの4チーム。そういう意味でマドリー・バルセロナに続くデポル、バレンシア、ビジャレアルそしてセビージャのフットボールは日本人としても見習うべき部分があると思います。

今回のイングランドがUCLで4つのうち3つ占めたのは運というか時代の流れみたいなもんだと思います。その前にはスペインのチームが、そしてイタリアのチームがベスト4の内3つを占めましたし。来年はまた違う傾向が待っていることでしょう。

domo
自分はセビジスタですがいつも読まさせて頂いております。
バレンシアも好きな選手多いんで。

放映権の問題ってやはり大きいですね。日本のスポルトのマンデーフットボール、1位のレアル、2位のバルサを紹介するのは分かります。
4位のバレンシアを紹介しました。
3位のセビージャはコメントすらならく・・・・・
放映権のお金の問題もあるかとは思いますが、日本はみんなどの局も同じ視点、同じ様な扱い、すぐにヒーロー扱い&過保護にしてしまいがちな・・・

確かに欧州サッカーの楽しさとかを伝えるきっかけはバルサやベッカムかもしれませんが。
なのでこういったブログの存在が物凄く楽しみになるんです。

いつも感謝しております。
(セビージャの3冠を夢見つつ・・・・)

はじめまして^^;

こんにちは(^.^)
僕は19歳で発足当時のJリーグをあまり知りません。
なので昔は民放でもサッカーを放送していたと聞きとても羨ましく思っています。
今は一人暮らしのためBSも写らず(>_<)すごくストレスが溜まります。
特に大阪はJのチームはあるものの野球の放送ばかりで、ガンバやセレッソの話題はほとんどありません。
ある意味、サッカーの空白地帯と言えると思います。

話しは変わりますが、僕はお金をためたら絶対スカパーに加入しようと思います
そして自分の子供が産まれたら、サッカーをテレビでもスタジアムでも見せまくりたいと思います。それが僕の今の夢です(笑)

今回は、僕の思っていた事が小澤さんと良く似ていたので書き込みさせていただきました。

スペインでの取材、レポート頑張ってください。楽しみにしてます(^.^)

戦術論

確かに好きですね。私は94W杯あたりからサッカーを見るようになりましたが当初ふれることができる情報はWOWOWのセリエA、数少ない月刊誌、そしてゲームでした。今でもサッカーゲーム大好きです。だからどうしても選手個人や戦術よりに見てしまうところあるような気がします。でもサッカーに関するいろんな事に興味はつきませんもっと知りたい。違う角度から伝えてくれるこのブログもとても楽しくよませてもらってて・・・今後もご活躍お祈りします。

文化の違いでしょうか・・

こんにちは。Ichiroさんの記事を拝見していると、サッカーが自然と根付いてる風土というか、そういう雰囲気がじわ~んと伝わってきます。
日本だとまだまだサッカーはマクロ的には語れませんね。まして若者だけが観るものだと思っている人も多いし。(笑)代表試合があった時(WCでも)、次の日に職場でそれとなく口にしても誰も知らなかったり。まして海外サッカーが好きなんて、特殊な趣味のように思われたり。(私の環境が特にそうなのかもしれませんが・・)

サッカーはとにかく見ていて面白いけど、いろんな要素が絡まって予測できないドラマがあるから、単純にスポーツとして割り切れない魅力があるんですよね。
ましてスペインは歴史や土地柄を大いに伴っているし、あるいは親子代々の応援など、楽しみ方もいろんな面を持っている。こればかりは急に日本は真似できないけど、Jリーグももっと一般の人たちにアプローチしていく方法を考えた方がいいと思います。
名の通った海外クラブを呼んで一時的にマスコミの注目を浴びるだけじゃなく。

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